『焼いた後のホットケーキミックス』

ホットケーキの錬成を目指した者達へ捧げる。
ログ 哲学 らっこ時空 焼いた後のホットケーキミックス
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CV:高須ポロポロセレックス @p_cyclase
いやでもあれ焼く前のホットケーキミックス好きな人は絶対好きだよ
よはん @yohann_sw
焼く前のホットケーキミックス好きな人って誰だよ。
JORI🐿🐺 @JO_RI
>焼く前のホットケーキミックス好きな人<
生きてるか死んでるかでいうと死んでる @urea_ch
>焼く前のホットケーキミックスがすきなひと<
CV:高須ポロポロセレックス @p_cyclase
@yohann_sw ミスドの新作が焼く前のホットケーキミックスの味するんですよ(必死)
夢亜@推しが三首出してる @SakuraKirayami
あれちょっと酸味あって割と好きかも>焼く前のホットケーキミックス
@Rakko1984
焼いた後のホットケーキミックス
@Rakko1984
@p_cyclase 本当にそれがホットケーキだと貴方は断言できるのでしょうか……?(沸き立つ黒煙を前に
@Rakko1984
『焼いた後のホットケーキミックス』
@Rakko1984
ホットケーキの歴史は紀元前3000年前にさかのぼる。太古の昔より、人は粉と水を混ぜて『ホットケーキ』なるものを作り続けてきた。時は流れ、古の技は途絶え、世には『ホットケーキミックス』と呼ばれるホットケーキを再現するための混合物、人工ホットケーキとやゆされるものを食べていた。
@Rakko1984
しかし『ホットケーキ』と呼ばれるものは時の支配者しか口にする事のできない高級品であり、民草は『焼いた後のホットケーキミックス』で飢えをしのいでいた。しかし『焼いた後のホットケーキミックス』より不純物を取り除き、『ホットケーキ』を抽出することで古の『ホットケーキ』を産み出す計画が。
@Rakko1984
世界各国より秘密裏に集まった碩学者達によって進められることとなった。彼等は各所に潜みながら、日夜『焼いた後のホットケーキミックス』から『ホットケーキ』の錬成を施行し、時の支配者たちは彼等の弾圧の為に兵を派遣する。その苛烈な弾圧は後に『血のホットケーキミックス』と語り継がれる。
@Rakko1984
一人、また一人と碩学達は志半ばで倒れ、その血をホットケーキミックスに吸われていく。焼く前のホットケーキミックスが白いのは、碩学者達の血が混ざっていない正規品であることを示すためだと言われる程であった。人々は碩学者達の行いに首を傾げ、徐々に彼等の事を忘れ始めていく。
@Rakko1984
最後の碩学達が集う闇ホットケーキミックス研究所が業火に呑まれた時、時の支配者達の慢心は、一人の碩学がアンプルを手に逃れていたことを見逃していた。最後の碩学、『焼いた後のホットケーキミックス』を純度の高い『ホットケーキ』に錬成する術を抱えた彼は、一路、故郷の街へとひた走る。
@Rakko1984
最後の碩学者が故郷の街へとたどり着いた時、そこは『焼いた後のホットケーキミックス』のように、建物や街路樹、人々までもが砕かれ焼かれていた。碩学者をかくまうものへの見せしめの為に、支配者は彼の故郷を焼いていたのだった。慟哭し、膝から崩れ落ちる彼に歩み寄るものがあった。小さい足音。
@Rakko1984
「どっか、いたいの?」 それは一人の少女だった。ぼろきれのような服を纏った痩せ細った少女が、碩学の青年に語りかける。涙で視界が歪む彼は首を縦にも横にも振れず、ただ涙をこぼし続けた。その様子に少女は懐から小さな袋を取り出す。この街に残された、最後の『焼く前のホットケーキミックス』
@Rakko1984
「なにかたべれば、いたくなくなるよ」 そう言う彼女は、焼けくすぶる材木の上に、鉄の看板を置いて『ホットケーキミックス』を焼こうとする。と、碩学の青年が彼女の手を取った。驚きの表情を浮かべる彼女をよそに、青年は熱せられた看板に『ホットケーキミックス』と碩学の集大成を混ぜながら注ぐ。
@Rakko1984
するとどうしたことだろうか。『焼く前のホットケーキミックス』は『焼いた後のホットケーキミックス』にしかならないはずのものなのに、小さな、小さなそれは白から小麦色に色づき、甘く香ばしい匂いを漂わせ、『焼いた後のホットケーキミックス』ではない何かに変わっていくではないか!!
@Rakko1984
驚きの表情の少女の為に、碩学の青年は己の手が焼けるのもいとわず、看板より焼きあがったそれを持ち上げて差し出す。「いいの?」と問う彼女に、「君の為に、ボクが、ボク等が作ったんだ」と彼は首を振る。少女は戸惑いながらも、香しい、小さな塊を一かじり。口内に広がる甘味に目を見開いて。
@Rakko1984
「おいしい」 彼女の顔が、すすに汚れながらも、まるで輝く太陽のような笑顔に変わる。彼女は小さな塊を一心不乱に食べつくす。それがなんであるか、どれほど貴重なものであるか、いかなる犠牲の上に成り立つものかも、彼女は知らないだろう。しかし、その笑顔は青年の魂を救うに足るものだった。
@Rakko1984
「おいしいよ、これ、お兄ちゃん」 手に残った欠片も舐めて食べきった少女が青年を見る。青年はしかし、瞼を閉じたまま、彼女に応えることはなかった。「おにいちゃん?」 彼女の手が彼に触れると、彼は地に崩れる。彼の心臓をは二度と音を立てることはなく、しかし彼の顔には笑顔が戻っていた。
@Rakko1984
こうして、碩学者達により完成された『ホットケーキ』の錬成の術は、ただ一つの成功例すらも歴史書に残すことはなく、潰えていった。されど、彼等は雑多に交る思惑の中から、人が人である所以、誰かを笑顔にできる心、愛と言う名のホットケーキを産み出し、一人の少女を救ったことは確かである。
@Rakko1984
これは『ホットケーキ』を目指した者達の物語……。 ~fin~

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