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掌小説語り~自作つぃのべる集16~

自作のつぃのべるのまとめです。 2013年10月分
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リュカ @ryuka511

世界が滅びると言われたその日は朝から雨だった。天気予報は晴れなのに。思い当たる理由は唯一つ、僕が世界の滅亡を願ったあの日。雨の中で終わった幸福な日々、あの日から僕の世界は止まった。行く宛を無くし世界の終わりを願い続けた。僕の世界に降り続く雨は間も無く世界を終わらせる。 #滅亡お題

2013-10-21 23:39:08
リュカ @ryuka511

世界が滅びると噂の日。どうせ滅びるならと男は悪魔を呼び出した。「この忙しい時に何の用だ?」「最後に沢山の黄金を手にしたい。」「ちょうどいいや、ほらよ。」「おぉ!ぎゃー!」男の歓喜の声は断末魔の叫びに変わり世界は黄金で埋め尽くされ、噂でしかなかった滅亡は真実になった。 #滅亡お題

2013-10-21 23:59:57
リュカ @ryuka511

帰り道、1つのイヤホンで2人同じ音楽を聴いてた。ずっとこんな風に、同じ景色を見て同じ音楽を聴いて歩いてくんだと思ってた。なのに。失恋が突然やって来た。いつもの帰り道が、いつもの音楽が、彩りを無くしてる。思い切ってまだ新しいイヤホンを捨てた。ばいばい、思い出。 #twnovel

2013-10-22 22:10:50
リュカ @ryuka511

天界のトップシークレットである天使製造法を人間の男が手に入れた。こんな自分でも愛を手に入れた、今度は自分を愛さなかった連中を見返してやる。さぁ出てこい。俺だけの天使。瓶から出た天使は男を天界へ連れ去った。天使の仕事を勘違いした人間が多いと天界で話題になっている。 #twnovel

2013-10-23 23:10:46
リュカ @ryuka511

あれは、夢だったんだろうか。世界滅亡を仲間と共に願った。世界と共に私は消滅した、はずだったのに。あの日の仲間と温泉旅行を楽しんでいる。或いはこれが滅亡後の世界で見ている夢なのかもしれない。露天風呂から星空を見上げた。皆の笑顔が、世界が、こんなにも温かくて。涙が出た。 #全最愛祭

2013-10-24 00:32:09
リュカ @ryuka511

「この人がお前の妃になるのだよ。」幼い頃、父が見せた肖像画の姫に僕は一目で恋をした。大人になるつれ、僕と彼女には王国間の思惑があると知る。けどそんな事関係なかった。婚姻の日を控え彼女は悲しい顔をしている。政略結婚に愛は無いなんて概念を打ち破って彼女を幸せにしてみせる。 #全最愛祭

2013-10-24 23:15:39
リュカ @ryuka511

「何の為に死んでいますか?」「私をこんな風にした輩を油断させる為です。」「それは復讐なのですか?」「いいえ、審判です。」「あなたが本当に死ぬ事になっても?」「私は他の生き物の為何度でも甦りますが、人類は無理でしょう。だからいいのです。」 #世界もう滅ぼしたい協会 #twnovel

2013-10-25 22:56:26
リュカ @ryuka511

ある店で私達は働く事になった。猫なで声で話しかけられたり、身体を撫で回す手にゾッとする。でも怪我させなきゃ愛想振り撒く必要もないし、寝床と食事は確保されてるからまぁいい。お客は散々私達を撫で回したり写真を撮って勝手に癒され帰ってく。人間って不思議な生き物ね。#twCATnovel

2013-10-26 22:09:54
リュカ @ryuka511

見知らぬ洋館に迷いこんだ私をピエロの人形が手招きする。「探し物はここだよ」その声に従っていいのか、逡巡する思考と裏腹に足は勝手に進む。くすくす笑う人形に急かされ扉を開けた。待っていた人形が私に何かを渡す。受け取る寸前目が覚めた。何かを無くした私は空っぽだと知る。 #twnovel

2013-10-27 22:54:23
リュカ @ryuka511

「その石を渡してもらおう。」魔封じの力を持つ宝石を入手した勇者達に魔王の部下が迫った。臨戦体制を取った勇者達は愕然とする。仲間が自分達に動きを封じる魔法を放ったのだ。動けない勇者の懐から石が取り出された。彼女は石を敵に渡す。「ご苦労。」笑い声を残し2人は消えた。 #twnovel

2013-10-28 22:17:18
リュカ @ryuka511

自分を城から追放した妃は継母だと信じていた白雪姫は、それが実母だと知り絶望しました。森で優しい小人達に出会っても姫の心は閉ざされたまま。誰も愛さないと決め、毒だと知りながら林檎を食べ、王子の口づけも拒みました。廃墟と化した小屋で禁欲的な白雪姫は眠り続けています。 #twnovel

2013-10-30 00:05:28
リュカ @ryuka511

風が少女の翡翠色のベールを煽る。神殿から出る事を許されない彼女にとって、自分に救世を祈る聖女という役割を与えた世界の行く末などどうでもよかった。世界を救う祈りなどやめてここを出よう。自分に世界の命運が握られているなら、救う価値がある世界かをこの目で見極めるのだ。 #twnovel

2013-10-30 21:53:25