金銭的市場経済と贈与ネットワーク

全てを金銭でしかカウントできない市場経済では、いざというときの危機に保障がない。贈与ネットワークを強化し、「真の富」が交換されるしなやかで強い経済を目指すべき。
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shinshinohara @ShinShinohara

人間にとって最大の喜びとはなんであろう?「あなたはかけがえのない存在」だと言ってもらうこと、そう確信させてもらえることではないだろうか。つらいこと、苦しいことがあると自分は生きている価値がない、そう悲観してしまうことがある。かけがえがない、そう言ってもらうことで心は救われる。

2015-02-05 16:29:00
shinshinohara @ShinShinohara

贈与ネットワークは、「相手がしてくれたものよりもっと大きな贈り物をしたい」と思わせることがある。それは「ありがとう」という心がこめられたメッセージを受け取ったとき。喜んでくれた、嬉しいな、という「張り合い」が、自分の心を勇気づけてくれる。

2015-02-05 16:31:02
shinshinohara @ShinShinohara

金銭で何でも買えるという便利さはありがたい。しかし金銭的市場経済には、どうにも食糧が買えなくなるという事態が発生する危険性を常にはらんでいる。贈与ネットワークはそんなときに威力を発揮する。「あいつが困っている。なんとか助けてやらにゃ。」対価を求めない強みがある。

2015-02-05 16:33:53
shinshinohara @ShinShinohara

「いざというときどうしよう」と悩んでいる方は贈与ネットワークの形成を今から始めて頂きたい。農村でのイベントに顔を出したり、何かのきっかけがあるときに仲良くなれそうな農家を探そう。そういう方からコメを買おう。最初は他人だが、「おいしいお米をありがとう」の便りを送るようにしよう。

2015-02-05 16:39:48
shinshinohara @ShinShinohara

いつも心のこもった手紙が送られ、ちょっとした心配りがあれば、農家も嬉しくなる。「あの人には何があってもコメを送ろう」 金銭的市場経済だけの繋がりではない「贈与ネットワーク」の中に組み入れられるようになる。

2015-02-05 16:40:58
shinshinohara @ShinShinohara

現代の経済では考えられないことだが、資本主義経済における「富」は本来、お金を意味しない。商品や労働が富であり、お金はその交換の仲立ちをする道具でしかなかった。あまりに金銭的市場経済が大きくなりすぎて、お金こそが富であると勘違いしてしまうようになっただけだ。

2015-02-05 16:46:19
shinshinohara @ShinShinohara

ミダス王のエピソードは象徴的だ。触るもの全てを黄金に変えてほしいと願ったミダス王は、手に取るパンや飲み物まで黄金に変わってしまい、死にそうになる。 お金や黄金は食糧や様々な商品、サービスなどの「真の富」と交換できる間は価値があるが、お金自体には本来、何の価値もないのだ。

2015-02-05 16:51:01
shinshinohara @ShinShinohara

いくらお金を持っていても本源的な不安が払拭できないのはこのためだ。お金は所詮「擬似的富」でしかなく、真の富ではない。もし食糧が高騰したりしたらお金は価値を大幅に減らし、食糧を買えなくなる。その本源的な不安が私たちの心にあるのだ。

2015-02-05 17:00:15
shinshinohara @ShinShinohara

私自身、ご近所の農家の方から野菜や漬け物、果物をたくさん頂く。出張先で土産をたまに買って持っていくが、その何倍以上ももらってしまう。 「こないだ頂いた漬け物、おいしかったです!」素直にそう言うだけでまたなくなった頃に持ってきてくれる。贈与ネットワークは対価が釣り合わない。

2015-02-05 17:06:36
shinshinohara @ShinShinohara

金銭的市場経済は、金銭でやりとりされた商品ないしサービスしかカウントできない。農家の親戚から送ってもらったコメのような贈与ネットワークの流通はカウントできない。しかし贈与ネットワークでやりとりされるのも「富」だ。富が動く以上、実はこれも「経済」なのだ。無視されてきただけだ。

2015-02-05 17:13:03
shinshinohara @ShinShinohara

現代で主流の金銭的市場経済が無視しているからと言って、贈与ネットワークが動かす「経済」が存在しないわけではない。実際に農家の親戚がいる人はタダでコメを送ってもらったりして、それが家計の助けにもなってきた。贈与ネットワークは目に見えない形で経済的存在感があったのだ。

2015-02-05 17:22:22
shinshinohara @ShinShinohara

しかし日本は今や、贈与ネットワークがズタズタに切れようとしている。金銭的市場経済だけが私たちの社会を支配しようとしている。そんな時代に圧倒的に強いのは、大量のお金を牛耳るお金持ち。資金を大量に引き上げたり投入したりで庶民の生活を支配できるようになってしまう。

2015-02-05 17:24:58
shinshinohara @ShinShinohara

贈与ネットワークが一定規模で健全だと、お金持ちの専横にある程度対抗できる。金銭のやりとりがないから支配しようがない。最低限の安全安心を庶民でも確保できる。

2015-02-05 17:26:15
shinshinohara @ShinShinohara

贈与ネットワークは仮に日本国債が暴落し日本経済が大混乱に陥ったとしても、安定感を見せるだろう。金銭に左右されないから影響を最小限に食い止めれる。各人が贈与ネットワークの網目のどこかに位置している限り、難局をしのぐことができる。

2015-02-05 17:28:20
shinshinohara @ShinShinohara

藻谷氏の提唱する「里山資本主義」は、私の言うところの贈与ネットワークのことを意味すると見て差し支えなかろう。金銭的市場経済とは異なる原理の贈与ネットワークを再形成することで、日本をしなやかで強くする。その歩みを進めていこう。

2015-02-05 17:32:26
shinshinohara @ShinShinohara

金銭的市場経済は商品やサービスを「交換」するだけだ。贈与ネットワークは「あなたは私のかけがえのない存在だ」というメッセージを発する「交歓」でもある。心の経済だからこそ、高い満足感と安心感がある。そのことをもう一度思いだそう。

2015-02-05 17:40:36
shinshinohara @ShinShinohara

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