ユキカゼさんの語るロシア大使館の北方領土問題ツイートの3つのポイント
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発端はロシア大使館の以下のツイート
ユキカゼさんの解説
ポイントは三つ ・日ソ中立条約有効期間に於けるソ連の対日宣戦布告 ・8月9日をもって行われた対日攻勢作戦について ・8月15日以後の戦闘行動の是非
2015-02-10 19:13:46日ソ中立条約について
ソ連は日本に対し1945年4月5日に日ソ中立条約破棄を通告しましたが、同条約三条の規定により、日ソの不可侵は翌1946年4月5日まで有効でした。また条約破棄通告をソ連側が行っているという事は、条約は無効であるという理由にはなりません。
2015-02-10 19:18:58またロシア大使館の主張する津軽海峡におけるソ連船の拿捕ですが、『A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.162)(アジア歴史資料センター レファレンスコード:A08071307400)』の253ページ目より書かれたソビエト連邦に対する日本の侵略で言及されています。
2015-02-10 19:25:43しかし、『A級極東国際軍事裁判記録(NO.162 299P)』では香港など侵攻地域に在泊するソ連船に対する砲撃及び攻撃と拿捕抑留は立証されていたものの、津軽海峡での拿捕事例は立証されていません。
2015-02-10 19:31:00加えて言うなれば、この判決言渡しは多分に国際政治に配慮する側面が見られており、その為に中立船舶攻撃をもって「(中立条約が)ソビエト連邦に対する日本の侵略的な企図を進める手段として結ばれたものであることは、今や確実に立証されるに至った。」という少し飛躍したものになっています。
2015-02-10 19:34:29対日攻勢作戦について
では対日攻勢作戦についてですが……こればかりは是非を論じようにも、他の連合国(主にアメリカ)と合意の上で行ったものであるうえ、ポツダム宣言に正式に加盟して行っている以上、どうしようもないというのが僕個人の意見です。いや間違いなく信義に反してるんだけど。
2015-02-10 19:40:268月15日以降のソ連の行動について
それでは8月15日後の行動ですが、8月16日以後はソ連側の違約行為であると判断されます。これは日本政府と連合国最高司令官たるマッカーサー元帥との間で停戦の合意がなされており、また8月13日には米国政府とソ連政府の間でも停戦に関する協定について合意がなされています。
2015-02-10 19:48:59“日本が全軍隊に対する停戦命令を発した事実は、自国に対する敵対行為の停止でもあるから、米国政府の対日通告を認めないとしても、ソ連は、この事実事態によって、停戦の義務を生じるのである” 『国際法外交雑誌第六十六巻第二号 戦犯裁判研究余論(二) 一又正雄』
2015-02-10 19:52:47ただし、日本側の落ち度として、マッカーサー司令部の権限がソ連軍にまで及んでいると誤解した点、満洲での極地停戦交渉のみに終始し、満洲と北方方面(樺太・千島)を包括した全般的停戦協定という考えに至らなかった点があります。その為、このような拗れた状況になったわけです。
2015-02-10 19:59:30まとめ
ただロシアの主張として、北方領土は第二次世界大戦の戦利品であり、またソ連兵として戦った当事者たちにとっては「意味のある戦争」の勲章のようなものです。これを降伏した国を国際法無視で殴り続けて手に入れたものだと糾弾したら、反発が出るのもいたしかたないかと。
2015-02-10 20:06:08