隆平　長編

クラゲ @04kurage

#101-5 ① 俺を見た途端走って逃げる彼女 「何で逃げんねん」 『あんたが追いかけてくるからでしょ！』 「待ってって！」 『ヤダ！』 彼女を捕まえて思わず抱きしめる 『離せ』 「嫌や」 更に力を込める 『離せ！』 って暴れる彼女を封じ込める 「好きやねん！」

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#101-5 ② 道の真ん中で思いっきり叫ぶ 『信じらんない！恥ずかしくて顔上げられないじゃん』 「じゃぁずっとこうしてたらええやん」 『丸山のバカ…』 大人しくなった彼女を引き離す 「ふっ…顔真っ赤やん！」 『うるさい丸山！もう知らない！』 「おっと」

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#101-5 ③ 俺を押した彼女を捕まえる 「まだ返事聞いてへん」 『うるさい！丸山なんて…』 「俺なんて？」 聞こえるか聞こえないかな微かな声で 『…好きだよ…バカ…』 って言った彼女 『うわぁ！ちょっ…ちょっと！』 彼女抱きしめたまま左右に揺らす 「ふふふー」

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『キモい！ってか離せ！ウザい！』 「でも好きなんやろ？」 『……』 バッて彼女を見たらめっちゃ顔赤いし 下向く彼女の頬持って見つめる ゆっくり顔近づけると目を閉じた彼女 もうちょっと… 「おい」 声がして驚いて見ると渋谷さんと葛西さん 「渋谷さん…」

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#101-5 ⑤ 「邪魔して悪いけど、ディナーブュッフェは俺ら行ってくるし。あ、一応ここ道の真ん中って事忘れんなよー」 シテやったりの顔で去っていく渋谷さん 葛西さんが思いっきり謝ってたけど 「って、ちょっと！」 その反対側に向かってく彼女 『帰る！』

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#101-5 ⑥ 「もう！今日何回逃げるん」 『知らない！』 やっとの思いで捕まえる 「今日は帰さへんよ」 そう言って連れて行く俺 もちろん連れて来たのは俺ん家で 「ここならええよな」 玄関入るなり逃げられん様に壁に押し付けてキスする 『丸山…』

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#101-5 ⑦ 「何？」 『恥ずかしい…』 寝室に手を引いて向かう この前見たいに勢いはなくて ゆっくりと進める じっくり彼女を味わいたくて 「なぁ、いつから？」 『え？』 「好きって」 『教えない…んっ…』 「教えて？じゃないとこのままやで？」 『はぁ…んっ…』

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#101-5 ⑧ 核心から少しズラして動かす指 『丸山のくせにっ…』 「ええの？」 『んっ…後でちゃんと言うからっ…』 「卑怯やわー…」 そんなうるうるの瞳向けられたらあかんって 「絶対やでな」 優しく 何度も何度も求めあうけど足りひんくて 『もう無理…』

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#101-5 ⑨ 彼女がぐったりしたから 頬や肩や鎖骨にキスして紛らわす 「教えて？」 『えっ…』 「約束やろ？」 『んー…』 「言わんのなら…」 布団を剥いだ俺に 『言うから！』 って慌てた彼女 『あの日…最初にここに来た時…』 「え？」

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#101-5 ①⓪ 朝起きたらここに居て リビングに来たら俺が寝てて 面白半分で部屋を見渡したら飾られてた写真 同期のみんなで撮ったその写真見てて 色々思い出して 『本当は入社試験の日にちょっと惚れたけど…入社して丸山上の先輩達に可愛がられてニヤニヤしてて…』

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#101-5 ①① 『私何て見なくもなったから…その内色々な人と付き合ったりしたけど上手くいかないし…焦ったら自分わかんなくなって…でも写真を見て懐かしくて…それで丸山の寝顔見てたら…』 もう耐えられんしめっちゃキツく抱きしめた 『丸山苦しい…』 「いつまで丸山？」

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#101-5 ①② 『ちょ、調子に乗るな！』 「痛いってー」 耳を思いっきり引っ張られる 「今日は帰らんといてや？」 『わっ、わかった…』 「それとも寝んとく？」 『隆平の変態！』 「あ！名前！」 結局朝までやったかは… 「秘密です！」 「教えろ丸山！誰のお陰や！」

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#101-5 ①③ いくら渋谷さんでもそれは言えません 「あ、カスミちゃん！」 『声デカイって…』 「今日終わったら迎えに行くなー」 『仕事しろ！』 「丸山って…」 「ええんちゃいます？ようやくきた春なんで」 「せやな」