廃棄物日誌 まとめその3

廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

「いずれ分かりますよ」立ち去っていくスタッフ。…あんな奴居たっけ？白衣を着たスタッフなんて…また幻覚でも見てるかもしれない。今日は色々と大変だったからな。その疲れが産み出した幻影なんだろう #廃棄物日誌

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「アレがナガト・ワンダーか？でかすぎるだろ…」「全長150m以上の巨大合体戦艦です。46,50cm三連装砲を搭載し、その火力は絶大ですね」VOBでナガト・ワンダーへと向かう天龍と大鳳。目的は先日の仕返し。とはいえ彼にとっては単なるイタズラなのだ。 #廃棄物日誌

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大鳳は続ける。「型番はYZ-NW3-1264X。竣工日、進水日共に不明。正確な防御力は不明ですが、一説にはヒュージミサイルの直撃にも耐えるそうです」「ヒュージミサイルの直撃にも耐えるのかよ、閃光弾程度でどうにかなんのか？」 #廃棄物日誌

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「私達の、提督の目的はあくまでナガト・ワンダー艦長の[風の轟音]志津江です。ナガト・ワンダーそのものには用はありませんが」「ないけど？」すると大鳳はにこりと笑って言った。天龍にはその前から彼女が何を言うか分かっていた。 #廃棄物日誌

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「ナガト・ワンダーが、処理場の艦娘がどれほどのものか確かめてみたい」「そういうと思ったよ。俺も、あそこの俺や艦娘と戦ってみたいしな」夕日を背に航行するナガト・ワンダーが見える。赤錆色をしたオリジナルと違い、藍色をしている。 #廃棄物日誌

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「こうして見るとマジででかいよな、大和よりでかいんじゃねぇか？」「それだけ隙は…！？」大鳳が言葉を切る。無数の砲台の一つが、こちらを向いた。「回避！」叫ぶと同時に、連装速射砲が火を噴いた。寸での所で回避する二人。「畜生ぶっ放してきやがったぞ！殺る気満々かよ！」 #廃棄物日誌

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それを皮切りにあらゆる砲台が火を噴き、弾幕を展開する。しかし目標が小さく近いからか46,50cm三連装砲は動かない。「VOB使用限界！」「天龍様のお通りだ！かかってきやがれ！」VOBが分解し、二人はナガト・ワンダーに突っ込んでいく。 #廃棄物日誌

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突如鳴り響く警報。「何の騒ぎじゃ！？」「所属不明艦娘二隻が大型ブースターでダイナミックエントリーしました！利根さん、初春ちゃん、愛宕さん、睦奥さん、加賀さん、赤城は出撃してください！」「何じゃそれ！？」「提督はどうしたんじゃ！？」「爆睡中です！」 #廃棄物日誌

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甲板に降りた二人を待っていたのは愛宕と加賀、そして赤城。レベルは自分より低いが、天龍には分かる。“こいつはヤバい”。全細胞がそう告げるのを感じた。 #廃棄物日誌

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「ぐるるる…ぐ、ぎゃああああっ！！」最初に動いたのは赤城だ。半ば悲鳴に近い雄叫びをあげて46cm砲から飛び降りる。その両腕には黒く塗られた飛行甲板。目元には赤い誘導灯が怪しく輝く。甲板に着地。その口からは涎が垂れる。夕飯を邪魔された為その苛立ちは頂点に達している。 #廃棄物日誌

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着地から0.5秒、赤城は再び跳躍し両腕の飛行甲板から彗星を放つ。大鳳はボウガンに艦戦マガジンを装填。引き金を引き烈風を放つ。それで簡単に迎撃できる筈だった。 赤城本人がそのまま突進して来なければ。 #廃棄物日誌

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赤城は吼えながら突進。肩と腰に着けた三連装機銃が火を噴く。思わず烈風のパイロットも判断力を失い25mm弾に貫かれ墜ちる。更に大鳳も赤城に飛びかかられ、押し倒されてしまう。「大鳳！」天龍が大鳳の方を見る。その時、愛宕が微笑む。 #廃棄物日誌

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「貴方はだぁれ？」「っ！？」50cm砲から降りた愛宕は即座に天龍の傍に近づき、髪の匂いを嗅いだ。「ACに乗った後の提督と同じ匂いがするわ。血と、硝煙の香り…」「お、俺は天龍。ギガベースからきｰｰｰ」 #廃棄物日誌

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「えい♪」手にした巨大な、肉切り包丁を天龍の胸の谷間に押し付けた。「ひぃっ！？」悲鳴をあげる天龍。「うふふ、ドキドキが伝わってくるわ～あの人のお友達のおつかい？」「そ、そうだよ、提督からアンタの所の提督に菓子折り渡してこいって…」包丁が離れる。 #廃棄物日誌

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「へぇ～お菓子持ってきたのね～赤城さん、その子から離れてあげて」愛宕が言うと、今まさに彼女の衣服装甲と臓物を食いちぎろうと口を開ける赤城の動きが止まった。 #廃棄物日誌

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「この匂いは…大福ですね」一航戦の誇りを取り戻した赤城が言った。「提督のお部屋まで案内してあげるわ♪」愛宕が天龍の手を引き、艦内へと連れていった。 #廃棄物日誌

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その後は特に問題はなく、二人は提督の執務室に案内された。 二人の前には、目元がよく見えない情報通り黒いドレスを着た女性が座っている。「彼が、お菓子をくれるって？ありがとうと伝えておいて。…コジマまんじゅうかな？くすくす…」口元に手をおき笑う提督。 #廃棄物日誌

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二人は早々に逃げ出した。VOBを点火し、超加速。普通に渡り合えば負ける相手ではない。しかし、何かが恐ろしい。自分達にはない、何かがあの愛宕にはあった。それは例えるなら、狂気。いやそんな言葉では説明できない、何かがあった。 #廃棄物日誌

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「提督、大福ですよ」愛宕がギガベースから贈られた大福を持ってくる。それを一口。甘い。入っていた箱を見ると、他にもいくつか箱が入っている。説明書には「1番から順番に押してね」と書いてあるので押してみる。四個目で、突如閃光が私を襲った。 #廃棄物日誌

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「！？！？！？！！！！？？！？？！？？！？？！」言葉にならない悲鳴をあげ、顔を押さえて転がる提督。直後、強烈な熱と爆風、衝撃が隣の愛宕を襲った。 対艦ミサイルの直撃にも耐えるナガト・ワンダーの船体が震えた。 #廃棄物日誌

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「熱核ナパームとはまた強烈なお菓子っすね。お頭と愛宕さん黒焦げになってるし」入渠ドックに突っ込まれた二人にスタッフが言う。「お互い懲りたでしょうから、もうやり返すのはダメですよ。人類存亡の危機の真っ只中人間同士で争うとか何考えてるんですか」霧島も言った。 #廃棄物日誌

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艦娘は見ての通りメスだけど、その中に「雄型」「雌型」というものがある。いわゆる攻めか受けかの違いなんだけど、艦娘のこれは少し変わったものがある。改造を受けた艦娘、姉妹艦がいる艦娘は本人の意思とは関係無く雄気質か雌気質になる。 #廃棄物日誌

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基本男っぽい性格、姉の艦娘が雄型になると言うけど、大井はほぼ確実に雌型になるし、天龍でも雌型がいると言われている。なので雄型になるか雌型になるかはランダム。それに雄型だからって強いわけではないそうだ。 #廃棄物日誌

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雄型と雌型は性別上はどっちもメスだけど雌型は艦娘同士で子供を作る事ができる。この事実を知ってる艦娘は意外と少ない。 普通の男性とのおセックスでも孕むけど、産まれるのは艦娘と人間のハーフであり艦娘にはなれない。 #廃棄物日誌

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何も子供ばかりが産まれてくるわけでもなく、肉塊が出てきて洗ってみたら九一式徹甲弾だったという話もあるのだけど、艦娘同士の場合、確実に艦娘を孕むそうだ。 #廃棄物日誌