スガさんは少しばかり怪しげな能力をもった人間だったけど、影山は実は本物の能力をもった妖怪だった。人間の姿で村に住み着いてた。昔、そこは妖怪たちが住んでいる村で人間が開拓して住み始めて妖怪は他の村へ逃げて影山だけになってしまっていた。
2014-10-11 15:32:33というのも、長い年月をかけて人間と少しばかり混血して他の場所でも共存できるようになった種族に比べ、影山は妖怪の中でもずばぬけて能力が高かったけど純血すぎてそこの村の空気でしか生きていけない体だった。
2014-10-11 15:35:19人付き合いが苦手な影山はひっそりと人間に化けて、周りからも煙たがられながら住んでいたけど、スガさんが現れて、それは少し怪しげな能力をもった人間で、それ以上に自分を理解してくれようとした初めての人で自分を打ち明けてもいいと思うようになった
2014-10-11 15:39:33この村に住んでいると昔妖怪が住んでいた名残なのか人間でも妖怪の能力をもつものがでてきてそれがスガさんだった。スガさんは自分の気味が悪い能力を恨んでいるようだった。また中途半端な妖怪の能力が彼に副作用を起こして時々発作のように彼を苦しめていた。
2014-10-11 15:43:07人間にもなれない、妖怪にもなれない苦しむスガさんを見て、影山は自分の血を分けて本当の妖怪に近づいたら発作がマシになると伝えた、スガさんが望むなら分けてあげたい、と。スガさんも影山の話を聞いて、影山にならそうしてほしいと言った。
2014-10-11 15:48:03でも血を交換するのには男同士でも性交が必要なんです、菅原さん。それでもいいなら…菅原さんには嫌われたくないのに…気持ち悪いことを言ってすいません。って俯いて涙を堪えながら拳を握って伝える影山。
2014-10-11 15:52:21影山に抱かれながら、愛してる影山。俺の言葉に答えてくれるなら、明日あの場所に絶対に来て。待ってる。あとは何も聞かないでくれ、と告げる。菅原さんは次の日村に火を放つ。
2014-10-11 15:56:28自分の背中が火の海になっていくのを振り返らずに息を切らして約束の場所に走って走って、影山がそこにいると信じて。でもその場所にはいくら待っても影山は来なかった。
2014-10-11 15:58:12影山は人間の焼け焦げる匂いと叫び声で目が覚める。何事だと思ったけど、村人たちが菅原の呪いだと騒いでいるのを聞いて、嗚呼昨日の言葉はそういうことだったのかと気づく。
2014-10-11 16:00:53菅原さんに会いにいかなければ、可哀想なあの人を救わなければと必死になって村を飛び出す。でもどんどん息が切れて足が鉛のように重くて進まない、影山は村の空気でしか生きられない体だったから。
2014-10-11 16:02:50村と森を繋ぐ道の途中で遂に倒れて、影山はスガさんの名前を呼びながら、地面に這いつくばってなんとか進もうとするけど、やがて声もでなくなって影山は死んでしまう。スガさんは影山を信じて一人でただポツンと待ってる。自分が殺した村の人の顔と影山の泣き顔を思い出しながら。
2014-10-11 16:10:36一週間ほど待って、嗚呼もう影山は来ないんだな、俺の勘違いで愛する人まで自分の手で殺めてしまったって、恐怖と悲しみに苛まれながらも、やっぱり諦めきれなくてせめて自分の手で影山の骸を拾おうと道を引き返そうとする。
2014-10-11 16:15:49でも、進めば進むほど息が切れて喉が掻ききられるように苦しい。終いには身体中が焼かれるような痛みで前に進めなくなる。影山から血をもらったせいでスガさんまであの村の空気でしか生きられない体になってしまっていた。スガさんは何も分からないまま、影山の名前を呼んで死んでいく。
2014-10-11 16:19:22