【ICC国際刑事裁判所】最近の議論Ⅴ(特別編)~「我が軍」「自衛隊も軍隊の一つ」という"一般論"と国内法制の実態~ #ICC_QA

ICC国際刑事裁判所:最近の議論Ⅳ~ パレスチナ加盟とイスラエル訴追/集団的自衛権と侵略犯罪/クマラスワミ報告と戦時性暴力/アパルトヘイト犯罪~ #ICC_QA http://togetter.com/li/794803
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見切り発車で違憲なイラク派遣を行った日本政府

💫T.Katsumi📢 #FreePalestine 🇵🇸 @tkatsumi06j

ここでイラク派遣時(03)に話を戻すと、日本は当時①には加盟していても②に加盟してなかったことになる。当時の小泉首相の迷国会答弁を覚えているだろうか。曰く「自衛隊が派遣される場所は非戦闘地域」。これが全くの詭弁であることは、イラク派遣中に②に拙速に加入したことが物語っている。

2015-03-26 13:00:26
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日本が憲法上、国家としての国際紛争を解決する手段としての武力行使を行わないこと(に関わらないこと)と、日本が保有する国防のための実力組織(自衛隊)が戦闘地域に配備されるか否かは、これは全く次元の違う問題である。国家として紛争に関わらないこと】が求められているからである。

2015-03-26 13:01:26
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これまで説明したように、日本政府は自衛隊イラク派遣中の04年にジュネーヴ諸条約追加議定書に加入した。つまり、自衛隊が国際法上、追加議定書が規定する【国際的な武力紛争に関わっていることを認識していた】ということだ。よって、自衛隊イラク派遣は明白な違憲行為なのである。

2015-03-26 13:02:31
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自衛隊イラク派遣は違憲行為だった。しかし、イラク派遣を実施した以上、今度は国際法に対する履行責任が生じる。この国際責任を果たす体制になければ、有志国連合軍の正式な一員にはなれない。だから日本政府は後付けで、イラク特別措置法の施行後に、この履行責任の体制構築に着手したのだ。続く…

2015-03-26 13:07:29
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…先にも述べたように、イラク派遣自衛隊は米文民統治局CPAの統制から独立し、そのため正に【自己責任】で想定外の事態に対処しなければならなかった。つまり、自衛官が捕虜として拘束されたり、逆に自衛官が国際犯罪を疑われた場合、これを【保護と処罰の両面で担保する体制】が必要だった訳だ。

2015-03-26 15:14:11
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前出の伊勢崎・新倉両教授は、正にこの点を懸念していた。自衛隊のみが【無法状態で紛争当事国に駆り出されたから】だ。何かあったとき、国際責任がとれず、また自衛官を保護することもできない体制のまま派遣されたからだ。他国に武装した実力組織を派遣しておいて、これほど無責任なことはない。

2015-03-26 15:15:08
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結局、日本政府はイラク特別措置法の施行後、派遣後1年以上経ってから、”形だけ”は国際法の庇護という担保を確保した。しかし、自衛官による国際犯罪行為が疑われた場合に、実質的な国際責任をとる体制は、派遣終了2年前の07年に国際刑事裁判所ICCに加盟してやっと担保された。

2015-03-26 15:16:02

国際法上の事実と国内法制上の実を区別した議論が必要

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このように、過去の自衛隊派遣を通じて、日本政府は必要から、自衛隊を国際法上の「軍隊」とすることの基礎を固めてきた。その結果として、国際法上、自衛隊が軍隊とみなすほかない実力組織であることは事実だ。だがこれは、憲法上、自衛隊が「戦力」であってはならないこととは区別する必要がある。

2015-03-26 15:16:45
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ここで、朝日の論説に戻るとしよう。 朝日新聞菅義偉官房長官は「防衛を主たる任務とする組織を軍隊と呼ぶなら、自衛隊も軍隊の一つ」と説明しているが、「自衛が主たる任務だからこそ軍隊ではない」というのが従来の解釈だったはずだ。」高作正博関西大・憲法学教授

2015-03-26 15:17:29
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高作教授はこう続ける。 「今回の発言は、集団的自衛権の憲法解釈変更と同じで、安倍政権による従来の政府見解を覆す試みの一つと言えるのではないか。」 その通りだと思う。

2015-03-26 15:18:29
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今回の発言は、国是として国際紛争に加担せずまた自衛以外の目的の武力行使を行わないことを定め、専守防衛に徹してきた我が国の基礎を覆すことになる。 朝日はこの憲法学者の見解の後、元海上幕僚長の見解も考察に値する論として掲載している。

2015-03-26 15:19:38

政府の怠慢は刑法改正で是正できる

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朝日新聞「自衛隊を軍隊と認めていないために、自衛官は軍人として扱われていない。その現状に向き合うべきだ。」 古庄幸一・元海上幕僚長

2015-03-26 15:20:31
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元海上幕僚長はこう続ける。 「隊員が引き金を引いた場合、指揮官ではなく現場の隊員が殺人罪に問われかねない。また、隊員に何かあった場合の補償も不十分だ」と。 海幕長が指摘しているのは、国際刑事裁判所ローマ規程で「上官責任」として定義されている事例だ。

2015-03-26 15:21:00
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海幕長は、この法整備が実質的になされていないことを認識しているのだろう。事実、アフガン・イラク・ソマリア派遣の実績を積み上げてきた今も、この法整備はなされていない。自衛官が戦争犯罪を疑われた場合、その個人は刑法で殺人罪とし訴追されるのだ。

2015-03-26 15:21:45
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自衛官保護のための国内法整備がなされていないのは、軍隊であるか否かではなく、単に「現行刑法の規定で十分対処できる」という法務省見解があったからだ。追加議定書加入後10年が経過した今になって「不十分」とするのは、歴代政府の怠慢を暗に指摘していることに他ならない。

2015-03-26 15:22:34
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ジュネーヴ条約追加議定書加入(04)後07年ICC加盟に至るまで政権にあったのはどの内閣か。小泉・安倍内閣である。当時の安倍は1年で政権を放り投げ、官房長官だった福田が政権を引き継いだが、ICC加盟は安倍内閣下で果たされた。怠慢だったのは、この二つの内閣である。

2015-03-26 15:23:29
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古庄元海幕長はこう結ぶ。 「安倍晋三首相が「我が軍」と言ったのも、こうした隊員の身分をめぐる問題意識があるからではないか。憲法を改正して軍隊として位置づけるべきだ。」と。 私的に言えば、『寝言も休み休み言え』である。

2015-03-26 15:24:35
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【自衛隊隊員の身分保障を怠ってきたのは、明らかに政府あり、歴代内閣(安倍・福田・麻生内閣含む)の責任】である。そしてそれは、「軍隊」であるか「軍隊構成員」であるかの定義とは関係がない。既にそれらの存在として、自衛隊も自衛官も国際法の庇護下にあるのだから。

2015-03-26 15:25:17

与野党ともに「議論」するには時期尚早

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問題は、国際法上、国際任務に参加する上でやむなく専守防衛の自衛隊を「軍隊」であることを認めざるを得なくなったとしても、それでも自衛隊は「戦力」ではないという整理を行い、その自覚を現政府与野党党関係者が共有しなければならないということである。

2015-03-26 15:26:09
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古庄元海幕長は最後に、「今回の発言は議論する良い機会ではないか。」と述べているが、議論する前に事実を整理し、まず個々に勉強すべきである。 この国の安全保障議論は、まだその程度の段階にしかない。

2015-03-26 15:26:49
💫T.Katsumi📢 #FreePalestine 🇵🇸 @tkatsumi06j

国会議員たる者、そして国家安全保障に関わる者として、与野党とともに、自衛隊が何であるのか、何であってはならないのかの国内法上・国際法上の整理について、あらためて勉強すべきである。議論は、基礎を踏まえた後に行えばよい。国会で半知半解のまま議論を行うには、時期尚早である。 以上

2015-03-26 15:27:16