【紫煙天龍】追悼・工藤俊作~敵艦を救助せよ~
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午後4時。いつもなら色んなとこに顔出して回る時間だけど今日は第六駆逐隊の様子を見に行って終了。提督も「ちょっと見張り台まで」とか言って別行動に…大丈夫かな…
2015-03-02 16:00:12あれから数時間、か…"ウウー!!"突然サイレンが響き渡り、続いて大淀の声が響く『鎮守府正面に空母ヲ級らしき影を発見!各自緊急時のマニュアルに従い落ちtちょっと!?提督!?"ザザッ"陸戦隊!例の物持って来い!出撃可能な奴らは集まれ!』
2015-03-02 16:15:03整備ドック脇の防波堤に何人か集まっている「提督!状況は?」無言で双眼鏡を渡される。覗いて見ると、確かにヲ級らしき奴がふらふらと彷徨ってる「天龍、アイツ、国際信号旗掲げてる」「…『救助活動中』?」「面白くなってきたな…サーチライトと照明弾持って来い!」
2015-03-02 16:20:07「司令官殿!例の物です!」「おう」陸戦隊が持って来たのは…!?「なんでバレットがここにあるんだよ!?」「上に無理言って配備させた。このくらいないとな、陸戦隊も緊急時に対処できねぇだろ?」「そうだが…」「サーチライト準備出来ました!」「よし、照明弾!ぅてぇっ!!」
2015-03-02 16:25:04照明弾が飛んでいき、パッと海上にまばゆい光が。それに反応してヲ級がこちらを向く「サーチライト班!モールスで『イ級の子供を保護している、イ級は無事だ』と繰り返し発信し続けろ!潜水艦以外の者は対空戦闘用意!」ヲ級との未知との遭遇か…
2015-03-02 16:30:04ふと。「提督。モールス且つ光でってのはわかる。アイツらに俺達の言葉がわかるのか?」「聞き取りや読み書きは出来なくてもある程度わかるだろ、暗号がバレた件なんかもあるし、某鎮守府のMO攻撃とか」「なるほど…平文でやってるのか?それ」「平文」「ならわかるか…」
2015-03-02 16:35:02メッセージが届いたのか、ヲ級の艦載機が飛んできた「司令官!撃ち落としますか!?」「待て秋月!白旗吊るしてるだろ!良く見ろ!」飛んできた艦載機には魚雷や爆弾どころか、機銃に白旗が吊るされていた。雷撃訓練用プールの上を飛び、ヲ級の方へ戻って行く
2015-03-02 16:40:09ヲ級がすぐそばまでやってきた。今までにない緊張感が漂っている「モールスで言ってやれ、『仲間は居るか、YESは首を縦に、NOは首を横に振れ』って」信号を送ってやると、ヲ級は首を横に振った「ヲッ、ヲヲ…」「んん…?」「モールス信号じゃねぇか?」「なるほど」
2015-03-02 16:45:06「もう一度頼むって伝えてくれ」「ヲッ、ヲヲ…」「えーと、『危害を加えるかどうかはイ級の状態次第だ』ってさ」「イ級連れて来い!早く!イ級ならエクセターの乗員並みの待遇で元気にしてるって言ってやれ」「…ヲヲ♪」喜んでる…のか?
2015-03-02 16:50:07雷がイ級を抱えて走って来た。ヲ級を見るなりイ級が雷の腕の中からパッと飛び出してヲ級の胸に飛び込む「きゅっ!!」「ヲッ…」なんだろう、迷子の犬が飼い主と再会したとか、そんな光景だな…
2015-03-02 16:55:06「ヲッ、ヲッ…」「えーと…『何故殺さなかった?』とさ」「不要な戦闘と殺生を避けた、それが大日本帝国海軍の流儀だからだ」「…ヲッヲッ…」「『感謝する』だとよ」軽く会釈をして、ヲ級はこちらに背を向けて海へ向かう「待て!ヲ級!」提督が不意に叫んだ
2015-03-02 17:00:09「ヲ級!お前らは結局何がしたいんだ!?」「…」返事は無く、ヲ級の目が点滅した「…モールスだ。『次に会うのは戦場だ。今回はこの子を迎えに単独且つ無断でここまで来た、だから何もしない。だが戦場では容赦しない』だと」それだけ伝えてヲ級は沖へ去って行った
2015-03-02 17:05:09…よくわからん相手だ、何がしたいかわからねぇ「天龍、おれ疲れた、早くメシが食いたい」「俺はたばこ吸いてぇ…」「よーし!通常営業モードに戻るぞ!ご苦労だった諸君!」「あっ、提督は報告書作ってから、な?」「ふえぇ」「ふえぇじゃねぇ!」
2015-03-02 17:10:08スラバヤ沖海戦、か。なんでだかよりによって、この日だけは去年も今年も…何はともあれ、どうせ戦うなら卑怯な真似して勝つより、正々堂々戦って勝ちたいな。さて、メシまでどうしよう…仕事って感じじゃなくなっちまった…
2015-03-02 17:15:04<<報告書>>
平成二十七年三月二日十時頃、対潜哨戒中の第六駆逐隊が深海棲艦と思しき艦影を捕捉。接近した結果、駆逐イ級の幼体と判明。
当鎮守府ではこれを捕獲、体長等を計測、敵意が無いと確認した上で鎮守府敷地内にて一時保護。保護中は第六駆逐隊の監視下に置いた。
尚、深海棲艦出現の第一報に伴い鎮守府と現場、それぞれを中心とした半径500m圏内を陸戦隊と艦娘により一時封鎖。安全を確認したと同時にこれを解除した。
同十六時十五分頃、鎮守府正面沖合に空母ヲ級を確認。同艦が国際信号旗にて救助活動中の意志を示していた為、鎮守府内にて保護中の駆逐イ級を捜索中と判断。サーチライトによるモールス信号にて交信を試みる。
同十六時四十五分頃、空母ヲ級と接触。この時我々はサーチライトによるモールス信号の内、日本語の平文を使用して会話をすることに成功した。
会話の結果、ヲ級は鎮守府にて一時保護中だったイ級の捜索中だったと判明。イ級を引き渡した所、こちらへの攻撃等は特にせず沖へと去ってしまった。
彼女の言う通り、海へ出てしまえば深海棲艦達は我々の敵である。
しかし、意思疎通が出来る以上、必要の無い殺生は例え深海棲艦相手であれ無意味と言えるのかもしれない。
今回は鎮守府と周辺の住民への影響を考えて以上の通りの対応を行った。
今回の事件が他の鎮守府・泊地・警備府等の警備態勢その他への参考となることを願う。
>おまけ
鳳翔の店に来てみた…ら、提督が牛乳パックと角のボトルを抱えてこの世の天国と言わんばかりの表情で潰れている。そっとしておこう
2015-03-02 19:15:07「ウイスキーの牛乳割以上に飲みやすくて美味い酒は知らない。カルーアミルク?アレはただのコーヒー牛乳」
by提督