掌編『節分の日に家を追い出された鬼』

節分をテーマにした創作
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楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 家を追い出された鬼が町をさまよう。「寒いよう、ひもじいよう」家の広さしか世界を知らない家鬼にとって外の世界はあまりに広く厳しかった。「お前、見ない顔だな?どうした?野良になっちまったのか?」近所のボス鬼だ。「付いてこい。いい餌場を教えてやる」渡る世間に鬼はなし。

2014-02-04 22:52:37
楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 節分の日に家を追い出された鬼の僕。昔住んでいた家に足が向く。家の人達はもう僕のことを忘れたのか新しく福の神が居座ってる。福の神が威嚇してくる。ハハッ馬鹿だな。こっちに来ることなんて出来ないのに。君は自由を無くしたんだ。僕は自由だ。でも涙が出てくるのはなぜだろう。

2014-02-05 23:36:36
楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 節分の日に家を追い出された鬼の僕。けほけほ、咳が出るし熱っぽい。この寒さだ、かなりヤバいかも。「ねぇ、アンタ死ぬの?」メス鬼が近づいてきた。「死んだらアンタの肝、食べていい?」こんな僕でも誰かの役に立てるのかな?その晩、僕らは体を寄せ合わせ二匹丸くなって眠った。

2014-02-06 22:38:06
楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 節分の日に家を追い出された鬼の僕。行くあてもなく町をさ迷っていたらこの辺りを取り仕切るボス鬼が現れた。「おめぇが最近入ってきた新入りか。良かったな追い出されて。あのままいたら去勢されるとこだったぜ」それでも構わなかったんだ。あの子とずっと一緒に居られるなら僕は。

2015-02-04 23:09:50

おまけ

楠樹 暖 @kusunokidan

メロディアスライブラリーで聞いた話、「泣いた赤おに」の作者は節分の時に「鬼は外」とは言わなかったらしいです。

2011-02-03 22:13:27