松井和翠(@WasuiMatui2014)氏による【私的ミステリ短編オールタイム・ベスト200】(第二夜)
13位 「デッドロック」エドマンド・クリスピン 『列車にご用心』所収 ・上記のラストを飾るノンシリーズ短編。優れたフーダニットであり、優れた青春小説でもある。ラストのそっけない数行が、苦い。
2015-01-13 00:01:1212位 「おたね」仁木悦子 『夢魔の爪』所収 ・洗練度という意味では古今東西でも最高。回想を巧みに使いながら、背中に寒気が走る結末へ持っていく手際。ラストのセリフの怖さといったら…。
2015-01-13 00:03:4611位 「横しぐれ」丸谷才一 『横しぐれ』所収 ・“亡き父が旅先で出会ったのは種田山頭火ではないか”。その謎が次第に自らに派生していく。如何様にも“読み”を引き出させる柔軟な強靭さを持っている。
2015-01-13 00:05:56いよいよベスト10
10位~4位
10位 「八岐の園」ホルヘ・ルイへ・ボルヘス 『伝奇集』所収 ・ATB短編では1票も入らなかったが、ボルヘス短編といえばこれ、というぐらいの傑作。是非、読むべし。
2015-01-13 00:10:249位 「死ね、名演奏家、死ね/マエストロを殺せ」シオドア・スタージョン 『一角獣・多角獣』所収 ・ジャズ・ミステリの傑作にして、報われない男の愛の物語でもある。ラスト1センテンスが哀しい。
2015-01-13 00:11:477位 「判事と死刑執行人」フレードリヒ・デュレンマット 『判事と死刑執行人』所収 ・スイス・ミステリ、最強の隠し玉。クイーンも真っ青の悪魔的着想の中編本格推理小説。ただ、同学社版の翻訳がやや古い。
2015-01-13 00:15:156位 「折れた剣」G・K・チェスタトン 『ブラウン神父の童心』所収 ・定番中の定番。「木は森の中に…」という着想だけに終わらない、奥行きの深さをぜひ見てほしい。
2015-01-13 00:16:535位 「帰去来殺人事件」山田風太郎 『十三角関係』所収 ・山風作品の中でも最高度のアイディア含有量を誇る“茨木歓喜、最後の事件”。出来れば『十三角関係』より後に読んでほしいくらい。
2015-01-13 00:18:234位 「死刑囚パズル」法月綸太郎 『法月綸太郎の冒険』所収 ・欠点もあるけれど、やはりこの迫力は捨てがたい。『Y』や『獄門島』に匹敵する悲劇性を持った現代の古典。
2015-01-13 00:19:54そしてベスト3へ
3位~1位
3位 「ジェミニ―・クリケット事件」クリスチアナ・ブランド 『招かれざる客たちのビュッフェ』所収 ・アメリカ版とイギリス版、2度読んで2度おいしい悪魔の書。
2015-01-13 00:21:572位 「アベリーノ・アレドンド」ホルヘ・ルイへ・ボルヘス 『砂の本』所収 ・神業のような切れ味を持つボルヘス・ミステリのベスト・ワーク。好きだ。
2015-01-13 00:23:181位 「アンゴウ」坂口安吾 『日本探偵小説全集〈10〉坂口安吾集』所収 ・やっぱり、これしかないでしょう。1枚の暗号文の解読が、落涙の結末を迎える名品。大好きだ。
2015-01-13 00:25:32