20150307 #ETV 特集「頑張るよりしょうがねえ~福島・南相馬 ある老夫婦の日々~」

東日本大震災から4年。若い世代を中心に人口が減り続ける被災地では、一気に高齢化が進み、近い将来にやってくる日本の超高齢社会を先取りした状況が生まれている。 そんななか、大きな問題となり始めているのが介護する側の人材不足だ。福島県南相馬市では、去年2月に大規模高齢者施設が開所したが、原発事故の影響で若い人々が急減したため、介護スタッフが集まらず、新規の入所希望者を受け入れられない非常事態が続いている。長引く避難生活で要介護となる高齢者が急増しているが、施設はどこも満床で、常に200人、300人待ちの状態。町は、行き場のない高齢者であふれている。 追い詰められた老人が、みずからに言い聞かせるように、つぶやく。 「頑張るより、しょうがねえ」。 はいかいを繰り返す認知症の夫を、仮設住宅で介護し続ける妻。 続きを読む
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NHK「ETV特集」公式 @nhk_Etoku

まもなくOA, ETV特集は「頑張るよりしょうがねえ~福島・南相馬ある老夫婦の日々~」。東日本大震災の被災地では高齢者を支える介護の人材不足が深刻な問題となっている。福島県南相馬市に暮らす老夫婦の姿を負いながら、介護現場の厳しい現状と取り組みを伝える。Eテレ23時。

2015-03-07 22:50:11
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 福島県南相馬市。桑折馨さん86歳。震災で家を失い、もう一度家を建てようとしている。妻タキ子さんは、震災後に体を崩してしまい、馨さんが老々介護状態。どの施設もお年寄りで一杯で、あずけることはできない。ベッドは空いているが、介護が人手不足。募集をかけても入らない。

2015-03-07 23:02:47
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 南相馬市の沿岸には、今も被害の爪痕が残る。暮らしのすぐそばに、除染で出た大量の廃棄物が積み上げられている。人口は7万から5万へ。

2015-03-07 23:04:49
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 2014年2月。馨さん、県が刈り上げた住宅を仮設住宅のかわりに提供された。家賃は無料だが、あと1年で出なければならない。妻タキ子さんは段差のある家の中で転倒し、寝たきりになり、入院。馨さん、元気だった頃のタキ子さんの日本舞踊のビデオを見て、寂しさを紛らわす。

2015-03-07 23:06:35
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 馨さん、毎日3往復して、タキ子さんのもとへ通う。タキ子さん85歳、1日の大半をベッドで横になって過ごす。馨さんが姿を見せると、少し元気になる。スタッフ「馨さんは優しいですか?」タキ子さん「優しい」馨さん「優しいって、2人しかいねえんだからな」

2015-03-07 23:08:47
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 息子の忠夫さん、両親の待つ避難場所へ行く途中で、津波にのまれた。息子の死がきっかけで、タキ子さんはうつ病に。タキ子さんが息子と死に別れるのは2度目。40歳の時、長男が20歳で事故死。腰の症状が落ち着いたら退院しなければならないが、馨さん一人で介護する自信はない。

2015-03-07 23:10:09
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 2月1日、近所の介護施設が規模を拡大。ベッドが58床→100床に増えた。馨さん、さっそくタキ子さんの入所を申し込むが、新たな入居者を受け入れられないという。拡大によって必要となった15人のスタッフを確保できず、増やしたベッドも使われていない。

2015-03-07 23:11:47
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 南相馬市では30の高齢者施設が稼働しているが、そのほとんどが深刻な人手不足。震災後、若い世代がごっそりと抜けてしまった。求人を出しても応募者が現れない。稼働している施設で、介護職は50人不足。馨さんが応募した施設では、すでに280人以上が入所待ち。

2015-03-07 23:13:39
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 馨さん「原発のせいなんだよ、みんな。みんな逃げていって、戻ってこねえんだもん。だから生活は成り立たねえってことだ、原発のせいで」

2015-03-07 23:14:16
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 別の施設では、原発事故後に12人が職場を去った。震災後に認知症と診断された81歳の男性、職員の目が行き届かなくなっていた中、二重のカギをあけて施設を抜けだした。その日、外の気温は0℃。職員総出で探し、2km先で発見。

2015-03-07 23:16:05
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 南相馬市は、自ら介護の人材を育てることにした。介護職養成講座。研修費15万円を市が負担する。しかし、昨年度受講した55人中、施設に就職したのは12人。受講者「これを機会に資格だけでもと思って」「この先役に立つことがあるだろうし」

2015-03-07 23:17:25
ほんのこ @shbttsy74

#ETV タキ子さんはまもなく退院する。介護施設はどこも一杯。借り上げ住宅で生活できるのはあと1年。馨さん、もう一度家を建てることを決意した。段差ありの借り上げ住宅では十分な介護ができない。農協の積立金を解約し、土地を購入。ここに、完全バリアフリー、平屋の家を建てる。

2015-03-07 23:18:39
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 図面を馨さん自ら引いた。「タキ子には、あなた専用の介護できる家を設計して作るんだから、がんばれよと。完成しないうちにあの世に行っちゃダメだよ、と。自分もその気でいるわけです」

2015-03-07 23:19:42
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 馨さん、整骨院に通い、いたんだ体を治すのが日課になった。家族を守るために長年酷使してきた体はボロボロ。「オレが参ったらどうしようもない。ばあちゃんはあのとおりだし。頑張るしかねえんだ。やりようがないんだ、頑張る以外

2015-03-07 23:20:54
ほんのこ @shbttsy74

#ETV タキ子さん、退院に向けて体力作り。症状が落ち着いてきたので、医師から在宅療養を勧められた。タキ子さん「家を建てたら、息子の遺影を飾って見ようかなと楽しみにしてたの。それまで生きようと思って、頑張ってるわけだ」しかし、心の傷は癒えていない。

2015-03-07 23:22:07
ほんのこ @shbttsy74

#ETV タキ子さん「なんにもない、息子も亡くしたから」泣くタキ子さん。

2015-03-07 23:22:59
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 馨さん「86歳にして、土地と家をすべてつくるというのは、並大抵のことじゃないんだよ。よほどしっかりしてないと。ここまで頑張ってきたんだから、家に入ることを考えて、頑張ってくれろ」タキ子さん「返事できねえ」馨さん「返事できねえことねえよ。頑張る、って」

2015-03-07 23:24:23
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 3月10日、タキ子さん退院。農協のホームヘルパーが住宅に訪問するが、来てもらえるのは朝昼の2回だけ。一人暮らしの老人など、優先しなければならないところがある。ヘルパーが来られない夜は、馨さんが夕食の介助。おかずはほとんど缶詰。時間のある時に買い込んでおいた。

2015-03-07 23:27:30
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 焼きしそ巻きがタキ子さんの好物。炊きたてのご飯に混ぜると食が進む。が、なかなか食べ始めない。首の痛みを訴える。「食べづらい」「どうすればいいの?」「起きればいい」「起こせばいいの?」「(テーブルが)高くて食べられねえ」体を引っ張りあげてほしいと訴える。

2015-03-07 23:29:18
ほんのこ @shbttsy74

#ETV しかし、馨さんも思うように力が入らない。タキ子さんの体を支えるために、背中にいろいろ置いてみるが、なかなか定まらない。悪戦苦闘40分、ご飯はすっかり冷めてしまった。このままでは、夫婦共倒れになってしまうのではないか。

2015-03-07 23:31:16
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 馨さん「ちょっと見当違いだったけど、だからって引っ込むわけにはいかない。寝たきりになったとしても、あの家さ入れなきゃと思ってるから」タキ子さん「死ぬほかねえんだ」馨さん「死ぬまで大変だべ」タキ子さん「しかたねえよ、こういう運命だもん」

2015-03-07 23:32:26
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 翌日、馨さんは津波で押し流された自宅の跡を訪ねた。堤防を突き破った津波は、一瞬で集落を飲み込んだ。「我々だって、今だって立ち直れねえよ。ひとつも復興してねえもん。頑張りたくねえよ、皆いれば家族が。誰もいないんだもん。二人きりだもん」

2015-03-07 23:33:45
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 4月1日。介護施設に新しく7人のスタッフが加わった。県内のグループ施設が応援を出してくれた。スタッフの増加で、タキ子さんもようやく入所できることに。馨さん、タキ子さんが入所後も、毎日欠かさず会いに来る。「ご飯食べられるようになったのか?食いたくねえの?ダメだよ」

2015-03-07 23:35:51
ほんのこ @shbttsy74

#ETV 南相馬市では、介護施設への入所を一人でも減らすべく、訪問リハビリを活用している。本来は、医師が常駐している施設でなければできないが、4ンエ前に施行された復興特区法により、理学療法士らだけで事業が可能となった。静岡出身の理学療法士、高野さん。志願してやってきた。

2015-03-07 23:37:14