Final Statue Fantasy 1

原作:Sekikumo氏 翻訳:かものはし氏(@kamomoo
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かものはし @kamomoo

★★★ リザルト ★★★ ローザ / リタイヤ。大理石の裸婦像と化す。 リディア / 生存。しかし何らかの魔法の影響下にある。 ポロム / 生存。しかし何らかの魔法の影響下にある。 ★★★ 1-2 ★★★

2015-03-13 07:53:53
かものはし @kamomoo

【石化】Final Statue Fantasy【物語】 >> 1-3 玉座の間 sekikumo.deviantart.com/art/Final-Stat…

2015-03-13 23:55:48
かものはし @kamomoo

「あの娘たち急に仲良くなっちゃって…。お前の仕業ね、ムラサキ?」魔王アズラは気怠げ、従者にを視線を向ける。思いがけず始まった展開に、城の主は少々不満のようだ。24

2015-03-14 00:00:15
かものはし @kamomoo

「はい、余興でございます。あの二人はわたくしの魔法、"ラブミスト"の術中に囚われました。いま彼女たちは情欲の虜となっていることでしょう」サキュバスの矜持を込めて、ムラサキが説明する。しかしアズラの返事はそっけなかった。「その趣向、本当に必要なの?」25

2015-03-14 00:05:04
かものはし @kamomoo

「何をおっしゃるのです、ご主人様!ロマンスこそ宴を盛り上げる最高のエッセンスではございませんか!美少女が美少女を愛する、そんな石像をあなた様が熱心に集めていることを、わたくしはもちろん存じ上げております!」興奮気味にムラサキが答える。26

2015-03-14 00:08:46
かものはし @kamomoo

サキュバスは大げさにかぶりを振ると、部屋のとある一角を指差した。その場所には、同性愛の快楽をその身に塗り込まれた、いくつもの女性像が飾られている。従者の激しい主張に、主は呆れ気味に口を開く。「あーわかったわ。お前はくわしいわね…」27

2015-03-14 00:14:55
かものはし @kamomoo

「さっきの二人がどんな最後を迎えるか、興味はある。それに残りの勇者たちの結末もね。好きなようにするといい、最後まで付き合うわ」魔王は寛大に言い放つ。「お任せください。ふふ。それでは次のゲームをご覧ください」サキュバスは水晶玉に手をかざす。その表面に波紋が広がっていき…。28

2015-03-14 00:19:03
かものはし @kamomoo

【石化】Final Statue Fantasy【物語】 >> 1-4 地下洞窟 sekikumo.deviantart.com/art/Final-Stat…

2015-03-14 12:48:21
かものはし @kamomoo

「クソっ、わけがわからん。一体どこなんだここは?というか、この服、どうなってるんだ!」元海賊の少女——現タイクーン国第一王女であるファリスが荒っぽくまくしたてる。彼女はざっと付近に観察した後、はたと気づいたのか、自分の服装に目をとめた。30

2015-03-14 12:55:26
かものはし @kamomoo

魔法剣士の装束は、彼女が所持する衣装の中でもとりわけ女性らしい艶やかさを備えていた。魔法剣は大変強力なアビリティである。しかしその能力を引き出す装束があまりに扇情的であったため、この男勝りな少女はいつも頭を抱えていた。31

2015-03-14 13:00:41
かものはし @kamomoo

「うう、姉さんはまだいいわ…。私なんてこんな格好よ?は、恥ずかしい…」ぶつぶつと文句を言う姉に、タイクーン国第二王女のレナが口を挟む。彼女もまた自分の姿に困惑していた。32

2015-03-14 13:05:24
かものはし @kamomoo

髪を飾る一輪の白薔薇。深いスリットの入ったドレス。大胆に露出した太もも。大きく開いた胸元。踊り子のジョブは卓抜した特技を持つものの、その格好——布面積の少なさがレナの悩みの種であった。33

2015-03-14 13:10:35
かものはし @kamomoo

「そうかなぁ、みんな可愛いとおもうけど」三人目の少女、バル城の王女——クルルは快活に声を上げる。彼女は青い忍者装束に身を包んでいた。ポニーテールにした金髪に手裏剣を模したヘアピンが添えられている。彼女は最年少であったが、この中では最も落ち着いているようだ。34

2015-03-14 13:15:22
かものはし @kamomoo

「フン、海賊とはな、恐怖の象徴のことだ!可愛い?そんな姿で海にでられるかよ!」ファリスが声を荒げると、妹が呆れ気味に言う。「ちょ、ちょっと姉さん?あなたお姫様なのよ?もう少し女の子らしいこと言えないのかしら…」35

2015-03-14 13:21:22
かものはし @kamomoo

「うるさいなあ、おれの海賊魂は不滅なんだよ!お前こそ、自分の姿をよく見てみろよ。"お姫様"が、そんな派手な格好するか?海賊だって同じさ。似合わない女の服なん着ないの!」姉妹の不毛な口論は終わる気配がない。36

2015-03-14 13:26:03
かものはし @kamomoo

クルルは一人、周囲を調べていた。ここは洞窟のようだ。彼女たちのいる場所を囲むように、対岸に向かって湖が広がっている。その奥には洞窟の出口が大きく口を開けていた。すぐ近くに小さな漕ぎ船がポツリと停まっている。湖を渡るには、これを使うしかないようだ。37

2015-03-14 13:31:40
かものはし @kamomoo

「海賊さま、あの船を使えば、この洞窟から出られるみたいなのです。どうかわたし達を、向こう岸まで連れて行ってくれませんか…?」クルルの懇願に、元海賊少女が返事をする。「ふーんあれか。だいぶボロいけど、まあ大丈夫だろう。嗚呼、久しぶりの航海。海賊の血が騒ぐなぁ…!」38

2015-03-14 13:37:23
かものはし @kamomoo

「はいはい…じゃあ姉さん、はやくボードを出しましょう。どうもこの場所、好きになれないわ」三人は漕ぎ船に乗り込む。ファリスは櫂を手に取り、対岸に向かって漕ぎ始めた。水面からはいくつもの岩が突き出ていたため、彼女は慎重に舵を切った。39

2015-03-14 13:42:56
かものはし @kamomoo

湖の中ほどに差し掛かると、彼女たちの視界に奇妙な風景が映る。水上へ、小島ほどの大きさがある岩石がせり出している。とりわけ彼女たちの目を引いたのは、その岩棚に並んでいる物であった。そこには数多くの石像が蓄積されていたのだ。40

2015-03-14 13:55:58
かものはし @kamomoo

「不気味ね…どうしてあんな沢山石像が?悪い予感がするわ。姉さん、急ぎましょう」レナが不安げに顔をしかめる。「言われなくてもやってるよ。さっさと進むぞ。それに——」ファリスの言葉は途中で遮られた。SPLASHHHHH!その瞬間、水が爆ぜるけたたましい騒音が大気を揺らした。41

2015-03-14 14:02:24
かものはし @kamomoo

突如、湖の中から奇怪なシルエット——ヌラヌラと粘液に濡れた巨大な何が飛び出した。濃い闇の中を何かが蠢いている。一呼吸置いて、三人はようやくその正体を看破した。それは醜悪にのたうつ、一本の触手だった。42

2015-03-14 14:09:05
かものはし @kamomoo

「わわっ、な、何アレ!」「はっ、こんな雑魚、相手にならないぜ。細切れにしてやる!」ファリスが短く詠唱する。剣をかざすとその刀身がバチバチと帯電をはじめた。レナは短剣を抜くと鋭く構えた。踊り子にとって安定しない小舟の足場は相性が最悪だった。一方、クルルは… 43

2015-03-14 14:15:07
かものはし @kamomoo

「や、やだぁっ。このっ…離してよぉ…っ!レナっ!ファリスっ!助けてぇ!!」姉妹が同時に振り返る。いつの間にか、ボート後方で新たな触手が身をもたげていた。それはクルルの身体をすくいあげると、その幼い胴体にきつく締め上げ、宙づりにしてしまった。44

2015-03-14 14:19:42
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