「我が軍」発言をめぐるぱんでくてん氏の解説

安倍総理が「我が軍」と発言したことが一部メディアと界隈で話題になっていますが、この発言はそもそも問題なのか、問題だとしたら何が問題なのかをぱんでくてん氏( @pandecten )が解説してくれました。資料は順次追加予定。
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ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

@pandecten 『陸海空軍その他「の」戦力』に訂正。「その他の」となる場合、陸海空軍は戦力の例示であることを示す。

2015-03-26 11:17:16
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

また、自衛隊がある種の軍隊であり得るかどうかということ、そして仮にある種の軍隊であるとして、そのような実力組織が憲法上保持を禁じられている「陸海空軍その他戦力」に該当するかどうかは、この発言の是非と別の問題であり、混同することはできない。

2015-03-25 14:54:49
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

そもそも「我が軍」だけでは、自衛隊を軍隊と認めたと言えるかどうかに疑問もあるが。一般的・抽象的な意味である種の武装集団を軍と呼ぶことはあるし、例の佐藤答弁の直後に、増田甲子七が「軍の機密」と発言し、佐藤はそれを一般的・抽象的な話と弁解していたこともあった。

2015-03-25 14:46:26
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

「わが軍」答弁、問題ない 野党批判に官房長官 - スマホ版 - 47NEWS(よんななニュース) 47news.jp/smp/CN/201503/…

2015-03-25 14:58:35
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

自衛隊がある種の「軍隊」であることには疑いがないので、残るはやはり「戦力」該当性の問題となろう。ある種の軍隊全てが「戦力」に該当する場合には、自衛隊を違憲となるであろうし、国家の実力による侵害排除は不可能と考えることになる。

2015-03-25 15:08:19
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

文民警察による侵害の排除は武力紛争法上は不可能である。合法的に警察機関が敵対行為を行い得る場合は、警察機関が軍隊に該当する場合と、警察機関が武力紛争時に軍隊に編入される場合しかない。

2015-03-25 15:19:01
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

文民警察が武力紛争時に可能な活動は、「法及び秩序の維持」のみを目的とする活動だけであって、敵国に対する敵対行為(敵の軍事的利益を毀損する行為)はできない。そのような敵対行為に直接参加した場合は文民としての保護を失い、敵国から刑事責任を追及され得る。

2015-03-25 15:24:20

資料:国際人道法上の敵対行為への直接参加の概念に関する解釈指針
https://www.icrc.org/eng/assets/files/publications/p0990-direct-paticipation-hostilities-japanese-2012.pdf (PDF注意、18ページ~)

ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

そして合法的な戦闘員は、武力紛争法に違反しない敵対行為については、敵からの刑事責任を免除される。つまり、文民警察は敵軍兵士が戦争犯罪等を犯さない限りは、彼らを逮捕することができない。

2015-03-25 15:28:06
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

純粋な警察力による侵害の排除は、武力紛争時においては、ほぼ不可能であるといえる。たとえ警察機関による実力行使であっても、それが合法となるのは軍隊の一部として活動している時だけなのである。

2015-03-25 15:31:34
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

となると警察予備隊や保安隊といった警察機関を国防にあてることも、「戦力」をある種の軍隊全てを含むものと解した場合は、違憲ということになる。警察機関を武力紛争で投入するには、それ自身が軍隊であるか、軍隊に編入されなければならない。そうでない場合は文民警察機関として活動する他ない。

2015-03-25 15:34:57
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

このように「戦力」概念をある種の「軍隊」を全て含むと考えた場合は、自衛隊のみならず保安隊や警察予備隊、そして海保などの警察機関を武力紛争に投入することが禁じられることとなり、国による実力での侵害排除は不可能となると考えられる。

2015-03-25 15:43:29
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

この場合、もはや群民蜂起や民兵隊・義勇隊による実力行使しか認められないが、前者は個人の資格でなされるものであり、後者は国家によって「保持」される時は違憲となり得る。結局、群民蜂起しか残らない可能性があるが、群民蜂起の定義上、制度化はできないので散発的なものとなる。

2015-03-25 15:53:23
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

このように「戦力」概念を考えた場合、もはや国としては絶対平和主義を取る他ない。ただ、この帰結を受け入れない場合は「戦力」概念を操作する必要がある。

2015-03-25 15:57:46

結論

ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

ある種の軍隊については保持が禁止されている「戦力」にあたらないという解釈を前提にしなければ、国家の実力による侵害排除はできないのであるから、絶対平和主義をとらない場合は、ある種の軍隊は憲法上許容されていると考えなければならないだろう。

2015-03-25 16:52:48
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

結局、絶対平和主義か、ある種の軍隊を憲法上許容するかの二択になるのだろう。

2015-03-25 16:54:05
ぱんでくてん@バ美肉したい @pandecten

それでも迂闊であったという批判はあるであろうが、法的な意味で自衛隊を軍隊として認め、そう呼称したのかは現時点では不明である。

2015-03-25 14:51:00