自分用グランクレスト大戦SSまとめ

俺の俺による俺のためのSSまとめ。ログを遡るのが面倒になったため作成。
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皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

今度から斥候隊の編成にも気を配らねばな、と心に留め置きつつ馬を走らせること半刻程。ようやく戦場と思しき平原が近くなってきた。喧騒と金属同士のぶつかる高い音が聞こえてくる。丘手前にて馬を降り、姿勢を低くしながら丘を登ると、中規模の戦闘と言うには随分と規模の小さな部隊が見えた。

2015-02-15 02:37:05
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

すわ見間違いか報告違いか、と遠眼鏡を取り出し覗いてみると、成る程。確かにこれは中規模の戦闘であろう。邪紋使い同士が戦っている。所属は―お互いが掲げている旗を見る―同盟と、条約。双方味方ではないようだ。これが第一の確認事項。第二は、敵戦力の確認。双方とも手錬であろう。

2015-02-15 02:37:20
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

戦場は部隊同士の衝突というよりも、邪紋使いの人知を超える力のぶつかり合いと言ったほうが正しいような様相を呈していた。

2015-02-15 02:37:57
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

奇妙な、人の形すら捨て去っている巨大な鉤爪を振るう少女の邪紋使い(@captain_tiger)と、これまた奇妙な全身鎧を纏った青年(@fujii_akira_ika )が、双方風のような速さで相手に突撃していく。

2015-02-15 02:38:10
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

重い金属がぶつかり合う鈍い音が離れている筈の丘の上にまで届く。打ち合ったかと思えば、次の瞬間にはまた離れ、目にも留まらぬ速さで相手に突撃して行く。一合、二合、三合ほど打ち合った後に双方脚を止め、何やら言葉を交わし、また打ち合う。

2015-02-15 02:38:30
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

実力は拮抗しているようで、少女も青年も一歩も引かず、また部隊の士気も高いと見える。暫くは中規模の小競り合いが続くであろう光景を一通り眺めた後、見つからぬようにそそくさと丘の上を後にした。

2015-02-15 02:38:43
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

「いやはや、邪紋使いの力とは恐ろしい。一人で軍に匹敵するとは過言でも何でもないな。」 岐路にて部下達とそうぼやきあう。敵に回せば正に天災、味方にすれば一騎当千とは彼らの為にあるような言葉だ。

2015-02-15 02:39:01
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

何にせよ、先ほどの彼らは同盟と条約。我ら連合の与り知らぬ所で潰しあってくれるのならば、重畳以外の何物でもない。我が部隊は予定通りに進軍。ただし、あの邪紋使い二人の居る平原は慎重に迂回する事にしよう。我らには別の戦場で別の戦いが待っているのである。

2015-02-15 02:39:14
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

「だが、まあ、あれだ。先ほどの二人には戦場では合い見えたくは無いな。命が幾つあっても足りなさそうだ。」 了

2015-02-15 02:39:31

2/16分

皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

先頃は貴族の三男坊を拾って副官にこってりと絞られたりもしたが、三男坊自体は古参に『可愛がられ』ながらも着々と隊に馴染んできている。先日など小さな手柄を立て、「よくやった」などと古参共にもみくちゃにされながらも嬉しそうに笑っていた姿は記憶に新しい。

2015-02-16 01:12:55
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

さて、現在に話を戻そう。目の前には一人の老人がいる。しかも何やら武装―物は良い様だし、大切に手入れはされているが、如何せん年季物だ―している。年寄りの冷や水以外の何物でもないような気がするが、本人は至って大真面目なようだから尚更頭が痛い。

2015-02-16 01:13:09
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

そして嫌な予感ほど良く的中するもので、この老人、なんと我が部隊に同行したいと申し出てきた。いや待て爺さん歳を考えろ。よく考えた上で早く家へ帰れ。言いたい、実にそう言いたい。というかやんわりとした遠回りな言葉遣いでそう言った。だがこの爺さん、歳の割にはよく口が回る。

2015-02-16 01:13:23
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

「ご家族が心配されます故」などと言えば「何、心配するような家族ももう居りませぬ故」と返してくるし、「失礼ながら剣の腕も・・・」と言ってしまえば「腕は錆び付いておりましょうが、積んだ経験と頭の方は錆び付いてはおりませぬ」と何処吹く風。ええい面倒な。

2015-02-16 01:13:37
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

苛立ち紛れに何故にそんな歳で戦場に出たいのか、と聞いてみたのだが、これがいけなかった。

2015-02-16 01:14:01
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

「先程も申し上げましたように、この老いぼれを看取ってくれる家族ももう居りませんし、残る財も小さな屋敷とこの武具と馬だけとなってしまいました。」 ほんの少しの寂寥を滲ませた声で老騎士は語る。

2015-02-16 01:14:14
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

「既に守るべきものも無くしたこの身。戦場で刃の露と消えようとも、後悔も未練もありませぬ。どうか、貴殿の部隊で最後に一花咲かせさせては貰えぬだろうか。」

2015-02-16 01:14:30
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

結局爺さんに押し切られ―絆された訳では無い。断じて無い―、爺さん連れで部隊に合流した。勿論副官に再びこってりと絞られることになったのだが、連れてきてしまったものは仕方がない。ともあれ、また部隊が賑やかになった訳だが、さてどうなる事やら。 了

2015-02-16 01:14:48
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

そんなこんなで《年老いた元騎士》編入話でござる。カノッサ君は実は人情話と押しに弱い、そんなお話。 #そんなんだから苦労するんだよ

2015-02-16 01:17:04

2/18分

皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

何やら非常に暑苦しいやり取りが目の前で繰り広げられている。可笑しいな、ここは劇場か何処かだろうか。 #グランクレスト大戦SS

2015-02-18 01:04:23
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

目の前で繰り広げられているのは喜劇の演目で、俺はそれを眺めて笑っているのだ。きっとそうに違いない。などと現実逃避してみても、これは夢でも何でもなく、悲しいかな現実以外の何物でもない。

2015-02-18 01:04:46
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

劇場かと思ったここは戦場のど真ん中で、役者かと思った二人は悲しいかな、我が部隊の兵と敵軍の将である。事の始まりは敵軍の将が俺に対して一騎打ちを申し出てきた所から始まった。

2015-02-18 01:04:58
皐月@グランクレスト大戦用 @satuki_grancres

当然俺は断った。ここで勝てればいいが、万一倒れるような事があれば部隊は総崩れだ。戦略的にこの地点を突破されるのは如何ともし難いし、何より面倒だ。そうしたらどうだ、何をトチ狂ったか新入りが一騎打ちに名乗り出した。思わず変な声が出た。

2015-02-18 01:05:09
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