茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1427回【キャラの演じ分けと、らしさの大吟醸】連続ツイート
2015.2/12 茂木健一郎氏【キャラの演じ分けと、らしさの大吟醸】連続ツイート
…俳優のすごさの一つとして、全く違うキャラクターを演じるということがある。もともと、「人格」は脳が生み出した一つの幻想であり、「らしさ」は一つではない。極端な場合、解離性同一性障害のように、肉体的なひとりの中に、複数のキャラクター(性別も年齢も)が同居することすらある…
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茂木健一郎
@kenichiromogi
ある有名なコメディー映画がある。主人公と、主人公と対決する悪者が出てくるのだが、きのう、ふと、ウィキペディアを見ていて、びっくり仰天した。主人公をやっているのは有名な俳優だが、なんと、主人公と対決する悪者も、同じ俳優がやっていたのだ。えっ! と思い返すと、確かに目のあたりが同じ。
2015-02-12 06:53:57
茂木健一郎
@kenichiromogi
主人公と、対決する悪者は、あまりにもキャラクターが違うし、風貌も、声も、何からなにまで違うので、まさか、同一俳優がやっているとは、このコメディ映画シリーズを何度も見ている私も、気付かなかった。エンドクレジットをじっくり見ていれば、わかったのだろうけど。
2015-02-12 06:55:35
茂木健一郎
@kenichiromogi
俳優のすごさの一つとして、全く違うキャラクターを演じるということがある。もともと、「人格」は脳が生み出した一つの幻想であり、「らしさ」は一つではない。極端な場合、解離性同一性障害のように、肉体的なひとりの中に、複数のキャラクター(性別も年齢も)が同居することすらある。
2015-02-12 06:57:07
茂木健一郎
@kenichiromogi
その一方で、あくまでも「らしさ」を追求して、その「らしさ」が大吟醸に磨き上げられる、という役者のあり方もある。高倉健さんがそうだったし、笠智衆さんもそうだった。笠さんは、『東京物語』の当時は40代で、それで老け役をやったから、背中に座布団を入れるなどの工夫をされてはいたけど。
2015-02-12 06:59:33
茂木健一郎
@kenichiromogi
人生のあり方も、どちらもあっていい。文脈に応じて、さまざまなキャラクターが引き出される、という生き方と、一つの「らしさ」を追求していくという生き方と。それにしても、件のコメディ映画におけるキャラの演じ分けは見事で、世間には私のように気付いていない人がまだまだいるんじゃないか。
2015-02-12 07:01:32