定点観測~飯舘村・山津見神社
飯舘村の山津見神社が焼失し、宮司の奥様が亡くなられて、あと1週間でまる2年。年を取ると月日が流れるのが早くなるというが、私にとってこの2年、いや4年は、とてもとても長かった。
2015-03-25 00:16:20帰郷して、車を走らせる度に驚く。主要道路を走る大型トラックやダンプカーの数の多さに。お昼時コンビニに立ち寄れば、作業着姿の人たちが、レジ前に列をなしている。店員とのやりとりでは、西日本のイントネーションも聞こえてくる。
2015-03-25 23:35:35彼らはそこで、どことなく遠慮しているように私には映る。地元の人を気遣ってのことか。県外からの出稼ぎ労働者が多いと聞く。コンビニの駐車場で、弁当を頬張る人や煙草を吹かす人、スマホに見入る人など、車内で寛ぐその姿は他地域と変わりない。
2015-03-25 23:35:47彼らも数年後には、オリンピック特需で賑わう東京へと向かうのだろう。彼らが在福中に抱く福島の印象、思い出とはどんなだろう? 来週からふくしまDCが始まるわけだが、福島の裏側を知る彼らにこそ、福島の良いところを知ってもらいたい気もする…。
2015-03-25 23:36:07そして、痛ましい火災から2年目の4月1日をむかえます・・・
2年前の今日4月1日、午前3時40分頃、飯舘村・山津見神社の宮司宅から出火し、拝殿と社務所が全焼。宮司の奥様が亡くなられた。 ※写真は福島民報4月2日版より pic.twitter.com/aU4fy6sCeR
2015-04-01 01:49:26拝殿が紅蓮の炎に包まれる3週間前の3月11日(東日本大震災から丁度2年)に参拝したばかりだった。そこで、今は亡き奥様と、最後の会話を交わしたことを覚えている。あの時私は、社務所内で奥様とストーブを囲んでコーヒーをすすりながら、引き戸越しに境内を眺めていた。
2015-04-01 01:49:52その席にいいたて全村見守り隊の2名もいたのだが、程なく彼らは任務に戻り、別段用事のなかった私だけ居残った。 ※写真は2012年1月3日の山津見神社境内。奥に見えるのが拝殿、その左手が社務所 pic.twitter.com/EelawniXf1
2015-04-01 01:50:28私「まだ寒いですけど、これからだんだん暖かくなってくるんでしょうね」 奥様「ええ。私は花がとても好きなので待ち遠しいです」 私「そうですか。境内の桜は今年もきっと美しく咲き誇ることでしょう」 奥様「そうですね。でも、日中はいいんですけど、夜になるととっても寂しいんですよ…」
2015-04-01 01:51:00それから3週間後にご当人がお隠れになるなんて…。山津見神社火災の第一に接したのは、たしかこのTwitterでだ。最初はエイプリルフールの戯れ言だと思った。2年前の3月11日、記念に撮った奥様の写真が、ご家族から遺影として扱われことになろうとは、無論思いもよらなかった。
2015-04-01 01:51:30あとふた月もすれば、新しい拝殿が出来上がる。その完成を誰よりも心待ちにしておられるのは奥様。疑うべくもない…。 ※写真は3週間前の3月11日に撮った再建中の拝殿 pic.twitter.com/YYp3di50zD
2015-04-01 01:52:07山津見神社の狛犬について。
先ずは、最初に出迎えてくれる対の方から。造形的には、秩父・三峯神社にある狼狛犬の影響が感じられる。因みに、吽形の背後にある建物は、2年前の4月に火災で焼失した社務所(兼住宅)。 pic.twitter.com/elBG7E5Qpg
2015-04-19 00:07:24奉納者は仙台の山津見神社参拝講。制作年代は記されていないが、恐らく昭和末期だろう。 pic.twitter.com/yXLhtoMoTA
2015-04-19 00:07:33宮城県丸森町の神社で狼の木像が発見されたというニュースをご記憶の方もいると思う。かつては、この社の北方にも、広く信者が分布していたことがうかがえる。
2015-04-19 00:07:38阿形には、福島県本宮の信者177名の印も。昭和41年旧10月17日に建立され、設計施工は福本栄さんとある。 pic.twitter.com/l9Q1GKSXuE
2015-04-19 00:36:55拝殿向かって右側の阿形のアップ。口の中にかすかに赤い塗料の跡が見える。白狼伝説に倣い、白みのの強い石材を用いている。また、かつては前身が白く塗られていたのかもしれない。 pic.twitter.com/mUYVpm1UXR
2015-04-19 00:37:15