浜風の決断

蓮耶さん(@RenyaKanbara)の書いてくださった、落ちぬい二次創作です。 今回は第十七駆逐海賊団事件のあった当日、そしてその後のお話だそうです。海ぼうずの一人も登場? ぜひお楽しみくださいませ! ご感想などは、蓮耶さんor#落ちぬいタグへお願いします。
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はじめに

神原 蓮耶 @RenyaKanbara

#落ちぬい二次 始めます、今作品は #不知火に落ち度はない の二次創作物となっております。 感想などは #落ちぬい まで 本来の世界線とはちょっと捩れた、だけど時間軸はほんの少し近づけすぎた あったかもしれないお話の始まりです

2015-02-19 21:47:21
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

時間軸はホテルから鎮守府までの帰路の所なので 浜風はドレスです 浜風はドレスです #落ちぬい

2015-02-20 13:13:11

本編

神原 蓮耶 @RenyaKanbara

提督と、もしかしたら一夜を共にできたかもしれなかった日 一通のメールでそれは砕かれた #落ちぬい二次

2015-02-19 21:49:44
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

『第十七駆逐海賊団』 そう書かれた旗の下には懐かしい顔ぶれが 磯風、浦風、谷風の三人 どうして彼女達は道を違えてしまったのだろう 提督の運転する車内でそのことだけがグルグルと私の頭を巡り続けた #落ちぬい二次

2015-02-19 21:52:13
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

優しかった浦風。戦上手で、センスがあった磯風。ムードメーカーでいつも明るかった谷風。 三人を止めることのできなかった、気付けなかった自分が歯痒い。悔しい #落ちぬい二次

2015-02-19 21:58:11
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「浜風」 突然、声をかけられた。何? 「何ですか?提督」 まずは落ち着かなければ。そう思い、声だけでも真っ直ぐにしよう 「鎮守府まで真っ直ぐ帰りたいが、悪いがちょっとだけ寄り道させてくれ。頼む」 呆気にとられる、寄り道?こんな時に? #落ちぬい二次

2015-02-19 22:19:58
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「え、えっと、何で」 対策会議とか、龍田さんからの資料を見るとかの時間はどうなるのだろう。寄り道して時間を食われないのだろうか 「友人に会いに行かなきゃなんねえ、緊急事態だからな」 こっちも緊急事態なんだけれど 提督は言うや否や携帯を放り投げる、キャッチ #落ちぬい二次

2015-02-19 22:30:49
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「クチナシと言う奴にに連絡してくれ、スピーカーで頼む」 ちょっとは私の言い分を聞いてください。 「今回のことに関係してるかもしれないんだ」 「わかりました、クチナシさんですね」 連絡する代わりに「ゆうこ」だとか「まり」と書かれた連絡先を消しておきます。 #落ちぬい二次

2015-02-19 22:36:15
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

ワンコール、ツーコール、かかった 『俺だ、どうした片目』 片目、提督のあだ名。兵頭さんの怪我を知っていると言うのなら長い付き合いなのだろう。 「悪いクチナシ。今からそっちへ向かうから交通整理してくれ。飛ばすから」 え? #落ちぬい二次

2015-02-19 22:39:23
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

『俺だって暇じゃないしそれどころじゃない、友人一人のために権力使えるか』 「こっちだってそれどころじゃない。磯風の件について話したいことがある」 提督?それはどう言うことで? 言いたい言葉が出る前に受話器から返事がきた 『直ぐに通達させる、とっとと来い』 #落ちぬい二次

2015-02-19 23:13:40
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「助かる」 ちょっと、提督? 『こちらで資料を用意しておく、お前のことだからいるだろう?』 何でこの人磯風のこと知ってるんです? 「ああ、頼んだぞ」 私の話を聞いてください 『では鎮守府で』 通話が切れました 「どう言う事です?」 #落ちぬい二次

2015-02-19 23:27:41
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「何がだ?」 この人は、ああもうこの人は 「馬鹿じゃないんですか⁉︎ちょっとは私の話に耳を傾けてください!」 友人が三人ともクーデターおこしてるってのに! 「すまん、こっちのほうが優先しなきゃいけないんだ」 #落ちぬい二次

2015-02-19 23:29:53
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「まずはクチナシの事から話そう。あいつの所に以前磯風がいた」 つらつらと提督がその事について語る 第十七駆逐隊として四人揃う前、磯風が所属していた所。そこがクチナシさんの所だと言う 提督がその事を知ったのは私が以前見せた写真からだそうだ #落ちぬい二次

2015-02-19 23:32:53
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

艦娘のデータベースにある所属経歴の一つにクチナシさんの名前があったから覚えていたとのこと。 「でもどうしてそこまで?資料ならFAXでもいいのに」 情報伝達も電話やメールで済まされる時代だ、態々出向く必要は無い #落ちぬい二次

2015-02-19 23:38:51
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「電話越しじゃ、あいつの真意が読み取れない。だから直接会う必要がある」 訳がわからない そもそもクチナシさんと磯風は提督と艦娘の関係では無いのだろうか? 「普通の関係だったら磯風の一言で交通整理は行わない。あいつにとっちゃそれ程の存在なのさ」 #落ちぬい二次

2015-02-19 23:44:00
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「カマかけたんですか?」 「まあそんなところだ」 多分あいつも何か知ってる、そう提督は呟いた #落ちぬい二次

2015-02-19 23:56:13
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

クチナシさんの所属している鎮守府は意外と早く着いた。道中誰も見かけませんでしたけど 「あいつの集団行動はそこいらの軍隊より統率されてるよ。指揮能力が違う」 そう言えば磯風が指揮を執った時は戦闘のノリが良かった。指導の賜物だろうか #落ちぬい二次

2015-02-20 00:06:55
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「クチナシに伝えてくれ、片目が来たと」 提督が守衛に話しかけて、守衛がクチナシさんに連絡する 1分もしないうちに鎮守府の門が開かれて一人の男性が出てきた 「久しぶりだな片目。ここは冷えるから中へ入ってくれ。そこのお嬢さんも一緒にな」 #落ちぬい二次

2015-02-20 00:09:37
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

応接間に招かれた私たちは、改めてクチナシさんを見る 年齢は提督と同じくらい、髪は長めで、背は190近くありそう 身長に目が行ってしまうけど特徴的なのは彼の顎 人工皮膚でできていた。恐らく皮膚の下は機械なのだろう #落ちぬい二次

2015-02-20 01:28:56
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「クチナシ、頼んだ資料は?」 「これだ」 ドサッと置かれた紙の束には磯風の戦果報告や演習記録が書かれていた 「実戦においても磯風は優秀だった」 クチナシさんはこれまでの磯風を教えてくれた #落ちぬい二次

2015-02-20 11:45:39
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

入隊初期から一軍に抜擢される戦闘スキル、鎮守府で磨かれた集団行動と忠誠心。ここでの経験が第十七駆逐隊での彼女を作り上げたこと 見聞を広げるために私が所属していた鎮守府に異動したこと #落ちぬい二次

2015-02-20 11:49:45
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

磯風の戦闘資料の隣にある、ちょっと小さな紙の束が目に付いた 「こちらは?」 どうやら手紙のようだけど 「磯風からの手紙だ。写真と共に毎月送られて来てね。ほら、ここに写ってるのが君だろう?」 確かに磯風の字だ、写真からその時の状況も思い出せる #落ちぬい二次

2015-02-20 12:00:19
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「文章や写真から、彼女はとても幸せに過ごしていたとわかったよ」 クチナシさんは笑顔だった しかし 「だがある日、手紙はパッタリ来なくなった」 その表情が曇る 恐らく手紙が来なくなったのは私が兵頭さんの鎮守府へ異動になり、磯風達も異動してからのことだろう #落ちぬい二次

2015-02-20 13:09:13