第61回獣医師国家試験直前講座「SARS編」

Stray @K9FCR

重症急性呼吸器症候群【SARS１】2003年２月ころ、2002年11月ころより中国の広東省で奇妙な肺炎が流行しているとの情報が流れた。広東省からの１人の感染者が2003年２月21日香港のホテルに宿泊し、そこで約10人に感染した。 #vetkokushi

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【SARS2】この人たちが移動後、世界各地で発症した。入院した患者が中心となって病院の中で感染が拡大した。この疾患は「重症急性呼吸器症候群；Severe Acute Respiratory Syndrome」と命名された。 #vetkokushi

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【SARS3】その後、原因は新型コロナウイルスであることが判明し、SARS-CoVという名称が提唱された。直径約100nmのエンベロープを有する１本鎖RNAウイルス。自然宿主として当初ハクビシンの可能性も挙げられたがキクガシラコウモリが保有することが判明。 #vetkokushi

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【SARS4】SARS-CoVは室温で少なくとも１〜２日間は安定である。下痢便中では数日間感染性が保持される。通常の消毒薬（エタノールなど）や80℃、10分間の熱水によって速やかに消失する。感染経路は飛沫感染や濃厚な接触感染が主とされている。 #vetkokushi

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【SARS5】潜伏期間は最短１日、最長14日、平均約４〜６日とされる。この期間中は他への感染力はない。病初期にはウイルスが排出され感染性がある。発病後10日目ころにピークに達し、この前後が最も感染力が強い。３〜４週間目に抗体が陽性、体内からウイルス消失。 #vetkokushi

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【SARS6】初発症状として38℃以上の発熱がほぼ全例に出現し、悪寒や頭痛、筋肉痛を伴う。咽頭痛や鼻症状は20％程度。３〜７日目に乾性咳嗽、息切れ、下痢がみられその後80％は改善傾向となる。残り20％は呼吸不全が増悪し、その半数以上が人工呼吸管理を要する。 #vetkokushi

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【SARS7】呼吸不全が増悪した症例の４分の１が死亡。死亡率は8096人中774人、9.6％との報告。増悪の危険因子は高齢（年齢別死亡率は65歳以上では50％以上、45〜64歳では15％、25〜44歳で6％）、基礎疾患（糖尿病、B型肝炎）の有無。 #vetkokushi

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【SARS8】幸いなことに、2003年以降、SARSの流行は再燃していない。しかし治療法やワクチン開発はまだで今後の課題である。 #vetkokushi