「信号は赤になった」から始まる140字小説はどうですか？ #信号は赤になったで始まるSS

神谷 瑞希 @xxxx_blood

信号は赤になった、歩みをとめた君、夕陽が朱色に君を染め上げる、その横顔を脇目に見ながら信号が青に変わるのを待つ、冷たい風が吹き抜けた、寒さに首をすくめ、裸の指先を擦り会わせた君、僕が笑うとふて腐れた、ねえ、僕はその指先を暖めてあげることはできないけど、手袋を貸すことはできるんだよ

はねねこ @haku_neko

信号は赤になった。それに合わせて車内での振動は止まり、僅かに安堵する。このまま、ずっと止まっていてくれればいいのに。しかし無情にも信号は青に変わり、車は走り出した。ねえ。もし、此処に居るから来てって叫べたら、君は私を取り戻しに来てくれるのかな。 #信号は赤になったで始まるSS

神崎裕一 @kanzaki85

信号は赤になった。赤になったからと言って、世界が変わるわけでも、誰かが止まるわけでもない。銃の世界は止まらない。少年は夜空を見上げ、こう思った。「ねえ、赤信号で、人が止まれたら、面白そうじゃない？」少年の言葉の意味を理解する者はいない。ただ、答えはある。それは――

⛩白玉しろ子⛩ @yell_470609

信号は赤になった。一歩踏み出しかけていた足を引っこめる。鮮やかな警告の色が脳に達したのだった。これ以上進むことはできない。進んではいけない。そう心に決めた刹那、横断歩道の向こうに、アイツの姿を見たような気がした。 カミュ蘭前提の蘭→カミュ、かな...？

ミネルバの烏 @minerubascarecr

信号は赤になった。 歩行者は誰もが足を止め、生物のように人のカタマリが動きを止める。 鉄のカタマリが歩みを始め、新しい流れを作り始める。 俺はそんな当たり前の世界を、無機質に眺めていた。 トン、という音が横から聞こえた。 ナニカが流れていく。 モノトーンな世界は赤になった。

pumai @wolf_mgmg

信号は赤になった。お会計は1980円になった。金のなる木に金がなった。教会の鐘はなった。世界中の人びとの運命を何故か私がになった。地球を救うため唐突にこの選択肢から間違いを探すこととなった。観衆どもはがなった。私はもうわけがわからずうなった。 #信号は赤になったで始まるSS

93 @kusurisig

信号は赤になった。目の前を横切る人々。俺はぼんやりとそれを眺めた。誰も車が動き出すなんて思っていないんだろう。発進させたいと思う俺は変なのか。いや、誰しも禁止されていることをやりたくなることはあるはずだ。発進させてしまおうか、やめておこうか。

京🧠 @KyoKashiko

信号は赤になった。 しかし、そもそも文明水準の違う彼は、お構いなしにずんずんと足を進める。待って、とその手に飛び付いてようやく引き止めた。彼は心底不思議そうな顔で僕を見た。 「なぜ？」 「信号が赤の時は、進んじゃダメなの」 知らなかった、と呟く彼の横顔は、普段よりも幼く見えた。

雌豚 @kimopizza

信号は赤になった。必死で走ったのに。道路を隔てて、あいつらのプリーツスカートが揺れる。私は電車に間に合わない。そこそこの時間で次が来るが、その電車では乗換え駅で快速への連絡がうまくいかない。と、車の隙間を縫って他校の男子が走り抜けていった。まじかよ。隣では、汚いジジイも信号待ち。

もちつ゛き @mochiduki135

信号は赤になった。白い排気ガスを烟らせて、目の前を数多の車が一斉に行き交い始める。対岸を歩く彼女との距離はどんどん離れていく一方で、大きなコンテナを積んだトラックが僕の視界を遮った数秒後には、もうその背中は見えなくなってしまっていた。

れいん @lain_hobby

信号は赤になった。 信号なんて毎日ルーチンで赤になる時間は決まっていて、私はそこで引っかかっただけ。何も変わらない日常の一つ。 それだけのこと。 でも 信号は赤になった。 トラックが当たり前のスピードで、 フラフラと、 私のすぐそばをすり抜け、 すぐ後ろの歩道に吸い込まれた。

セカ @seka_wolf

信号は赤になった。言葉にならない違和感が降り積もって、もはや確信に近い。村が決め打ちかけているこの占いは真ではない――狩人日記を握りしめ、そう声を上げようとしたとき、しっかりと施錠したはずの玄関のドアノブが、音も立てずにくるりと回った。

六徳 @rittoku_kanna

信号は赤になった。反対側にいるあの人の背中が小さくなっていく。 「行かないで」と叫んでも、それは様々な音に掻き消され届かない。 空を仰ぎ慟哭する。私は此処に居ると。 何事かと振り向く人達も、一瞬の後、日常へと還っていくのだった。 顔を覆い、その場に崩れ落ちる。 信号は青になった。

アォーン………… @zunzuuunzun

信号は赤になった。下の口と上の口に大と火をねじ込んだ。それが赤の語源である。信号にも穴はあるんだよな…(ｺﾞｸﾘ

紅葉@ジェーン @krhpc

信号は赤になった。間に合わなかったかと溜息を吐きながらブレーキを踏む。横断歩道を渡る人々をぼんやり眺めながら隣で騒ぐ女の話を適当に聞き流した。なぜこの女を俺の車で送迎しなければならないのかと文句を垂れたのはほんの20分前だが、送り狼を期待されているのは分かる。実に、どうでもいい。

サカキ @sakaki819

信号は赤になった。「待て」行き交う車の隙間から君が叫ぶ。横断歩道の向こう側で僕を呼ぶ声が聞こえる。どんな顔をしているのだろう、振り返ることは出来なかった。悔しがっているだろうか、悲しんでくれているだろうか。もうこれ以上こちらへ来てはならない、僕はただ前だけを向いて、歩みを速めた。

熟れたうさりんご @cotyledoms

信号は赤になった。無情に交通量を増した道路の向こうで開店したデパートに流れ込んでいく人混みが見える。 「あーあ」 「福袋は買えないねぇ」 「じゃあどうする？」 「そうだなぁ」 繋いだ手の温かさ。寒さに負けない子供体温の持ち主はにっこりと笑った。 「こたつでゆっくりしよっか」

O @manamomo0908

信号は赤になった。私は信号待ちをする大勢の人の中に紛れ込んだ。すると後ろの方から 「くそ、あの小娘どこへいった!?」 等の大人数の大人たちの声が聞こえた。私はふふっ、と笑いながら信号が青になるのを待った。 「見つけた。」 そう聞こえて隣を見ると、金髪の少年が此方を見て微笑んでいた

たぬちき @mujinadanukiti

信号は赤になった。周りの人は赤信号など気にせずに道路を走り渡った。 赤信号は渡ってはいけないと親に言われなかったのか？と僕はその人たちを蔑んだ。車は普通に行き交いしているというのに。教養がない奴らなのだろうかと 憤慨していた。後ろからゾンビの群れがきていることに気づかないで

うらめも@1 @_asagiura

信号は赤になった。人々は車を恐れずに進む。か弱き人々は法律に守られて、良識を擲った。信号は赤になったのに。人々は、子どもたちの瞳に赤が写り込んだことに気づかない。擲った良識は、未来を知らぬ間に殺す。誰も悪くないと人々は言う。社会は子どもを殺す。社会は、子どもを殺すことを知らない。

碧 @ao_kk7

【国影】 信号は赤になった。向こうまで渡りきってしまったアイツが振り返ってにっこり笑う。その笑顔があまりにも綺麗で固まってしまった俺は、アイツが口パクで告げた一言に気付けないでいた。なあお前、今まで俺にそんな笑顔向けた事無かったよな。

うらめも@1 @_asagiura

信号は赤になった。でも私には関係がない。しょっぱい気持ちで溢れてるけど、涙が白線を濡らすことはない。代わりに白線を真っ赤に染めたことを思い出す。一本だけ赤い白線。「こら少年、じゃれていないでさっさと渡れ」と言いながら、どうせ聞こえないことにまたしょっぱくなる。私は青でも渡れない。

とけた畑 @vvvFieldvvv

信号は赤になった。坂道から勢いを付けて駆け下りていった、ダンボールを乗せた荷台が止まることはなかった。ダンボール一杯の蜜柑が無残に車に轢かれ、柑橘系特有の爽やかな匂いを撒き散らすことを阻止出来なかったのである。さよなら蜜柑、私は蜜柑にとんだ仕打ちを。#信号は赤になったで始まるSS

みゅーら @Gu_myula

信号は赤になった。それでも僕は前に進む。 「止まれ」というその合図は、命令は、警告は、慈悲は、それを必要とする人たちのもの。 ルールに守られた世界の中をいくら探しても、次第に色褪せて行く君には会えない。 モノクロの横断歩道に飛び込んで、向こう側へ。 #信号は赤になったで始まるSS

てっかん(さば)◉▼◉ @tekosen1988

信号は赤になった。だが悪いな私はその信号を渡る予定はないんだ。#信号は赤になったで始まるSS