ニンジャスレイヤー二次創作【ジャスト・レップウ・ブロウイング】#4

【これまでのあらすじ】ヤクザクランのヨージンボとなったレップウ。彼は早速ヤクザの抗争へ向かう。イクサをするために!
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

…アイアン・ハリネズミ・ヤクザクラン事務所。デリバリーさせたスシをつまみながら、レップウとキャノンボールはくつろいでいた。ビズの話はあっさりと継続が決まった。レップウの希望もあってのことだ。「しかし、あんたがソニック・カラテの使い手とはな」20 #4215tk

2015-01-06 20:44:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「やはりこの流派は有名なのかね」「有名…まあ、そうだな。俺の知り合いにも使い手がいたってだけの話なんだが」キャノンボールがタマゴ・スシを口の中に放り込む。「ソニックブーム=サンっつってな。怖い奴だったぜ、本当」「存命かね?」レップウが聞いた。21 #4215tk

2015-01-06 20:46:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「…いや。だいぶ前に死んだよ。奴さん、ソウカイヤだったからな」「では、あれにやられたのか。ニンジャスレイヤーとやらに」「そういう話もある」レップウの言葉に、キャノンボールは渋面を作った。「キョートのザイバツがやったって噂もな。どっちが正しいかなんてわかるかよ」22 #4215tk

2015-01-06 20:48:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

レップウは黙ってチャを啜る。今度はキャノンボールが口を開いた。「しかしあんた、どうしてそんなにイクサしたがる」「己のワザマエを磨くためだ」「もう充分強いじゃねえか、あんたは」呆れたような物言いに、レップウは思わず微笑した。23 #4215tk

2015-01-06 20:50:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「上には上がいるものだ。いつでもな」レップウは言う。その顔が翳る。「…それに、俺はまだカラテの折り合いをつけられておらん」「なんだあ、そりゃ?」「ニンジャ以前に磨いてきたイアイ・ドーと、ニンジャとなって身についたソニック・カラテ。二つをどうするかということだ」24 #4215tk

2015-01-06 20:52:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ブハッ」キャノンボールが吹き出した。「そんなことで悩んでんのか、レップウ=サン!」「左様。つまらぬことで悩んでおるのさ」レップウが低く笑う。「あのな、レップウ=サン。難しいことを考えるな。単純に混ぜちまえば話はハヤイんだよ」25 #4215tk

2015-01-06 20:54:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「…どういうことだ?」レップウは改めてキャノンボールを見やる。キャノンボールが自らの胸を叩いた。「例えばだ。俺は元々スモトリ…スモトリ崩れでよ。まあつまらんことでニンジャになった。で、身についたのがムテキ・アティテュードだ」「中々のものだな」26 #4215tk

2015-01-06 20:56:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「まあな。でもよ、ムテキやってる間は動けねえ。そうなりゃ、スモトリ時代に身につけたワザが使えねえ。それはそれでつまらねえだろう」「…まあ、そうかもしれぬな」レップウは頷く。アンビバレントな話だ。「だから、これよ」キャノンボールは背中のジェットを示す。27 #4215tk

2015-01-06 20:58:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「こいつがありゃあ、ムテキやったまま相手にぶつかれる!それはスモトリでも慣れっこよ。だからよく馴染むわけだ」「成る程」「アー、つまりだな。ニンジャにはニンジャなりのカラテのやり方があるんだ。イアイ・ドーは普通の人間でもできるだろ?そこから離れたらどうだ」28 #4215tk

2015-01-06 21:00:24
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ニンジャなりのカラテ。その言葉は、レップウの思考に多少なりとも風を吹き込んだ。少なくとも、レップウ自身にはそう思われた。(使い分けるのではなく、組み合わせる。そちらを思索する道もあるか)レップウは再びチャを啜る。沈黙。外の雨音が響く。29 #4215tk

2015-01-06 21:02:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「少しは参考になったか」「…む。ああ、そうだな。ありがとう。礼を言うぞ、キャノンボール=サン」「表立って言われると照れるな、おい」キャノンボールが笑う。彼はふと気付いたようにスシを見た。「それよりレップウ=サン。あんたもっとスシを食ったらどうだ?」30 #4215tk

2015-01-06 21:04:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

それからのレップウの日々は淡々としたものだった。鍛錬。鍛錬。鍛錬。時折キャノンボールから回ってくる野良ニンジャの制圧。大抵はどうしようもないサンシタだったが、時々はカラテの強い者もいた。そんな中で、見込みのあるニンジャを引っ張ってきたこともあった。32 #4215tk

2015-01-06 21:06:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

レップウがキャノンボールに手を貸すのは、ニンジャ絡みの時だけだ。それ以外のことに、彼は興味がなかった。ニンジャとのイクサだけが彼の求めるものだった。仕事のないときは、鍛錬とアグラ・メディテーションだ。そして模索した。ニンジャとしてのイアイ・ドーを。33 #4215tk

2015-01-06 21:08:02
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

サツバツとした、しかし満ち足りた日々だった。たまに飲みに誘ってくるキャノンボールから聞くに、ヤクザクランの運営も順調なようだった。大きな組織の後ろ盾が得られそうだとはしゃいでいた覚えがある。微笑ましくはあれど、そこまで興味は持てなかった。34 #4215tk

2015-01-06 21:10:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

何事もうまくいっていた。しかし、アイアン・ハリネズミ・ヤクザクランは、唐突に滝壺に落ちることになる。35 #4215tk

2015-01-06 21:12:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

…「センセイッ!セッ、センセイーッ!」自らのドージョーにて静かにザゼンしていたレップウは、切迫した声に目を見開く。「どうした、スティレット=サン!」ドージョーに駆け込んできたのは、以前に自分がスカウトしたニンジャ、スティレットだった。36 #4215tk

2015-01-06 21:14:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

スティレットはすでに満身創痍の状態だった。ナムサン、右腕が切り落とされているではないか!「アッ、アバッ、デイリ!デイリが!」「なんだと」レップウは立ち上がる。そして傍に置いていたカタナを取った。「相手にもニンジャが…ツワモノ揃いで、歯が立たず」37 #4215tk

2015-01-06 21:16:02
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「もうよい。喋るな」「アバッ、俺、俺はもうダメです。どうか、どうか……ゴボッ」スティレットが血を吐き倒れる。「サヨナラ!」そして間も無く爆発四散した。レップウはドージョーから飛び出し、アイアン・ハリネズミ・ヤクザクランの事務所へと急行!38 #4215tk

2015-01-06 21:18:17
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

…事務所は炎に包まれていた。怒号が響いている。レップウは事務所前に待ち構えていたヤクザを見た。別のクランの者か。彼らは揃いのライダースーツを着ているようだった。「スッゾ!」「スッゾ!」ライダースーツヤクザが、中腰平行ステップでレップウを取り囲む!39 #4215tk

2015-01-06 21:20:15
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「何者か!」レップウは誰何する!周囲でドス・ダガーを構えるライダースーツヤクザたちに臆することなく!「どこの手のものか、貴様ら!」「…デッドフェニックス・クラン」後方から、その答えは返ってきた。レップウは振り向いた。40 #4215tk

2015-01-06 21:22:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

振り向いた先で、ヤクザ達が道を開けていた。ニンジャのために。禍々しいメンポ、長い前髪。ニンジャ鎖帷子の上に着流しという出で立ちのニンジャが、静かに歩み寄ってくる。「おっとり刀で駆けつけたか、アイアン・ハリネズミのヨージンボ」41 #4215tk

2015-01-06 21:24:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

知らずのうちにレップウは唾を飲んでいた。新手のニンジャから放たれるただならぬカラテ・アトモスフィアによるものだ!レップウはアイサツを繰り出す!「…ドーモ、はじめまして。レップウです」42 #4215tk

2015-01-06 21:26:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ドーモ、レップウ=サン」着流しニンジャもまた、アイサツを返す。不意に、レップウの目に相手ニンジャが帯に挿したカタナが目に入った。イキツモドリ。そのカタナの鞘に刻まれたカタカナが。「ジュクレンシャです」43 #4215tk

2015-01-06 21:29:01