ジャック・ジンセンヴァ@条約の戦闘記録 SS風味

グランクレスト大戦の診断結果をSSっぽくしたなにかです。
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EXAM @EXAM0080

瞬間、全員がジャックからその男へと視線を変えた。その視線に乗るものも嘲りから苛立ちへと変わる。 「あぁ? テメェ、今なんつった? 雑魚っつったか。俺等を雑魚だと?」 #グランクレスト大戦

2015-02-12 23:25:38
EXAM @EXAM0080

と、彼らのうち一人が前へ出た。最も恰幅の良い、そして最も髭の濃い男、錆色の鎧と胸当てをつけた男が。 「フッ……。事実を述べたまで」 「ほぉ。つまり喧嘩を売ってるんだな?」 髭の男は、細身の男の前で拳を突き合せた。それに細身の男は一つ、鼻を鳴らす。 #グランクレスト大戦

2015-02-12 23:25:53
EXAM @EXAM0080

「フッ……。後悔するぞ? それでいいなら、打って来い」 瞬間、髭の男は拳を突き出し。 細身の男は、頬に嗤いを浮かべた。 #グランクレスト大戦  …  …  …  …  …  … で。 その顔面は見事なストレートパンチを貰い、嗤い顔のまんま陥没した。 #グランクレスト大戦

2015-02-12 23:26:42
EXAM @EXAM0080

ぶっ飛ぶ細身の男。その体はどがしゃーんという音を立てて、訓練場の隅に積まれていた樽の中に突っ込んでいた。 「アホ!! 仲間を殴る奴があるか!!」 思わず叫んでいた。これまであらゆる相手に通じて来た自分の必殺技(はったり)が通じず、思わずキャラが崩れていた。 #グランクレスト大戦

2015-02-12 23:26:59
EXAM @EXAM0080

「知るかクソッタレが!!」 瞬間、群がる荒くれたち。見る間に細身の男は肉の中へと埋まっていく。ボカァドガァという鈍い音が響いて来る。 #グランクレスト大戦

2015-02-12 23:27:08
EXAM @EXAM0080

「あ、ちょっと、もしもーーーーし……?!」 そしてジャックは完全に蚊帳の外であった。置いてけぼりである。完全に放置である。無視されてしまった。だが、彼らを死なせる訳にはいかない。同盟を殺す為に行動する仲間なのだ。死なせてなる者か!! #グランクレスト大戦

2015-02-12 23:27:14
EXAM @EXAM0080

「ダメです! 暴力を振るっていい相手は、同盟の奴等だけですぅぅぅ……!!」 瞬間、ジャックは思いっきり叫んで肉の山へと突っ込み、邪紋使いの身体能力をフルドライブさせた。 #グランクレスト大戦

2015-02-12 23:27:20
EXAM @EXAM0080

「さ、皆さん特訓を始めますよ!!」 「「「「ヘイ、兄貴!!」」」 全身に生傷をつくりながら、傭兵部隊は斉唱を返す。 ――アルトゥーク条約は今日も物騒である。 #グランクレスト大戦

2015-02-12 23:27:23
EXAM @EXAM0080

【休息/戦功2】なんと所属勢力の盟主から直々に、ジャック@条約の働きを期待しているとの言葉をかけられた。HP+6、SP+3。あなたがロードなら、さらにSP+1。 appli-maker.jp/analytic_apps/… #グランクレスト大戦 えっ!?

2015-02-13 00:09:03
EXAM @EXAM0080

「ジャック・ジンセンヴァ。戦場で獅子奮迅の活躍をしているそうじゃないか。今後も期待しているよ」 「……は。テオ子爵閣下。全力を尽くさせて頂きます」 傭兵が仮にも三大勢力が一角のトップから招聘され、労われる。考え難い事ではあるとジャックは思った。 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:54:21
EXAM @EXAM0080

端的に言って、ジャック・ジンセンヴァと言う男程、テオ・コルネーロ子爵が労うに値しない男もそういない。理由は簡単だ。彼はグランクレスト、世界の平定と言うものに興味が無いからである。アルトゥーク条約と言う『組織』への忠誠心こそ多少はあるが、それは目的ではない。 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:54:36
EXAM @EXAM0080

真の目的は一つ、己の養父を、愛してくれた人を、共に育った仲間達を殺した大工房同盟への復讐心。養父が宿し己が守る為に嚥下したものを、聖印を手に入れる為に無抵抗の人々を蹂躙した連中への報復の意志のみ。 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:54:44
EXAM @EXAM0080

アルトゥーク条約に属し続けるのは、それが最も効率的な方法と判断したからだ。この組織は、元々同盟に滅ぼされた国アルトゥークを母体としている。自分のいた国だ。きっと自分と同じく復讐の為に戦う者もいるだろう。そう考え、彼は此処に属している。 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:54:50
EXAM @EXAM0080

「――それと、これは相談なんだがな、ジャック」 そしてそんな考え等、全て見透かした上で――アルトゥーク条約の盟主は、ぽんと彼の肩に手を置いて、言った。 「正規軍に来る気は無いか」 その言葉に、ジャックは思わず瞠目した。 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:54:57
EXAM @EXAM0080

「君の出身は孤児院村だろう? アルトゥークの。元より同じ国の者、ならば正規の兵士として」「有り難い御言葉ですが、辞退させて頂きます」 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:55:07
EXAM @EXAM0080

彼は、盟主の言葉へ割って入った。有り得ぬ不敬。斬られても可笑しくはない。だが、テオは、ただ悲しそうに目を細めるばかりだった。 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:55:22
EXAM @EXAM0080

「私は祖国の、アルトゥークの為に戦っているわけではありません。もっと個人的な理由から戦っている。そんな私が、アルトゥークの騎士である資格はありません」 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:55:31
EXAM @EXAM0080

「ジャック」 その言葉に、返答は無かった。それに対しふぅ、と溜息をつき、テオは言った。 「分かった。下がってくれ」 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:55:36
EXAM @EXAM0080

「は……。申し訳ありません」 「最後に一つ、言わせて欲しい」 礼を取るジャックへと、テオは口を開く。男として、人として、言うべき事が一つあった。 「復讐は無意味ではないかもしれないが、苦難だぞ」 「――承知の上です」 それがジャックの返答(かくご)だった。 #グランクレスト大戦

2015-02-13 00:55:45
EXAM @EXAM0080

【戦闘/戦功3】ジャック@条約の部隊と敵軍と一進一退の攻防が続く。HP-3、SP+1。あなたがメイジなら戦術的な優位を得るために魔法を駆使してもよい。その場合はHP-6、SP+3に変更。 appli-maker.jp/analytic_apps/… #グランクレスト大戦

2015-02-14 00:03:37
EXAM @EXAM0080

「……チッ……何処だ!?」 深い森の中を、ジャックは周囲へ注意を張り巡らせながら駆けていた。 敵軍、アルトゥークの主力部隊に敗北し散り散りとなった同盟軍の一部隊が此処に逃げ込んだと連絡が入り、掃討の為ジャックには追撃の任務が与えられたのだ。 #グランクレスト大戦

2015-02-14 15:08:44
EXAM @EXAM0080

他の兵員は連れて来ていない。こう言った場所の戦闘では、アーティストの隣に常人を並ばせるのは悪手だ。足手纏いにしかならない。故にこその単独出撃だった。そしてその判断は、正解だとジャックは確信していた。 何しろ、アーティストの自分ですら補足が困難な敵なのだ。 #グランクレスト大戦

2015-02-14 15:11:23
EXAM @EXAM0080

――と。背筋が、ぞわりと泡立った。 「!」 本能に任せ伏せるジャック。彼の頭があった場所を三本のナイフ、ジャックが手に持つ、ショートソードに近い刃渡りの大きなナイフとは違う、投擲用のナイフ……それもご丁寧に黒塗りだ……が通過した。 #グランクレスト大戦

2015-02-14 15:13:13
EXAM @EXAM0080

「鬱陶しい……!!」 敵のナイフは通過し、近くの木に刺さった。それを引き抜き空いている手に持つと、敵がナイフを投げたと思しき方向へと駆ける。 ――そして、彼は少し開けた場所、半径10m程の切り開かれた空間へ出た。 #グランクレスト大戦

2015-02-14 15:16:50
EXAM @EXAM0080

「!!」 そして、次の瞬間、四方八方からナイフが飛んで来た。 以前自分が嵌められた事もあるのと似た様な戦法。違うのは密林故に敵の正確な位置が掴めぬ事である。 「ええいっ!」 身を捻りつつ、その内のいくらかが飛んで来たのと同じ方向へと敵の置き土産を投擲した。 #グランクレスト大戦

2015-02-14 15:18:25
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