大澤真幸+木村草太 「自由」と「民主主義」の困難をどう乗り越えるか~メディアと政治の混乱をめぐって~『憲法の条件 戦後70年から考える』出版記念 リブロ池袋本店(2015.02.16)についてのつぶやき

2月16日(月)19時~NHK出版新書 連続講座 vol.1 大澤真幸+木村草太 「自由」と「民主主義」の困難をどう乗り越えるか~メディアと政治の混乱をめぐって~『憲法の条件 戦後70年から考える』出版記念 リブロ池袋本店 
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たかやましんいち @shinichi_taka

これから本日池袋コミュニティカレッジにて行われました大澤真幸氏(「憲法の条件 戦後70年から考える(NHK出版新書)」共著者)×木村草太氏(同共著者)による対談で印象に残った話をいくつか連投します。鬱陶しい方はリムるなりミュートするなりしてください。

2015-02-16 21:29:28
たかやましんいち @shinichi_taka

大澤「今年に入ってからも憲法に関する問題がいくつも出ているが、憲法について考える機運が高まらない。これは憲法について真剣に考えることで痛いところを突かれる怖さがあり、無意識の防衛反応として「憲法について考えることを拒否している」のではないか?決して怠惰で考えていない訳ではない。」

2015-02-16 21:38:58
たかやましんいち @shinichi_taka

大澤「表現の自由について。この本「憲法の条件」の中で木村さんが深い見識を述べている。「「表現」は社会に対する贈与である。そしてその贈与はえてして委縮しがちなもの。わざわざしなくてもいい贈与をしているのだから積極的に守る必要がある。」」

2015-02-16 21:41:50
たかやましんいち @shinichi_taka

大澤「私が考える「表現の自由」を守る理由。民主主義社会では少数派は多数派の言うことに従わなければならないが、少数派が「納得感」を得るためには、最低限自分の意見を言う機会がなければならない。「表現の自由」が無く自分の意見を表明できずに多数派に従うのは納得がいかないだろう。」

2015-02-16 21:44:46
たかやましんいち @shinichi_taka

木村「「表現の自由」に限らず、憲法については「どういうルールにすれば安定するか?」と考えるのが基本。「表現の自由」を守った方が社会が安定するのか、あるいは制限した方が社会が安定するのか、というように考える。」

2015-02-16 21:46:26
たかやましんいち @shinichi_taka

木村「憲法について国民投票をすればいい、という意見をよく聞くが、世界では国民投票で作られた憲法はむしろ少数派。」

2015-02-16 21:50:13
たかやましんいち @shinichi_taka

大澤「私が国民投票をやればいいという理由は「今の憲法は米国から押し付けられたもの」という意見があり、国民が「これは我々の憲法」という主体化が出来ていないから。憲法を自分たちのものにするために国民投票をしてもいいのではないか。」

2015-02-16 21:50:54
ショウコ@埼玉 @matsu_s_3rd_2

池袋リブロで開催された大澤真幸先生×木村草太先生の『憲法の条件』トークイベントにいってきました。真幸先生の「無差別的援助」って言葉が印象的。喧嘩してるふたりの両方にお水をあげられる人間でありたい。

2015-02-16 21:53:18
たかやましんいち @shinichi_taka

大澤「井上達夫さん(東大教授)の「憲法九条削除論」は結論には賛成しないが非常に鋭いところを突いている。井上さんは「改憲派にも護憲派にも欺瞞がある」と指摘している。」

2015-02-16 21:53:36
たかやましんいち @shinichi_taka

大澤「井上さんの論。改憲派は「米国からの押し付け憲法」と言うが、それを言うなら戦後の農地改革についてはどう考えるのか?同じ押しつけでも都合のいい時は黙っている。護憲派は自衛隊や安保が無い場合の安全保障についてどう考えるのか?自衛隊や安保の利益を享受しながら文句だけ言っている。」

2015-02-16 21:57:19
たかやましんいち @shinichi_taka

大澤「では井上さんはどう考えているのか。井上さんは「絶対平和主義」を言う。戦争は絶対悪であり、それに対しては非暴力抵抗に徹するべきだ、と。これは一定の効力を持つと考える。何故ならば現代社会では正当性をどれだけ調達できるかが肝心で、非暴力はその正当性を得やすいから。」

2015-02-16 21:59:42
たかやましんいち @shinichi_taka

大澤「しかしながら私は憲法九条削除論には賛成できない。多くの日本人は九条に誇りを持っている。あの戦争を乗り越える趣旨で受け止められている。九条的なものはあった方がいい。むしろ中途半端を許さないような、九条らしさを強める積極的な改正案があってもいい。」

2015-02-16 22:04:13
たかやましんいち @shinichi_taka

木村「日本人は紛争が起きた時に、海外派兵すべきともすべきでないとも思っていなくて、紛争そのものを見ないようにしているのではないか。紛争を解決するために派兵するのではなく、難民支援を積極的に行うという選択肢もあるのではないか。」

2015-02-16 22:08:36
たかやましんいち @shinichi_taka

木村「自己責任論と政府の保護義務について。自己責任論を唱える人は海外危険地域への渡航について文句を言うべきではないし、政府の保護義務を訴える人は海外渡航制限についてある程度は好意的に捉えるべき。」

2015-02-16 22:10:44
たかやましんいち @shinichi_taka

木村「憲法は認知療法的なもの。カッとなった時に冷静さを取り戻すためのチェック項目である。」

2015-02-16 22:12:27
たかやましんいち @shinichi_taka

以上です。長々と失礼しました。この連投読んで興味の出た方は大澤さんと木村さんの共著「憲法の条件 戦後70年から考える(NHK出版新書)」をご覧ください。大澤さん曰く「何年かに一度の会心の出来」という本です!

2015-02-16 22:14:00
辻山 良雄 @Mt_tuji

昨日は大澤真幸さんと木村草太さんのトークイベント『憲法の条件』(NHK出版新書)発売記念。対談の名手の大澤さんが「会心の出来」という程トークでも議論が深まりましたが、根本のところに人間の欲望が結晶化した社会が、どう自らを安定させる為に法と折り合っていくのかがあると思う。以下要約→

2015-02-17 10:51:06
辻山 良雄 @Mt_tuji

大澤: 表現の自由を守る理由は、表現はこの世界への贈与だから。1割のダイヤモンドを守る為には、9割の「その他」も守らなければならない。 木村: 表現の自由を禁止すれば短期的には社会が安定するが(為政者が望むように)、長期的には自由を保障した方が、社会が萎縮せずに安定していく。→

2015-02-17 10:51:16
辻山 良雄 @Mt_tuji

木村: 政治決定とは反対する人も納得の上だというプロセスを経ての決定であるという事。違う意見を持つお互いを尊重し、包摂していくという事を社会の原理にしていくべき。ヘイトスピーチは、贈与として行っているとは見えず、自傷行為、依存性になっているので刑罰で萎縮させても意味がない。→

2015-02-17 10:51:36
辻山 良雄 @Mt_tuji

大澤: 憲法に関し、そもそも民主的に作られた法はない。国民が後からそれを「我々の法である」と承認するのが普通だが、日本はそれが上手くいかなかった。自分は憲法に関しては、だからこそ国民投票をしてみてはどうかと思っている人が、結構多いのではないかと考えている。→

2015-02-17 10:51:50
辻山 良雄 @Mt_tuji

大澤: 海外へ軍隊を派遣する際の、日本人の憲法意志は、実際には「紛争は見ないようにしたい」というところにあるが、護憲派は武力行使以上のオプションを提示する事がなく、自衛隊や日米安保から、安全保障という利益を得ているという消極的容認に欺瞞がある。→

2015-02-17 10:52:04
辻山 良雄 @Mt_tuji

大澤: 9条を巡る言説は「原則はA、但し例外はB」。これは非常に危険な考え方で、どんなことでも出来るし、原則的にはAであるというポーズを取り続ける事を許してしまう。個人的に憲法には9条に相当するものが必要だと思っており、9条をより9条らしく改正するという戦略があって良いと思う。→

2015-02-17 10:52:20
辻山 良雄 @Mt_tuji

木村: 積極的なプロセスを示さないと、どんどん9条から人が離れてしまう。憲法は忘れやすいものを思い出させる認知療法。 大澤: 現在の世界情勢の中での安全性とは、武器を持つという事で担保されるものではなく、「社会の中で道義的な正当性を如何に調達出来るか」という事にかかっている。→

2015-02-17 10:52:36
辻山 良雄 @Mt_tuji

木村: イスラム国のような、プリミティブな部族抗争は21世紀に多く起こると思うが、これに現代的な技術が導入されることで、爆発的な結果のギャップが生まれた。 大澤: 復讐とは元々はそれ以上の負の連鎖を断ち切るという部族間の知恵だったが、連鎖が増幅されてしまうスパイラルに陥っている→

2015-02-17 10:52:49
辻山 良雄 @Mt_tuji

昨日の議論でも、敗戦を受け止めてこなかったという、戦後の問題がまた出てきました。その為、憲法に対しては、無意識の防衛反応が出やすくなるが、「もっと積極的にトラウマに触れた方が良い」という大澤さんの言葉が全てを現していると思った。

2015-02-17 10:53:05