Quantum computer quest とその後まとめ
- kamakiri_ys
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Nature誌のQuantum computer questに書いてあったとおり、有用な量子アルゴリズムの開発は今最も重要な課題の一つです。Martinisが示した道を進むには多大な投資が必要で、因数分解アルゴリズムよりもっと汎用的なアルゴリズムの発見が投資の加速に必要なのです。
2015-01-05 21:03:44何兆円と投資してくれれば量子コンピューターは作れんことないぞと、そういう気持ちにさせるに十分な道筋をMartinisは示したわけで。もっとまじめに量子アルゴリズムを考えようとする人はかなり多くなると期待しています。世の天才が数多く動員されればきっと見つかるはず。
2015-01-05 21:12:24もちろんそれでも困難はあります。順調に投資が進んで、道筋に大きな穴が見つからなかったとしても、やはり30年はかかると考えています。 ただしこのタイムスケジュールですら、ポスト京やポストシリコンが目指すロードマップを考えれば魅力的な投資候補ではないでしょうか。
2015-01-05 21:24:27少しでも量子コンピューター研究の現状を伝えたいと思っているのですが、私がここでいくら吠えても説得力はないでしょう。Nature誌の記事を読んで頂ければ少し納得頂けるのではないかと思います↓ Quantum computer quest nature.com/news/physics-q…
2015-01-05 21:45:54@makoto0218ne56 素朴な質問をさせてください。ショアのアレの様な量子アルゴリズムがなくとも、量子コンピュータの実装が光を中心としたものであれば、電子計算機に比べてかなり速い計算機になると思うのですが、そのあたりを積極的に主張するむきはトレンドにはないのでしょうか。
2015-01-05 21:54:32非常に興味深い点です。以下数ツイートで返信させていただきたいと思います。私独自の見解も入ってしまうかもしれませんが、ご容赦下さい。(続 @s_hskz
2015-01-05 22:56:11光の量子計算機というと①線形光学型と②連続量型と③分散型があります。①は単一光子をqubitと見立てるものです。②は東大の古澤研が有名です。③は固体1qubitモジュールを光でつないでいくものです。
2015-01-05 23:04:54一方で光の古典計算機の研究というものは、シリコントランジスタを光で動作するスイッチに置き換えてムーアの法則(シリコン帝国)を越えるフロップスパー秒パーワットパー円を狙うというものです。今のところシリコン帝国を越えるところまでは到達していないと思います。
2015-01-05 23:11:29古典とそれぞれの量子に必要とされている技術は案外異なります。と言うことでそこまで上手に有機的に共同研究をしているようには見えません。今後は上手く連動したロードマップが組まれていくのかもしれません。ちなみに私は固体量子計算が専門で、光系はそこまで詳しくありません。
2015-01-05 23:17:46固体の方もポストシリコンの取り組みと近くて遠い距離感です。単一量子磁束と超伝導QC(量子コンピュータ)、単一電子トランジスタと量子ドットQC、スピンQCとスピントロニクス、分子コンピュータと分子QC、カーボンナノチューブとかニューラルチップとか他にも。今後歩み寄っていくのか
2015-01-05 23:24:0412月前半のツイートで、ムーアの法則破綻前までをClassical computer quest Iと名付けました。バベッジに始まり「京」で全クリみたいな感じ。ムーアの法則破綻後に向けた取り組みをClassical computer quest IIと名付けました。
2015-01-06 09:23:10情報処理力の持続的発展に向けどういうマスタープランを持つべきかを、Quantum computer questとClassical computer quest IIの両方を理解して、真剣に考える必要があるかも知れません。それは武器を共有すべきだという結論になるかも知れません。
2015-01-06 09:33:53アメリカの量子コンピューター戦略の軸足の一つは超伝導型です(もう一つはイオントラップ)。最近、超伝導型古典計算機の大型プロジェクトも走り出しており、CCQ IIとQCQが今後歩み寄っていくのかなと考えています。
2015-01-06 09:38:03やはりCCQ IIの方がプレーヤーも投資額もはるかに多いと思います。民間の取り組み方が全然違います。欧米日の政府がいくら投資したって民間には勝てっこないのです。情報処理の潜在的市場規模を考えるとそりゃそうです。
2015-01-06 09:50:51ちなみに量子計算がマイコンやパソコンに使われることはさすがにないと思います。この市場はやはりCCQ IIの独壇場にかわりありません。汎用的な量子アルゴリズムが開発されて、今よりクラウド化が進めば多少は貢献しますが、あくまでメインフレーム。
2015-01-06 09:56:59ダラダラと呟いてしまいましたが、何が言いたかったかというと、QCQのプレーヤーは情報処理の市場というものやCCQ IIの現状を理解して戦略を組むべき時代がついに来たのでないかということです。終)
2015-01-06 10:06:24補足) 量子コンピューターじゃないコンピューターを古典コンピューターと呼んでいるのは、古くさいとdisりたい訳ではありません。原理が古典力学・電磁気学に則っているか、量子力学に則っているかを表すために便宜上使っているだけです。
2015-01-06 10:10:52人間の需要ドリブンな側面が多分にある古典アルゴリズムと人間の需要とは独立に存在する量子力学をくっつけてみたら、実用上概ねすべての側面において悉くうまく行ってない上に唯一出来た応用が安全な古典公開鍵暗号の消失という事実、世界の不条理を体現している
2015-01-06 10:35:00量子アルゴリズムの発見数とか、BQPより強いクラスとか、No Signalingとかの議論を見るに、もし世の中に「古典力学での矛盾がどういう風に解決されるのかの物理法則ガチャ」があったとしてそこから量子力学というキャラを引いたんだとしたら、かなりハズレに近いのではと思わせられる
2015-01-06 12:07:06上のツイートで引かれた解説でもそうなんですが、Grover searchをデータベースサーチの為といのは誤解で、古典的な確率的アルゴリズムの加速に用いる。適応範囲は極めて広く、余程の事情がない限り適応できるといっていい。加速の度合いは平方根程度ではあるけど。
2015-01-06 23:56:24新しいアルゴリズムの開発が待たれるのはその通りなのだけれども、素因数分解しかない、とかいうのはかなり事実に反する。pellの方程式もあるし、可換隠れ部分群は全部いける。いたいのは、非可換隠れ部分群が思ったよりダメだったことか。
2015-01-06 23:59:03今は兎に角アイデアが尽き果ててる感じ。そもそもpeter shorが前世紀の内にアルゴリズムに興味なくしたのは結構痛かったか。量子酔歩もはかばかしくなく。。。。ただ、1990年代後半の量子アルゴリズムはshorとgroverだけじゃない、活発で実りの多い時期でした。
2015-01-07 00:05:05人的には、Kitaev, Brassard, Hoyer, Tapp, Moscaあたり。Brassardは量子鍵配布でも有名ですが。まず、Grover検索が成功確率の増幅である事が理解され、さらにスピードの調節ができるように一般化されたこと。これで応用がぐっと広がった。
2015-01-07 00:13:04応用先は古典及び量子アルゴリズムの成功確率の増幅。これで例えば離散対数はexactに多項式時間になった。shorのオリジナルでは、計算時間は高い確率で多項式なだけ。また、古典的確率的アルゴリズムの加速は極めて広範に行えるようになった。
2015-01-07 00:17:52