- akinosora_
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また、天翔龍閃もかなり古流寄り。これも抜刀術なのですが、下から切り上げる剣閃を描くようです(それが証拠に、食らった相手は上空に吹っ飛ぶ)。これ、実は刃を上にして差す刀ではこうはいかず、刃を下にして佩く太刀だからこそできる芸当。
2015-02-19 21:24:05剣心の刀は打刀、つまりは差しているわけですが、きっと手の内で刃を反転させているのでしょう。実はそれ、古流剣術である薬丸自顕流でも見られる技法。太刀の使い方を打刀で再現しているわけですね。
2015-02-19 21:25:52と、飛天御剣流についてみていくと、結局古流なのかどうなのかわからなくなってきますが、筆者はここである説を述べたいと思います。
2015-02-19 21:28:30戦国期、馬上の武者を切り殺すための技法(龍鎚閃、龍翔閃)や太刀を抜くための抜刀術(天翔龍閃)を持っていた「古飛天御剣流」は、かつては鎧武者相手に戦うことを前提としていた介者剣術でした。おそらく、そのころには柔術なども併伝されていたものと思われます。が…
2015-02-19 21:32:25江戸期になって平和になると、「古飛天御剣流」も変革に迫られます。鎧武者を相手にする介者剣術から、平服の人相手に戦う素肌剣術への転換が行われます。また、刀も太刀から打刀に変化します。その結果……
2015-02-19 21:34:41かつては馬上の武者を想定していた技法も「空中からの攻撃」「対空迎撃技」として整理され、太刀では再現できない技法が編み出されます。また、鎧を着ていない相手を想定するようになったため、背中や胴など鎧で守られていた箇所に攻撃する技法が出てきます。
2015-02-19 21:39:15そして、元来は目つぶしのために泥をはね上げる程度だった技がやがて土砂を相手にぶつけてダメージを与えるという技に変容したり(土龍閃)、明らかに殺傷力がないくせに武器を一時失う恐れがあるという見せ技(飛龍閃)も整備されていきます。
2015-02-19 21:44:14戦国時代には既に九頭龍閃の原型となる技はあったと考えてよいと思います。ただし、兜に守られた切り落としや胴に守られた薙ぎが省略された、「六頭龍閃」であったと思われます。
2015-02-19 21:48:31しかし、平和な時代になって素肌剣術の時代となると、斬り落としや薙ぎも有効打となり、九頭龍閃が完成したというわけです。
2015-02-19 21:50:39そういえば、切り上げって見切りにくい技らしいですね。そういえば、実祭の人物でも中村半次郎(薬丸自顕流)や河上彦斎(不知火流)が得意としていましたね。
2015-02-19 22:21:33それはそうと、昨日の飛天御剣スタイルのお話について、歴史小説家の簑輪諒先生より「もしかして、天然理心流みたいに分裂騒動があって剣以外の技法が失伝したのでは?」というご指摘を頂きました。
2015-02-20 19:27:16…ありうる。 剣心に伝わった系統が正統であるとは劇中どこにも明示されていないわけですしね。もしかするとあの世界の片隅では、剣心が使う系統とは違う「飛天御剣流」が存在するかもしれない…。
2015-02-20 19:28:43ときに、ちょっと誤解があったので書いておくのですが、飛天御剣流には柔術はないですが当身技はあった模様。比古清十郎が蹴りを放っているシーンがありました。
2015-02-20 19:30:33戦国時代に端を発する飛天御剣流は、きっと往時には「飛天流」を名乗って剣法や長柄物術や柔術を含んでいたのでしょうが、江戸時代に入って失伝なのか整理なのか分離なのかは別にして、とにかく剣法だけ「飛天御剣流」として残った、ということなのだろうなあ……。
2015-02-20 19:38:12ってことは、だ。あの化け物剣術の流れをくむ槍や薙刀、柔術を使う武者が戦国時代に存在したことになるわけで、そりゃ戦国時代は容易に終わらんわなあ、とオモタ。
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