ニンジャスレイヤー二次創作【ジャスト・レップウ・ブロウイング】#2

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

【 #4215tk 】

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不意にレップウは足を止めた。物思いに沈み過ぎたせいか、もはやカミオンナ・ストリートを離れ見慣れぬ場所へと到達していた。が、彼をその場にとどめたものはそれにあらず！（…イクサか！）間近に漂うただならぬアトモスフィアを、彼は感じ取っていたのだ！16 #4215tk

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「イヤーッ！」レップウは間近のビルの壁を垂直に駆け上る！屋上に到達した彼は、静かに耳を澄ませた。刃の触れ合うような音を、レップウは確かに聞いた。そう遠くない位置！「イヤーッ！」レップウは跳躍し、音の元へと向かう！17 #4215tk

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二つばかりビルを飛び越したあたりで、レップウはようやくイクサのアトモスフィア漂う小さな事務所を発見した。「イヤーッ！」迷わず突入！KRAAAASH！窓ガラスを打ち破り室内へ！そこで彼は見た。一人の女にカラテを構えた、二人のニンジャの姿を！18 #4215tk

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「な、なんだァ！？」灰色装束のニンジャが、驚いたようにレップウへと振り向く。ニンジャと対峙する女も、どこか訝しげな視線で彼を見た。「何者だ」槍を持った古風な装束のニンジャが、静かな声で誰何する。「名乗れい！」19 #4215tk

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「ドーモ、はじめまして。レップウです」レップウはアイサツを繰り出す！それに真っ先にアイサツを返したのは、槍ニンジャだ。「ドーモ、ベスティアリイです」「フリントです」続けて灰色ニンジャがアイサツ。「なんだ、貴様は！この女の仲間か！？」フリントが叫ぶ！20 #4215tk

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「いや、俺は通りすがりだ」レップウは明け透けに答える。「イクサの気配がしたのでな。いてもたってもいられず首を突っ込んだのよ」「…じょ、冗談も大概にしろ貴様！」フリントの恫喝！しかし、戸惑いの色が隠れきれていない。ベスティアリイが槍を床に突き刺し、腕を組んだ。21 #4215tk

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「ふむ。首を突っ込んでどうするというのかね？レップウ＝サン」「そうさな」レップウは女を見やった。両目の下に泣きぼくろのある美人だ。彼は目を細めた。今気づいたが、彼女もニンジャだ。おそらくはかなりの手練れ！レップウはアトモスフィアからそれを感じ取る！22 #4215tk

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「アー」女が頭を掻き、億劫そうにアイサツする。「ドーモ、レップウ＝サン。レッドハッグです。あンた、どっちの味方？」「そうさな」レップウは顎に手を当て、レッドハッグとベスティアリイたちを交互に見やった。そして頷いた。「ひとまずは数の少ない方だな」23 #4215tk

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「イディオットめ！」ガチィン！フリントが両の拳を打ち合わせる！火花が散り、拳が炎に包まれた！「どこの誰だか知らんが、俺のカトン・パンチに敵はない！」「ならばそいつは貴様に任せるぞ、フリント＝サン」ベスティアリイが槍を手にレッドハッグと対峙！24 #4215tk

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一方のレップウは目を見張っていた。成る程、あのようなニンポを使うニンジャもいる！「イヤーッ！」まずは小手調べだ。レップウは虚空に正拳突きを繰り出す！衝撃波がフリントに飛ぶ！「イヤーッ！」フリントが衝撃波をブリッジ回避！そしてレップウに突進開始！25 #4215tk

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「イヤーッ！」迫り来るカトン・パンチをレップウは紙一重で回避！「イディオットめ！ソニック・カラテの弱点など熟知しておるわ！ワン・インチ距離では俺の圧倒的有利よ！」「成る程」レップウは打ち込まれるカトン・パンチを避けながら呟いた。26 #4215tk

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やはりこの場に来てよかったとレップウは思っていた。フリントというこのニンジャは既に三つのことを教えてくれている。己が受け継いだカラテがソニック・カラテという流派であること、そしてその弱点が近接戦であること。さらにその弱点が知れ渡っていることだ。27 #4215tk

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レップウは後退りながらカトン・パンチを避け続ける。一方のフリントはワン・インチ距離維持！「ホラホラどうした！イヤーッ！イヤーッ！」レップウは避け続ける。やがて彼は背後の壁に追い詰められる！フリントの目が嗜虐的に歪む！「イヤーッ！」カトン・パンチ！28 #4215tk

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レップウは身を沈めた。頭上をカトン・パンチが通り過ぎる。フリントの拳が壁にめり込む。「…イヤーッ！」そこで初めてレップウはカタナを抜いた！さらに低く身を沈め、カタナを水平に振るう！フリントの両足首を切断！そのまま彼の背後へと駆け抜ける！29 #4215tk

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「グワーッ！？」悲鳴は遅れて聞こえてきた。レップウは立ち上がりつつ、振り向きざまにカタナを一閃！フリントの首を撥ねる！「「サヨナラ！」」フリントは爆発四散！レップウはザンシンし、背後を振り向いた。悲鳴が二重に聞こえたのが気にかかった。30 #4215tk

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「ウェーゲホゲホ！」振り向いた先では、レッドハッグが咳き込んでいた。なぜか彼女はタバコを二本吸っていた。ベスティアリイというニンジャの姿はない。彼女の目の前にある焦げ跡が、あのニンジャがどうなったかを雄弁に語っていた。31 #4215tk

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「オミゴト」レップウは素直に賛辞を送る。レッドハッグが顔をしかめた。「…ドーモ。あンたのが実際、ワザマエは上かと思うがねェ」「否。ニンジャとしてのイクサのワザマエは、貴方の方が上だろう」「ハン？」訝しげに女が目を細めた。レップウは微笑を浮かべる。32 #4215tk

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「俺はニンジャとしてはニュービーなのだ。イアイ・ドーはともかく」レッドハッグの眉間のしわが深くなる。「…つまり、あンタ、本当にイクサに首突っ込んできただけッてわけ？」「左様」「…全く意味がわからない…ウェーゲホゲホ！」33 #4215tk

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「ワザマエを鍛えるにはニンジャとのイクサしかないと思っておったところ、都合よくイクサの気配がした。故に推参したわけだが」ここでレップウは、失望を隠すことはできなかった。「今の奴らはいかんな。なっておらん」「そういうニンジャも多いってことさ」34 #4215tk

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レッドハッグは肩をすくめ、思い出したようにカタナを構える。「…で？あンた、これからどうするんだい？あたしとイクサでもするか？」「ふむ」レップウは目を丸くした。たしかに、そういう選択肢もあろう。だが。「…気が乗らん。今はなしだ」「そうかい」35 #4215tk

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レッドハッグはレップウの言い分をあっさりと信じたようだった。彼女は首を傾げる。「となると次は、ビジネスの分け前の話でもするかね」「ビジネス？」「そう。あたしはビジネスでこいつらを追ってた。で、あンたが割り込んできた」「俺はビジネスに興味がない」36 #4215tk

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「そりゃ助かるね」レッドハッグが初めて笑った。「しかし借りは返しておきたいんだ、あたしとしちゃあ」「ふむ」レップウは考え込んだ。そしてすぐに彼女に言った。「…ならば、サケでも奢ってくれ。そして話を聞かせてほしい。ニンジャのな」37 #4215tk

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【ジャスト・レップウ・ブロウイング】#2終わり。#3へ続く。 #4215tk

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◇客電◇なんということか、まだまだ続く。続きをいつやるかは未定だ。どうか生暖かく見守ってほしい。これも早めにまとめに追加します。あとベスティアリイ＝サンは古代ローマカラテの使い手だったことをここに付け加えておく◇客電◇ #4215tk