茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1424回【ものの起こりというものは、そういうもの】連続ツイート

2015.2/9 茂木健一郎氏 【ものの起こりというものは、そういうもの】連続ツイート …ルールや用具が整備された、近代的なスポーツにももちろん危険は伴うが、起源においては、もっとゴツゴツした、荒々しい、向こう見ずな命のやりとりがある。ものの起こりというものは、そういうものなのだろう。新宮の御燈祭は、その起源がそのまま保存されている点において、現代の「奇跡」である…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1424回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝ふと思ったこと。

2015-02-09 08:08:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

先日、白洲信哉さん @ssbasara に誘われて行った和歌山県新宮市の「御燈祭」(当日の日記はkenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2015/02…  facebook.com/kenichiromogiq… )の衝撃がおさまらない。毎年2月6日に行われる、凄まじくも素晴らしい祭りである。

2015-02-09 08:10:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

松明をもった男たちが、一斉に駆け下りる、ということは理解していたのだけれども、その駆け下りる坂道は、急だろうけど、普通の階段だと思っていた。ところが、実際に行ってみると、ごつごつとした岩のかたまりで、形や傾きもさまざまで、一つひとつ目で確認しながら歩いても、落ちそうになる。

2015-02-09 08:11:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

下りは、さらに危険であろう。私は、大勢のかたと、「わっしょいわっしょい」と言いながら、ゆっくり下りたが、門が開いて一斉に駆け下りてくる男たちは、あの岩の斜面を、暗い中、一気だと思うと、あり得ないという気がする。地元の消防団や、高校生たちが、ふだんから練習して鍛えているのだそうだ。

2015-02-09 08:13:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

おそらく、足下の傾きや足場の広さに関係なく、一気にかけて下りる、という世界があるのだろうが、頭の中でしばらくシミュレーションしても、できそうにもない。地元出身の写真家、鈴木理策さんは、若いときに一度駆け下りるのをやって、あとから振り返ってこわくなって、それからはゆっくりだそうだ。

2015-02-09 08:14:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

メディアで伝わる情報では、なかなか本質が見えない。御燈祭の、松明を持って駆け下りる映像のイメージはあるだろうが、その駆け下りが、まさかあんな岩ゴツゴツの急坂とは思わなかった。やっぱり、白洲信哉 @ssbasara に誘われて、実際に行ってみてよかった。信哉、ありがとう。

2015-02-09 08:16:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

ところで、昔の人は(というよりも人間は常に)危険なことをやることで、活動の可能性を広げてきたのだろう。しばらく前にハワイに仕事で行ったとき、サーフィンの起こりは、王族たちの勇気比べだったと知った。板に乗り、岩だらけの海岸に向かっての波に押され、ぎりぎりで飛び降りたのだそうだ。

2015-02-09 08:18:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

板で波乗りして、岩にぶつかるまえに飛び降りる。板は岩にぶつかって粉々にくだけたのかもしれないが、とにかくぎりぎりまでいることで、勇気を示す。そんな「遊び」が、サーフィンの起源だと知って、へえと思った。そして、そこに本当のことがあるのだなと感じた。

2015-02-09 08:19:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

ルールや用具が整備された、近代的なスポーツにももちろん危険は伴うが、起源においては、もっとゴツゴツした、荒々しい、向こう見ずな命のやりとりがある。ものの起こりというものは、そういうものなのだろう。新宮の御燈祭は、その起源がそのまま保存されている点において、現代の「奇跡」である。

2015-02-09 08:20:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1424回「ものの起こりというものは、そういうもの」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

2015-02-09 08:21:32