水面下

蓮耶さん(@RenyaKanbara)の書いてくださった、落ちぬい二次創作です。 今回はセブ島がらみのお話。 前回登場したクチナシさんが再度登場して……? 続きを読む
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はじめに

神原 蓮耶 @RenyaKanbara

#落ちぬい二次 を始めます今作品は #不知火に落ち度はない の二次創作物です 感想、ツッコミなぞ御座いましたら #落ちぬい まで

2015-04-28 01:34:39

本編

神原 蓮耶 @RenyaKanbara

とある日の昼下がり、俺は1人とある場所へと赴いていた さて、片目の野郎は上手く動いているだろうか? 奴の鎮守府を前にそんな事を考えてみた #落ちぬい二次

2015-04-28 01:39:41
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「それじゃ、失礼しますよっと」 車から降りた俺は無人の玄関を悠々と歩く 当然、アポは取ってないから迎えは無い 「なーなーなー」 と、何処からか呼び止められる 「そこのでっかいおっちゃん、ちょっと待ってーな」 おや?誰だろうか。早速見つかってしまった #落ちぬい二次

2015-04-28 01:46:20
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「ここは鎮守府なんやけど、おっちゃんここに何か用なん?」 ううむ、声はするけど姿は見えない。一体何処にいるんだ? 「空耳か?」 「こーこーやー!しーたーやー!」 おおっと、俺の視界外だったか #落ちぬい二次

2015-04-28 01:50:18
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「これは失礼、小さなお嬢さん。ちょっとここに用があってね。片目……ああ、兵頭はいるかな?」 黒髪の関西弁の少女は何やらご立腹のようだ ……ふむ、身体つきは中学生高学年くらいか。そして服装は確か似たような娘が…ああ、この間来てた初風と同じだから陽炎型か? #落ちぬい二次

2015-04-28 01:57:02
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「何や腹立つ言い方やな…ほんで、司令はんの事ききたかったら、何か出すもんあるんとちゃう?ん?」 チラチラと見ながらこちらに手のひらを差し出す。ふむ 「そうだな、飴はお好きかな?」 懐から色とりどりの飴を取り出して手のひらに乗せる #落ちぬい二次

2015-04-28 02:03:10
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「うんうん、宝石みたいに綺麗なーーってアホかぁ!」 少女はご立腹のようだ。何故だ 「こないな飴ちゃんでポンポン吐くかいな!」 このくらいの娘なら言ってくれると思ったが、最近の子は中々に強欲だ 「仕方ない、あいつに電話するか」 #落ちぬい二次

2015-04-28 02:06:31
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「はえ?」 惚けた顔の少女を横目にアドレスから馴染みの番号へかける…かかった 『久しぶりだな。どうした?』 「やあ、長門。息災かい?」 長門、の単語に少女はピクリとした。おや? 『で、何の用だ?』 #落ちぬい二次

2015-04-28 02:16:46
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「愛しのマドンナに会いに来たのだけれどね、可愛らしい門番に通せんぼされているんだ。助けてくれないかな?」 まあ、その可愛らしい門番は冷や汗かいてるけどね 『代われ』 「仰せのままに。ほらお嬢さん、長門からだ」 #落ちぬい二次

2015-04-28 02:19:31
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

電話を受け取った少女は二言三言交わして俺に電話を返す。何だいその顔は、可愛い顔が台無しだぞ? 『とっとと来い、急用なんだろ?』 「わかってるじゃないか、それでは後ほど」 通話を終了すると、少女はまたも恨みの込もった顔で睨みつける #落ちぬい二次

2015-04-28 02:24:57
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「どうかしたかな?」 「おっちゃん卑怯やってー、長門さんに電話すんのー」 「いい授業になっただろう?大人を見くびると痛い目にあうからね」 艤装を外せばただの少女でしかない。大の大人相手では太刀打ちできなくなる #落ちぬい二次

2015-04-28 02:38:33
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

そんな事を考えつつ、俺は執務室のドアを開ける…片目はいないな 「やあ長門、ご機嫌いかが?」 にこやかに挨拶。だけどマドンナは眉間に皺寄せ書類とにらめっこだ 「ああクチナシ。見ての通りだ」 うん、嫌な数の書類の束を処理してるね #落ちぬい二次

2015-04-28 02:43:37
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「司令の奴が残していった書類の処理と、これからのスケジュール管理さ。明日から演習三昧だからな」 成る程、日程表には幾つかの鎮守府名が書かれてるな 片目は聞いてないだろうなあ、ここまで大規模な演習は #落ちぬい二次

2015-04-28 02:49:32
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「それで?世間話をしに此処に来たのではないんだろ?」 はい、その通りです。世間話をするならランチに誘ってます 「龍田から送られた資料を見に来た、ここにあるだけで構わない」 #落ちぬい二次

2015-04-28 02:50:59
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

知るべきなのは磯風の現状、そして彼処で何が起きたかだ 何せあの磯風があんな手紙を寄越す位だ。知らねばならない、絶対に 例えそれが如何様なる出来事だとしても #落ちぬい二次

2015-04-28 02:51:34
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「此方が望んでたブツだ」 マドンナから渡された資料に俺は目を滑らせていた ああ、そうか、やはりか。最悪な結末では無かったが、覚悟はしていたがこれ程とはな #落ちぬい二次

2015-04-28 02:58:26
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

一つはこれ迄磯風が受けていた苦痛、屈辱。届く事のなかった嘆願。これ程迄に彼女は追い詰められていたか 二つは磯風が所属していた鎮守府での怪しい金の動き。ほぼ間違いなくこの金で握り潰されていたに違いない #落ちぬい二次

2015-04-28 02:59:15
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

俺の元へ最後に届いたあの手紙が奇跡とも言えるくらいだ 深い悔恨の念が残る。無理矢理にでも彼女を、彼女達を連れ去るべきだった。全てを壊してでも救うべきであった。あの場所を訪れた時に選択していればよかった。それを行わなかった俺自身を怨む程 #落ちぬい二次

2015-04-28 03:00:43
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

救い出せるには今すぐにでも向かいたい。しかし、今の俺にはその資格が無い だから、だからこそ託した 片目と、彼に寄り添う磯風の友人に #落ちぬい二次

2015-04-28 03:02:08
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「もういいのか?」 読み終えた資料をマドンナへと手渡す 「ああ、ある程度は見終わったからな。後は龍田の所で聞くさ」 「メールや電話で聞かないのだな」 #落ちぬい二次

2015-04-28 03:05:29
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「偶には生徒の顔でも拝みに行きたいからな」 「その台詞、那珂に聞かせてやったらどうだ?喜ぶぞ」 「あいつは興行でよく顔見せに来るからいいんだよ」 「ははっ、那珂らしいじゃないか」 それに、今度は演習でぶち当たりに来そうだからな #落ちぬい二次

2015-04-28 03:06:33
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「じゃあ、行ってくるぜ。今度は飯食いにでも行こうか、長門」 「ああ、行ってこい。お前の奢りでな、桔梗」 さて、と。夜も更けない内に行きますかね 寝ない子だーれだ、たーつた #落ちぬい二次

2015-04-28 03:08:32
神原 蓮耶 @RenyaKanbara

「それで〜?こんな夜中に訪れるなんて夜這いですか〜?」 「馬鹿言うんじゃねえよ、仕事だ仕事」 現在時刻22:41。俺の居場所は洋上要塞アウターヘブン。そして俺の前に座る少女はかつての教え子、龍田 #落ちぬい二次

2015-04-28 03:15:47