世界射点徒然 ~ケープカナベラル タイタンロケット複合発射施設 & ヴァンデンバーグ 悲劇のSLC6~

ファルコン9の着陸場に旧アトラス射点が採用されるなど、発射場に関する動きがいろいろ見られるようになってきましたが、 今のファルコン9/アトラスVの射点は、元々大型ロケット タイタンIII/IVの広大な発射設備のほんの一部でした。 60年代、タイタン開発の際に建設された巨大設備 いったいどのようなモノだったのでしょうか。 そして改装しても改装してもロケットが飛ばないという悲しい西海岸SLC6射点の話題も合わせてご覧ください。
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LH2 @LH2NHI

ふと世界のロケット射場の整備・発射設備についてまとめたくなって、 Titan-IIIの設備について調べてみたので連ツイします。 #射場設備徒然

2015-02-14 14:09:10
LH2 @LH2NHI

今一世を風靡しているFalcon9と、アメリカの軍事衛星/NASAの探査機を次々と打ち上げているAtlas V それぞれケープカナベラル空軍基地のLC40,LC41から打ち上げられています。 #射場設備徒然

2015-02-14 14:11:15
LH2 @LH2NHI

このLC40,LC41、元々は退役したTitan-III.IVロケットの射点でした。 しかも元々はメリット島を広々と使った巨大発射施設のほんの一部だったのです。 Titan-III,IV射場はどのように機能し、そしてそのもくろみはどうなったのでしょうか? #射点設備徒然

2015-02-14 14:14:44
LH2 @LH2NHI

1961年、タイタンロケットの能力を大幅に増強するタイタンIIIC計画が始まりました。大型固体ロケット、再点火可能上段Transtageと並んだ計画の目玉、それが Integrate-Transfer-Launch (ITL) と呼ばれる流れ作業的射点構想でした。 #射場設備徒然

2015-02-14 14:17:30
LH2 @LH2NHI

タイタン射場設備 Integrate-Transfer-Launch (ITL) は3個の人工島に固体整備関連設備、垂直組立棟、固体モーター組立棟ととそれらをつなぐ19.9マイルの線路を建設した巨大設備です。 afspacemuseum.org/ccafs/ITL/ITL_… #射場設備徒然

2015-02-14 14:23:22
LH2 @LH2NHI

完成当初のITL設備 広大な敷地に他事数の建物が整然と並ぶすごい設備です。 #射場設備徒然 pic.twitter.com/rXpieB4YaC

2015-02-14 14:25:25
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LH2 @LH2NHI

ITL設備の入り口は固体モーター試験棟と垂直組立棟 中央の高い建物が垂直組立棟VIBで、その周りに固体セグメントの搬入、検査、整備、組立ビルが立ち並んでいます。 #射点設備徒然 pic.twitter.com/kpThjwdFwl

2015-02-14 14:31:56
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LH2 @LH2NHI

垂直組立棟VIB ここではコア機体の垂直組み立てが行われます。 似たようなGSLVやH-IIがブースターを先に立て、間にコア機体を吊って入れるのとはちょっと違うのが面白いですね。#射点設備徒然 pic.twitter.com/CkKb63LJ4O

2015-02-14 14:35:18
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LH2 @LH2NHI

ところでこのVIB、パッと見H-IIやシャトルのVABみたいで何の変哲もなさそうですが… なんと4機同時整備可能です(驚 #射点設備徒然 pic.twitter.com/kOkWULpl8R

2015-02-14 14:37:01
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LH2 @LH2NHI

コア機体は移動発射台に乗ったままレールで移動し、次の固体モーター組立棟SMABに向かいます。 ここでは固体モーターがコア機体に組み付けられます。 #射点設備徒然 pic.twitter.com/tSfgE4WWfq

2015-02-14 14:41:13
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LH2 @LH2NHI

そして終点、LC40/LC41に到着。 この時点ではまだ衛星は搭載されておらず、射点の移動整備棟内で衛星が搭載されます。 #射点設備徒然 pic.twitter.com/RT6mba7sRH

2015-02-14 14:43:58
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LH2 @LH2NHI

これらタイタンIII IVの複合発射設備は年間50機(!)のタイタンを打ち上げられるよう設計されていましたが、実際は年5機だったのでちょっと過大設備投資だったようです… spacelaunchreport.com/t4cape.html #射場設備徒然 pic.twitter.com/KcZ09UPrZ5

2015-02-14 14:52:24
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LH2 @LH2NHI

ちなみに、ヴァンデンバーグ空軍基地のタイタン射点は普通に射点上で機体を組み立て、移動整備棟で覆う形態でした。 打ち上げ準備に163日かかるのでITL設備との差は歴然ですね。 princeton.edu/~ota/disk2/198…

2015-02-14 14:52:39
LH2 @LH2NHI

ITLでの整備フロー 流れ作業的に工程ごとに場所が違うため干渉しません。 機体組立をVABで、衛星射点組付というのはH-IIやAriane IVでも採用されましたが、念頭にはこの設備があったのではないでしょうか? #射場設備徒然 pic.twitter.com/hwTf7GyPhi

2015-02-14 14:56:22
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LH2 @LH2NHI

さて、タイタンの流れ作業的射場設備、ITLはどうなったかというと… タイタン用垂直組立棟VIB、固体モータ組立棟SMABともにモスボール状態です… #射場設備徒然

2015-02-14 15:00:51
LH2 @LH2NHI

LC41はAtlas V用に生まれ変わりました。 Atlasも垂直組立ですが、組立棟VIFは射点近くのコンパクトな建屋になり、射点も避雷針しかないすっきりしたものに。 nssphoenix.wordpress.com/tag/launch-com… #射点設備徒然 pic.twitter.com/AbuhOANeJp

2015-02-14 15:06:08
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LH2 @LH2NHI

しかしAtlasの動画をよく見ると、Titanの時に使われていたVAB用移動レールを途中から使っているのがわかります。 この動画の24秒くらいとか youtube.com/watch?v=vmPWU2… #射点設備徒然

2015-02-14 15:12:39
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LH2 @LH2NHI

そしておなじみSpace X Falcon9用に改修されたLC40 実はこっちも同様のレールを採用しています。 というわけで、現在の射点に残る、過去の壮大な射点計画のお話でした。 #射点設備徒然 youtube.com/watch?v=2XFsoB…

2015-02-14 15:18:07
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Ayano AKIYAMA @ayano_kova

@LH2NHI 丁寧な解説、ありがとうございます。とても参考になりました。

2015-02-14 15:22:38
LH2 @LH2NHI

@ayano_kova こちらこそ読んでいただきありがとうございます。 射場設備は本当にロケットによって(場合によっては射点によって)ばらばらなので、結構特色というか思想が透けて見えてきて面白いですね。

2015-02-14 15:24:18
変脳コイル猫 @ROCKY_Eto

@LH2NHI @ayano_kova 私もVAFBのSLC6射点に関して、いつかどこかにストーリーを書こうかと思っています。ダイナソア、MOL、シャトルと、改装しては計画中止を繰り返した可哀想な射点。

2015-02-14 15:28:46
LH2 @LH2NHI

@ROCKY_Eto @ayano_kova SLC6はほんとついてない射点ですよね… シャトル射点設備を作ったのに廃止、アテナ転用のときは設備のデカさとロケットの小ささがギャグみたいになってましたが、Delta IV Heavyで実力を発揮できてよかったですよね。

2015-02-14 15:33:40
LH2 @LH2NHI

SLC6で整備中のアテナIロケット @ROCKY_Eto @ayano_kova イプシロンより小さな機体をシャトル用射点から飛ばしたという。 まさに「役不足」ですね。capcomespace.net/dossiers/espac… pic.twitter.com/RDGgQJOlAU

2015-02-14 15:40:15
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変脳コイル猫 @ROCKY_Eto

ロケットがどこにあるのか分からなかった。 RT @LH2NHI SLC6で整備中のアテナIロケット @ROCKY_Eto @ayano_kova イプシロンより小さな機体をシャトル用射点から飛ばしたという。 まさに「役不足」ですね。 pic.twitter.com/dX31uiTqgr

2015-02-14 15:40:26
ケドルスキー @Kedrskie

@LH2NHI ちっさ!H-2A用射点から打上ようとしてたJ-1#2よりも更にサイズ比がおかしい!(笑)

2015-02-14 15:47:24