@sugech さんによる光より遅くのわかりやすい遊び方講座

django（中村俊也／ウィルダーネス・エンカウンターズ発売中！） @django88628676

メッセージを送り合う、そしてプレイ中に他の人宛のものは読めない『光より遅く』の面白い点には、伝達遅延だけでなく、「複数視点で並行した複数の物語が展開する」こともあるかもしれない。プレイ後に確認すると、メインストーリーラインらしきものも発見できるが、それだけが生成されるわけではない

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例えば前回のプレイで僕は“発狂する宇宙”の中、その本筋とも言える恋愛を巡るいざこざにまったく関係していなかった。ただそこで飛び交う言葉とそのイメージに引きづられて、不幸な最期を遂げることになった（そのようにプレイした）だけで…

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もし『光より遅く』が毎ターンのメッセージが全公開であったら、本筋に絡めなかったことを後で残念に思ったり、そうならないために、自分から絡もうとプレイするかもしれない。しかし、そうしたくても他の人の状況がつかみにくく、個別メッセージも遅延していくこのゲームでは、それは不可能なのだ

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逆に言えば『光より遅く』では、物語本筋に参加しなくては！というプレッシャーから開放されている。他の人から分離され、孤独に遠ざかっていくことが余儀なくされているからこそ、自分だけが目の当たりにする物語を、怯むことなく展開できる。そしてそれぞれ個別の物語が、通信を介して交差する

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同ラインに乗っていない複数の物語の交差は時として、奇妙な効果を発揮する。各人がそれぞれの物語に乗っているので、送り合う通信内容は、受信者には予測もつかないことが多い。送信者は意図しないのに、受信者にとっては神がかりに印象の強い内容が届くこともある。それが伝達遅延で頻度もアップする

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前回のプレイで僕は、そのプレイ中には“発狂”の本筋を知らずにいた。後で確認すると、一方のスミノさんは本筋に近い恋愛いざこざの渦中にいた。そのいざこざとは無関係な僕に、合間を縫ってスミノさんは「移民によさそうな惑星がある」と親切にも“発狂”していない通信を送ってくれたのだが…

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…その通信が僕の手に届いた時には手遅れだったw 本筋を把握できないながらも、他の人の通信に影響を受けた僕は、その直前に「自分の移民船団は崩壊する」方向へと舵を切ってしまっていた。後2ターン、いや1ターン前にその情報が届いていれば！

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別のプレイでも、みんながピンチの事態であわてて通信を送っている最中に「すき焼き食べるのに卵が見つからない」という、のんびりした通信が（遅延して）届けられるとか、個別の視点で並列展開しているからこそ起きる面白現象があった。同時に起きている物語は実際のところ、どれが本筋とか優劣がない

ひげ くまごろう@おくやんおこやん大好き @kumagoro_h

光より遅く。個人的には、最後の手紙以外は公開したい派。断片的だった物語が一気に噴き出してくるのが素敵だから。