【紫煙天龍】追悼・工藤俊作～敵艦を救助せよ～

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午前7時、深雪と長門が乾布摩擦をしてるな…アイツら本当にやってんだ、冬場に…

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午前9時、仕事の前にしっかりたばこ吸ったか？規程外のたばこ休憩に仕事抜けるのはやめとけよ？

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午前10時、この時間の時報で「仕事中じゃねぇのか？」と叫ぶのはこのアカウントを見てる奴がうちの艦娘にも職員にも居るからだ。特に提督、たまにビクッとするから机の下でiPhone弄ってるぞアイツ

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今日は本当に何事もなく過ごせているなぁ…「天龍、そこの資料くれ」「ほら」このまま何も起こらないのが一番だ、先月は大規模作戦もあったｓ"ﾌﾟﾙﾙﾙ"えっ？緊急用内線？「はい執務室…警報用スピーカーに繋ぐ！もう一度言え！」表からノイズが聞こえた後、緊迫した声が聞こえてきた

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『対潜哨戒より帰投中の第六駆逐隊より入電！鎮守府近海にて深海棲艦を発見！繰り返す…』緊急事態を報せるアナウンスに続いて提督の怒号が響く『陸戦隊聞こえてるか！鎮守府と現場の周辺を封鎖しろ！大淀！執務室に来い！それからすぐに出撃可能な奴らは艤装準備しとけ！』

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「提督！大淀、只今参りました！」「大淀、ここは任せる。事が事だからな、すぐ上に報告出来る様に直接見に行く。艦種は問わないから沿岸から沖合の適当な距離まで警戒に当たらせろ、陸戦隊を出動させて適当に周辺を封鎖だ、封鎖区域の設定は敵の規模に合わせろ」「了解しました」

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「くれぐれも気を付けてくれ。これが陽動だったらえらいことになる、海中も空もしっかり目を光らせてくれ。天龍！現場はどこだ！」「えーと、ここから南に1キロも無いとこの海岸だな」「よし、陸戦隊に車の準備させろ、お前は陸路と海路どっちから来る？」「お前に着いてく」

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あーあ、移動中のこの緊張感、たばこ吸えればマシになるだろうに…「お、第六駆逐隊から入電だ。『敵艦は駆逐イ級１隻、僚艦や別働隊らしき影は見当たらず』とさ」「ふむ、ともかく現場に行かないと…やっかいなことになる気がする」「同感だ」

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「おーい雷！！」「あっ、しれーかん！！」第六駆逐隊が何やら輪形陣を組んでいる「おい、イ級はどこだ？」「それが…」輪形陣の輪が広がると、何やら犬の様なアザラシの様な生物が真ん中に居た「ん？」提督がしゃがみ込んで顔を近づける「きゅぅ…？」「こいつは…駆逐イ級の子供だな」

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「子供…でも深海棲艦だろ？」「無害か有害かは不明だ、たまにこういうのの死骸が艦隊戦のあった海域に浮いてると聞いたことがある。実物は見たことなかったんだが、こんなただの動物とはなぁ…」「きゅ？」やべぇ情が移る「提督、どうするこれ？」「雷撃処分」「「ええーっ！？」」

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第六駆逐隊から悲鳴にも似た声が「いやな、まずは写真撮ったりして大本営に送る資料を作る必要がある、だからすぐには殺さない」「ハラショー」「良かったのです」「ただ、用が済んだらすぐにでも雷撃ｓｙ「しれーかん！」「レディとして許せないわ！」「なのです！」

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「おいお前ら良い加減に「待て天龍、今日って何日だっけ？」「えーと、３月２日だが？」「あちゃー…」帽子を脱ぎボリボリと頭を掻く提督。何かあったか？「スラバヤ沖海戦翌日…雷と電がイギリスの兵士を救助した日だな…」「あっ…」そう言えば、この２人は…

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第六駆逐隊に背を向けて作戦会議。「今日ばっかりはコイツらを黙らせる自信が無ぇよ、どうする提督？」「どうするも何も、逃がすだけで済めばそれで十分、それ以上はおれとしてもだな…」「しれーかん？」「何してるのです？」「あっ、いや。なんでもない」

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「って、響はスラバヤ沖海戦参加してねぇだろ？」「工藤艦長は私の艦長だったこともあるのさ」「なるほど…」「例えソ連へ引き渡されて名前を変えられたところで、私はヴェールヌイである前に響。工藤艦長の武士道はソ連まで持って行ったんだよ」「うぬぬ…」

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３対２…「暁、ネームシップだろ？何か言ってやれ」「私は姉として、妹達の味方をするわ！」「すぱしーば」「なのです！」あーあ…「天龍、北上に連絡入れろ、今日の雷撃訓練はすべてキャンセルだ。雷撃訓練用プールにコイツを一時保護する」「マジか！？」

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「しれーかん！」「なのです！」「ハラショー！」「勘違いするなよ？飼うわけじゃねぇ。危害を及ぼす危険性があれば即処分、若しくは大本営へ引き渡す。コイツが帰りたがる素振りを見せれば帰してやる。迎えが来る様だったらドンパチしても良いし渡しても良い」

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「その代わり、だ。お前らは雷撃訓練用プールの脇にテントを張って、そこで２４時間交代で面倒を見ろ。夜中も監視し続けるんだ、わかってるな？」「勿論よ！この子を今ここで雷撃処分するより何倍もマシだわ！」「なのです！」「ハラショー！」「よし、決まりだ」

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なんだろう、無駄足だった様な…「提督、あまり甘やかさない方が良いと思うんだが？」「意見具申認める。ちゅーことで、代表者ひとり、鎮守府の大淀に事情を説明しろ。ちなみに今鎮守府は非常事態営業モードだ」「うぅ…しれーかん…」「仕方ない…のです…」

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結局第六駆逐隊にイ級の子供を預けて、俺達は陸戦隊の車で来た道を引き返してる「良いのか？提督」「一旦明石に任せて内部構造その他諸々以外のデータ取らせて、その後は雷撃訓練用プールだ。ま、うちの連中なら何が来ても追い返せるさ」「だと良いんだが…」

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で、鎮守府に戻り、明石による検査が済んだイ級がプールに放されたわけだ「きゅう～♪」可愛い、可愛いんだが、これがあのイ級になるのか…「天龍、不安なのか？」「木曾、お前はアイツが魚雷や主砲をぶっ放す様なイ級に見えるか？」「ナシだな」「おい」

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午後１２時。うーん、気になってメシどころじゃねぇな…ん？あっ、今どうなってるかわからない奴は、ヒトマルマルゴー辺りまで俺のツイートを遡ってみてくれ

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午後１時。一応様子を見に行ったけど、第六駆逐隊は特に異常無しだった。異常があっても困るんだがな？

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午後２時。俺も提督も仕事に集中出来て無い。しょうがないと言えばしょうがないんだがなぁ…

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午後３時。こんな時でも金剛はティータイムと言って執務室へ…こっちのことをちょっとくらい考えてくれても良いじゃねぇか