漫画家・マツリセイシロウが語るヤンキー漫画の構造

本人いわく、番長漫画とごっちゃになったそうですが 個人的に面白かったのでまとめてみました。 講談社系と秋田書店系と少年画報社系で いろいろと区別が付けられそうですね。
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マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

あとヤンキー漫画『ドロップ』について。原作は知らんけど、これはこれでリアルにヤンキーの気質を表してる。特に序盤、主人公が『仲間』に溶けこんでいく様子。

2010-12-16 05:46:12
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

主人公は漫画でしかヤンキーを知らないので、根本的なヤンキー同士の不文律が分かってない。初期の仲間内でのゴタゴタは、ほとんどそこに起因するところとか。

2010-12-16 05:47:19
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

ヤンキーの不文律を一言で言うなら、『仲間の外側の敵に対しては卑怯なケンカや騙し討ちは許されるが、仲間相手の揉め事では正々堂々と争わねばならない』ということ。主人公はそれがわかってないから仲間同士の揉め事で、後ろから蹴る、不意打ちをするなどの外側のケンカの流儀を持ち込む。

2010-12-16 05:50:47
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

そうやって仲間内での地位を確保しようとする主人公に対してヤンキー仲間のリーダーは制裁を下すわけだが、主人公は何故自分が制裁対象になったのかが分からない。リーダーも説明しない。それが不文律の不文律たる所以なのだが、まあ言われなきゃ分からんよね。普通は。

2010-12-16 05:53:42
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

主人公と仲間の間に走った亀裂は、後の外側の敵との抗争で主人公が『卑怯に振舞う』ことによって埋められるわけだが、それも『手柄を立てた』という空気によって修復されるのであって、相変わらず主人公は制裁の理由が何であったかを理解した風はない。

2010-12-16 06:01:00
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

ただ制裁を受けたという経験は残るので、『卑怯を身上とする者であっても、身内に対して汚いケンカを仕掛けたら殴られる』ということは刻まれる。不文律を知り、仲間に貢献したことで主人公がヤンキーとして成長した証とする。非常に上手い。

2010-12-16 06:05:34
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

ヤンキー漫画におけるケンカの正当性とは、不文律に対する反逆を拳でもって諌めるかどうか。主人公が諌められる側に回るヤンキー漫画は珍しい。

2010-12-16 06:09:20
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

自覚的にヤンキーの不文律を描いた点において『ドロップ』は革新的。ヤンキー漫画を描こうとするなら間違い無く読むべき。(俺は描かない)ある意味、クローズ、ワーストよりも教科書的。

2010-12-16 06:11:54
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

あとリアルなのは『腕力は無いので、窃盗技術によって仲間に貢献する』タイプのキャラ、ルパンが居ること。ネタバレだが、巻が進むとこいつは警察に捕まって鑑別に送られる。ヒーローになることはない、しょぼすぎる立ち位置。実質たかられているのと何もかわらない。

2010-12-16 06:20:44
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

仲間内では最も高いリスクを背負っているのに全く自覚がない。利用されるだけされてポイである。こういう奴は居る。たかられた方が被害者になれるだけまだマシかもしれん。

2010-12-16 06:22:55
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

ヤンキー漫画の伝統的な文脈は個人戦→小集団の形成→小集団同士の抗争→大集団の形成→大集団同士の抗争、この繰り返し。面白いのはここまで。あとは大集団同士の抗争が何度も繰り返されるから飽きて終わる。

2010-12-16 06:36:00
PAN太 @panta_rhei2004

『水滸伝』以来の伝統です。 RT @maturibooo: ヤンキー漫画の伝統的な文脈は個人戦→小集団の形成→小集団同士の抗争→大集団の形成→大集団同士の抗争、この繰り返し。面白いのはここまで。あとは大集団同士の抗争が何度も繰り返されるから飽きて終わる。

2010-12-16 06:39:22
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

確かにそうかも。その視点はありませんでした。 RT @panta_rhei2004: 『水滸伝』以来の伝統です。 RT @maturibooo: ヤンキー漫画の伝統的な文脈は個人戦→小集団の形成→小集団同士の抗争→大集団の形成→大集団同士の抗争、この繰り返し。

2010-12-16 06:41:23
かぶと虫☆二郎 @kosa68

@maturibooo 動きのない漫才が繰り返されて飽きられて終わったビー●ップもあります

2010-12-16 06:38:37
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

ヤンキーのサザエさんみたいな感じで、殺伐としている誌面の癒しを担っていたような気がするw RT @kosa68: @maturibooo 動きのない漫才が繰り返されて飽きられて終わったビー●ップもあります

2010-12-16 06:40:11
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

ただ意外とチャンピオンはヤンキー漫画の伝統的な文脈を外してきてんだよなー。なのに古いイメージで見られることが多い。不思議。

2010-12-16 06:43:18
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

あーでもここまで書いてて思ったけど、俺ヤンキー漫画と番長漫画をごっちゃにしてんなー

2010-12-16 06:55:13
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

分かりやすく言うと『番長漫画=本宮ひろ志、ヤンキー漫画=きうちかずひろ』なのか?少年誌と青年誌で並列になってない気がするが。とりあえず『コーマン』は必須

2010-12-16 06:57:16
ENDER(セカオワとは無関係) @ENDER0413

@maturibooo 私は「喧嘩の強さが社会的なステータスになる世界観の漫画(もしくは喧嘩の強さで体制に逆らう漫画)」が「番長漫画」「喧嘩の強さで評価されるのが高校時代だけという世界観の漫画」が「ヤンキー漫画」と区分してます。

2010-12-16 07:09:03
マツリセイシロウ@sudekuma @maturibooo

なるほど! RT @ENDER0413: @maturibooo 私は「喧嘩の強さが社会的なステータスになる世界観の漫画(もしくは喧嘩の強さで体制に逆らう漫画)」が「番長漫画」「喧嘩の強さで評価されるのが高校時代だけという世界観の漫画」が「ヤンキー漫画」と区分してます。

2010-12-16 07:09:48