「コンスピーラシィ・アポン・ザ・ブロークン・ブレイド」 #2
「イヤーッ!」襲撃者の鋭い突きを、フートンの上のダークニンジャは素早く寝返りを打ってかわした。彼の身体中に固定されていたチューブ類が寝返りの際にブチブチと外れた。襲撃ニンジャの右手の突きはフートンを貫通し、おそらく床をうがったであろう。
2010-11-17 22:51:50「イヤーッ!」ダークニンジャは両脚を振り回し、襲撃ニンジャの脚を払う!朱色の装束を着た襲撃ニンジャは不意をつかれ転倒しかかる。ダークニンジャはスプリングキックでその胴体を蹴り飛ばした。
2010-11-17 22:54:43「グワーッ!」吹き飛びながら朱色のニンジャはバク転を三連続で決め、ジュー・ジツの構えで着地した。「イヤーッ!」フートンから斜めに飛び出しながら、冷静なダークニンジャは覚醒したばかりの自分が置かれた状況把握につとめていた。
2010-11-17 23:01:34目の前のニンジャはオブリヴィオン=サンだ。彼の武器はディスインテグレイト・ツカミ。つかんだ生体を振動で分解するジツだ。ここは?四角いサップーケイな部屋だ。部屋の中央のフートンにダークニンジャは寝かされ、なんらかの治療を受けていたようである。
2010-11-17 23:07:52オブリヴィオン=サンの背後のカーボンナノチューブ・フスマは半開きになっている。その近くにもう一人ニンジャの生体反応。ツーマンセルで現れたか。この部屋はおそらく己のために用意された治療施設……
2010-11-17 23:16:24「イヤーッ!」オブリヴィオンが右腕を振り上げ、再び襲いかかる。「イヤーッ!」ダークニンジャは懐へ潜り込むと、左手の甲でオブリヴィオンの上腕部を打ち、反らした。オブリヴィオンのディスインテグレイト・ツカミの手を直接に止めてはいけない。つかまれればすなわち、死だ。
2010-11-17 23:36:59「イヤーッ!」ダークニンジャは両手の平をオブリヴィオンの胸に当て、力強く踏み込んだ。「グワーッ!」衝撃を叩き込まれたオブリヴィオンがよろめく。本来であればここでさらに一撃加えてトドメを刺すところだが、ダークニンジャはそれを見送った。スタスタと大きく二歩後退する。
2010-11-17 23:40:17覚醒したばかりのダークニンジャは用心深い防御姿勢を取り、己の現在の負傷状況を読み取ろうとした。首筋に蓄積したダメージが最も大きい。首を骨折した可能性がある。ニンジャスレイヤーのあの恐るべきカラテの衝撃がフラッシュバックし、ダークニンジャは思わずうめいた。
2010-11-17 23:45:09敵は一人ではない。戸口にもう一人潜んでいる。トドメを焦れば横からアンブッシュされる可能性もあるのだ。「ドーモ、ダークニンジャ=サン。オブリヴィオンです」「ドーモ。オブリヴィオン=サン。ダークニンジャです」ダークニンジャは防御姿勢を崩す事を嫌い、イナズマのように素早くオジギした。
2010-11-17 23:51:18「後で尋問する」ダークニンジャは無感情に告げた。「誰の差し金かを話してもらおう」オブリヴィオンが一笑に伏した。「果たして今のお前にそれができるか、ダークニンジャ=サン。フートンの中でプロジェクト住まいのネタキリ老人のように無力で無防備だったお前に。悪運は二度無いと知れ」
2010-11-18 00:05:37ダークニンジャはオブリヴィオンの挑発に乗らず、思考を続ける。この部屋に「ベッピン」は無い。ソウカイ・シンジケートはベッピンを回収しただろうか。ではラオモト=サンのもとに?あるいは、鎮守の森に放置された可能性もある。あるいはニンジャスレイヤーの手に渡ったか?
2010-11-18 00:17:43ダークニンジャはオブリヴィオンの挑発に乗らず、思考を続ける。この部屋に「ベッピン」は無い。ソウカイ・シンジケートはベッピンを回収しただろうか。ではラオモト=サンのもとに?あるいは、鎮守の森に放置された可能性もある。あるいはニンジャスレイヤーの手に渡ったか?
2010-11-18 22:55:31……いや。ただ粛々と回収するのみ。折れたるベッピンを手にしたのが協力者であろうと、敵対者であろうと。ヌンジャを知る者はこの世に数えるほどしかいないのだから。むしろ厄介なのはドリームランド埋立予定地に廃棄されてしまう事だが……ダークニンジャはそれ以上の思考は不要と判断した。
2010-11-18 23:15:21「ゆくぞ」ダークニンジャは防御姿勢を解除し、小刻みなステップでオブリヴィオンへ接近を開始する。ジュー・ジツの高等技術、コバシリだ。ダークニンジャの防御をいかに崩すかをシミュレートしていたオブリヴィオンが判断を切り替えた時には、既に彼はオブリヴィオンの懐であった。
2010-11-18 23:20:04「イヤーッ!」「イヤーッ!」オブリヴィオンが振り上げた右手を振り下ろし、ダークニンジャをつかもうとする。だが遅い!懐から繰り出されたダークニンジャのワン・インチ・パンチがオブリヴィオンの脇腹を捉えた!
2010-11-18 23:32:48「グワーッ!」オブリヴィオンは背後の壁まで吹っ飛んだ。浅い。さきのニンジャスレイヤー戦での負傷のせいだ。まともに受ければ口から内臓が飛び出すほどの打撃力をもつダークニンジャのワン・インチ・パンチであるが、あれではダメージが外に逃げる。しかしダークニンジャが向き直るのは戸口。
2010-11-18 23:37:24体を九の字に折って苦しむオブリヴィオンを一瞥し、ダークニンジャはカーボン・ナノチューブ・ショウジ戸へコバシリする。そこから室内へ突入・アンブッシュしようとしていた第二の敵対者の懐へ、一呼吸で到達していた。「な!?ハヤイ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」
2010-11-18 23:42:54ジゴクめいたワン・インチ・パンチが突入ニンジャの腹部に命中!藍色の突入ニンジャは回転しながらオブリヴィオンの反対の壁に激突する。やはり浅い。致命傷にならず!
2010-11-19 00:25:47「そのニンジャ装束。ナインフィンガー=サンか。なるほど」ダークニンジャは突き進んだ。「貴様がロックを解除しつつ、直接の白兵戦はオブリヴィオン=サンというわけだな」ナインフィンガーは震えながら血を吐いた。「……ソウカイヤを私するヨタモノめ……」
2010-11-19 00:32:40「私怨が動機なのか?」ダークニンジャはナインフィンガーの首をつかんだ。「だが、お前達二人でイチから計画を立てたという事もあるまい。指示を出したのは誰だ?」「……」「……ボスか?」「知らぬ……」「イヤーッ!」
2010-11-19 00:41:37背後!予想外に早く回復したオブリヴィオンがつかみかかってきた。「イヤーッ!」ダークニンジャは右手の握力でナインフィンガーの首をへし折ると同時に、真後ろに鋭い蹴りを繰り出した。「イヤーッ!」「グワーッ!」オブリヴィオンはまともに蹴りを受けるが、その攻撃は止まらない!
2010-11-19 01:13:20「グワーッ! ソウカイ・シンジケート、バンザイ!」肋骨をネコソギ砕かれながら、オブリヴィオンはダークニンジャの肩を掴んだ。「もとより命など惜しくない! このまま貴様をディスインテグレイトするのみだ!」「イヤーッ!」ダークニンジャの突きが心臓を貫通した!
2010-11-19 01:20:23