仮面ライダー泥瑠渡エピソード「挿れるイントゥ・ザ・プシー

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産の光 @Sunlightshower

【仮面ライダー泥瑠渡エピソード「挿れるイントゥ・ザ・プシー」】

2015-03-04 20:10:05
産の光 @Sunlightshower

私がプリキュアより仮面ライダーの好きな子供だったのは、多分幼馴染の屹平くんのせいだと思う。 「ツボミがアンデッドに襲われても俺が変身して守ってやるよ」  ブレイドのお面を被り、幼稚園の吊りズボンのベルトにトランプを当てて5歳の屹平くんはそんなことを言っていた。 #1

2015-03-04 20:14:57
産の光 @Sunlightshower

「ツボミだってライダーに変身するもん!」 「女のライダーなんていねえし! 女はプリキュアだろ!」  自分から「プリキュアとかダセえし! ライダー見よう」と言ってきたくせに、当時の屹平くんは勝手だった。 「龍騎にはいたもん! 屹平くんのにわか!」  #2

2015-03-04 20:19:16
産の光 @Sunlightshower

「カード!」「あっ」  屹平くんの手からトランプを一枚ぶん取ると、私は洗面所の前まで走り、ポーズを取る。ファムに変身するためだ。龍騎とブレイド。設定は全然違う作品だけど、どちらもカードを使って変身するのだ。 「ヘシン!」「変身!」  当時の私たちはけんかの度に変身していた。 #3

2015-03-04 20:23:03
産の光 @Sunlightshower

5歳の私達にもそれがごっこ遊びなのはわかっていたけれど、いつかはきっと本当に、仮面ライダーになれると信じていた。その後平成ライダーシリーズは今に至るまで続き、色々変わったこともあるけれど、私たちは相変わらずライダーが好きで、私はもう、「変身」を夢見ることはなくなっていた。 #4

2015-03-04 20:28:56
産の光 @Sunlightshower

「そんな君に、変身のチャンスを与えよう」「え、えええーっ!?」  目の前の亀の口から出た言葉に、私は仰天した。  学校帰りの道端で見つけた傷ついた小さな亀。どこかから逃げ出したのだろうか。このままでは危ない。私はその子を家に連れ帰ったのだが、部屋に着くなり、喋りだしたのだ。 #5

2015-03-04 20:47:53
産の光 @Sunlightshower

「僕はロックシード、『ロック』と呼んでくれ。妖性王国の使者で、性の悪魔『サーキュイン』から世界を守る戦士『ディルドー』を探す役目をおおせつかっているんだ」  ロックと名乗るその亀は、プリキュアの妖精みたいなバッググラウンドを語り出した。つまり、私がその「ディルドー」に……? #6

2015-03-04 20:53:25
産の光 @Sunlightshower

「なんで私……? 私、普通の女の子だよ? 魔人でもないよ……?」 「プリキュアだって普通の女の子じゃないか。ディルドーになれば、肉体は強化される。ディルドーの素質は、その優しさと、何より君が放つその絶大なリビドーオーラだ」 「リビドーオーラ……?」 #7

2015-03-04 20:56:53
産の光 @Sunlightshower

「リビドーオーラは雌雄のある生物が持つ性のエナジーだが、人間は精神が発達したことでより濃いオーラを溜め込めるようになった。サーキュイン達はそれを狙っているんだ」 「私は、それが多いの?」 「ああ。この枕や机の角の残留オーラだけでも、サーキュイン数体の腹を満たせーー」 #8

2015-03-04 21:05:37
産の光 @Sunlightshower

ボッと顔が熱くなり、気づくと私は彼に上から枕を押し付けて口を塞いでいた。 「やはり凄いオーラだ」 「わっそうだ! 枕じゃ……」  そばの鞄に手を伸ばした時ーーゴンッゴンッ! 窓ガラスを叩く音がした。 「壺蜜(ツボミ)、いる?」 「き、屹平くん!」 「オーラが高まったな」  #9

2015-03-04 21:12:18
産の光 @Sunlightshower

「しゃ、喋っちゃダメだよ……」  彼に小声で言うと、顔の火照りが落ち着くのを待って、私は窓を開けた。 「こ、こんばんは」 「こんばんは」  日に焼けた顔の男の子がそこにいた。亀頭屹平くん。隣の家に住む幼馴染だ。小さな頃からよく、屋根伝いに互いの部屋を行き来していた。 #9

2015-03-04 21:20:07
産の光 @Sunlightshower

「LINE見たけど……ツボミが言ってた亀、とりあえず水槽と、買い方の本持ってきた」 「あ、ありがとう」  屹平くんの家では昔亀を飼っていたので、拾った時に訊いたのだ。まさかあんなエッチな妖性とは知らずに。 「俺んちで飼ってもよかったんだけど、今は別なのがいるんだ」  #10

2015-03-04 21:32:55
産の光 @Sunlightshower

水槽のお礼を言って今日は別れる。屹平くんが何を飼っているのかーー気になりはしたけど、それ以上触れなかった。聞くと当然流れで 「なんだ、私の亀を見せてあげるからアナタの亀も見せて♡ とか言えばよかったのに」 「そういうこと言いそうだから見られたくなかったの!」 #11

2015-03-04 21:38:16
産の光 @Sunlightshower

「それにしても、あの少年……」 「屹平くんが、何……?」 「いやーー」  しばしの沈黙のあと、彼はまた口を開いて言った。 「それでツボミ、ディルドーになってくれるかな?」 「え、ええと……『変身』出来るの……?」 「変身? ああ、戦う時は姿が変わるよ」 #12

2015-03-04 21:51:46
産の光 @Sunlightshower

「変身、かあ……」  幼い頃から憧れ、いつしか諦めていた言葉。戦うのは怖いし、エッチなエネルギーで戦うというのはちょっと恥ずかしいけど、変身できるのは魅力的だった。 「どんな感じで変身するの?」 「どんな、とは?」 「カードを差し込むとか、メモリを挿すとか……」 #13

2015-03-04 22:07:53
産の光 @Sunlightshower

「ああ、それはーーーー」  鈴口から漏れる「変身」の内容に、私の赤くなっていた頬はどんどん青ざめていった。 「絶対嫌だ!!」「君には素質があるんだぞ?」「あっても無理!!」「変身時全裸になる女の子は珍しくないだろう。それに比べればーー」「そっちのがマシだよ!!」 #14

2015-03-04 22:11:43
産の光 @Sunlightshower

結局、その日はディルドーになることを拒否したまま、私は眠りに就いた。 「自慰はした方がいいぞ。オーラは日々高めるべきだ」「君がいるから出来ないんでしょ!!」 #15

2015-03-04 22:18:46
産の光 @Sunlightshower

「ここが希望崎学園か……」「知ってるの? ロッくん」  ロックーーロッくんは鞄から少しだけ顔を出し、周囲を見回す。無駄に可愛い。 「リビドーオーラは性的に昂ぶる年代……つまりは思春期に最も高まる。或いは、女性の30代後半とか」 「その補足はいらなかったと思うな……」 #16

2015-03-05 07:04:39
産の光 @Sunlightshower

「しかも、ここは希望崎学園。淫魔人も大勢いるこの学び舎では、通常の学校より遥かに濃いオーラが充満している」 「そ、そうなんだ……」  そう聞くと自分がそこにいるのがちょっと嫌な感じがする。 「因みに君の部屋はこれよりオーラが濃……痛い痛い! ファスナーに挟まる! 皮が!」 #17

2015-03-05 07:05:09
産の光 @Sunlightshower

「ツボミ、亀の頭は慎重に扱ってくれ」「ふん」「まあいい。今大事なのは、オーラが濃いとい空間は……『サーキュイン』達の絶好の餌場ということだ」  だからいつでも変身できるように、と鞄に潜り込んで学校までついてきた、ということらしい。散々拒否したというのに、困ったものだ。 #18

2015-03-05 07:12:48
産の光 @Sunlightshower

「今言ったように、いつ『サーキュイン』が襲ってくるかわからないんだぞ?」「そんなこと言われても……」見たことも聞いたこともない怪物の脅威を訴えられても、いまいち現実感がわかない。それと戦えなんて言われても……。 「そういえば、あの少年に連絡は出来るかい?」「屹平くん?」 #19

2015-03-07 19:22:58
産の光 @Sunlightshower

「出来るけれど、昨日も気にしてたよね? どうしたの?」「それは……ムムッ!」ロッくんが呻きに似た声をあげると、甲羅から出たその首を大きく持ち上がり、全体にグロテスクな青筋が走り、まるでいきり立った男の人のアレのように変貌したのだ。「な、何?」「『サーキュイン』反応だ」 #20

2015-03-07 19:28:00
産の光 @Sunlightshower

「ええっ!?」「行こう! つぼみ! 」「う、うん!」変身を拒否していたはずなのに、ロッくんを手に私は走り出していた。亀を手に走る女子。傍目には絶対おかしい。ロッくんの案内に従い走った先ーー普段は人気のない旧校舎付近には、とんでもない光景が広がっていた。 #21

2015-03-07 19:36:17
産の光 @Sunlightshower

「き、屹平くん!」「つぼみ! 何でここに!? 来るな!」屹平くんが怪物に襲われていた。地面から生えた巨大なイソギンチャクみたいな下半身に裸の女の人の上半身。下半身と頭からは触手が長く伸び、屹平くんの全身に絡みつく。さらに、足下には何人もの男子生徒が下半身裸で転がっていた。 #22

2015-03-07 20:22:24
産の光 @Sunlightshower

「おやおや、凄いリビドーオーラの持ち主がまた……人間界に来て初日でこれとは、ずいぶん幸先いいね……」私の方に視線を向け、その怪物は語りかけた。ロッくんに言われなくてもわかる。これが……サーキュイン……。「サキュバスの私じゃ女の精は絞り切れないが、淫魔界へのいい土産になるね」#22

2015-03-07 20:28:08