日本の女性が男の後ろを歩くのは斬られないため!?ホントか?

twitterやFBでここのところよく見る「夫の三歩(三尺)後ろを女性が歩くのは、夫を狙った刺客に切られないため」「妻が荷物を持つのは、夫が襲われた時に妻が後ろから荷物を投げて援護する距離を確保するため」というのは本当なのでしょうか?そもそもいつ頃から言われた事なのか?江戸時代当時の武士風俗や風習を考えるとちょっとおかしいと感じた方々が発言していたのをまとめました。
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古武術 天心流兵法 @tenshinryu

(中略)  江戸時代の武家の女性同道の記録は滅多にないが、坂本龍馬が妻女良を伴って江戸から薩摩まで旅行した史実がある。  日本人としては新婚旅行第一号と言われる前代未聞のことであるが、龍馬は当時、いわゆる脱藩浪士で、大公儀に追われる被疑者であり、当局野目を潜っての逃避行である。

2015-04-01 07:57:53
古武術 天心流兵法 @tenshinryu

身分は武家ではなく、浪人である。 「月様、お傘を」 「春雨じゃ濡れて行こう」  は、同じ土佐の武市半兵太を想定し『月形半平太』をモデルにした戯曲ど言われるが、行友梨等風(いくともりふう)先生の創作であって、歴史事実ではない。

2015-04-01 08:00:53
古武術 天心流兵法 @tenshinryu

江戸時代、妻女の護衛で道を歩くという侍はいったい何家の家中であったか。  武士は職業軍人である。  戦争にも妻女同伴でであったわけなぞないのである。 (以上。なお、『同伴でであった』は原文通り。多分誤植です)

2015-04-01 08:02:49
古武術 天心流兵法 @tenshinryu

残念ながらネットでは名和先生が引用する武の炉端噺は見つけられず、実際どういった性質のものかわかりません。 どなたかの体験談として、武家心得秘事を母から娘に伝えたものだとすれば、一概に莫迦に出来ない事です。

2015-04-01 08:07:55

ちていのきさんによる、江戸の夫婦同伴外出例の史料

ちていのき @baritsu

「二、三丁出てから夫婦連れになり」「桜見に夫は二丁後から出」 こういうのは微笑ましい感じがあるな。近所の人に冷やかされたりするんでしばらく行ってから一緒に歩く

2015-03-31 20:08:46
ちていのき @baritsu

天明、寛政年間の摂津の酒造、八尾家の日記。寺社の参詣や祭礼、芝居の見物などには「伊都(妻)は八左衛門(夫)、母親、子供のいずれかと出かけることが多く、一人で出かけることはほとんどない。それは八左衛門についても同様で、これらの外出に際しては必ずといっていいほど伊都をともなっている」

2015-04-01 18:43:03
ちていのき @baritsu

日記に出ている参詣、芝居見物等の外出は伊都10回、八左ヱ門7回、母親14回。やはり女性が多いんだな。寛政元年の9月21日の石清水八幡宮であろう参詣には伊都、八左ヱ門、長男六三郎の家族旅行。一週間超えるような長旅だと下女や手代も同行してる

2015-04-01 18:49:32
ちていのき @baritsu

天保8年の紀州の下級武士の妻の日記を読んだけど、「(夫が)今日は学校当番」といった具合に主語が略されてるんでわかり難い。だがこれも参詣には母親と夫の三人で行っている。

2015-04-01 19:21:39
ちていのき @baritsu

江戸の外出に関して史料等から。公的性格の外出は一人の場合が多い。夫の藩の役目はもちろん、夫の代わりに妻がご挨拶届け物とか。商家の妻だとこの役割も非常に大きくなる。また男女それぞれの趣味サークル等でも別々の場合が多い。が芝居、参詣等の遊興は武家町人とも夫婦の場合も少なくない

2015-04-01 19:42:41
石部統久 @mototchen

.@baritsu 関連です。 twitter.com/kojima_sakura/… twitter.com/kojima_sakura/… twitter.com/kojima_sakura/… twitter.com/kojima_sakura/… twitter.com/kojima_sakura/…

2015-04-01 20:56:42
中世の古文書 @kojima_sakura

絵画は、結局現実そのものではない「絵空事」ですから、ある意味ニセモノです。でも洛中洛外図は、現実の人間社会を描く以上、映画と同じ事で、必ず現実も反映している。発注者がどう「自惚れ」ようとしているか、どこに作為があるかを読み解くことが、歴史資料としては必要だと思います。

2015-03-31 19:18:10
中世の古文書 @kojima_sakura

中世の花見を描いた絵に「月次風俗図屏風」(16世紀、東博蔵)があり、歴博佐倉もパネルで展示していますが、「女の花見」「男の花見」に分かれています。「観楓図屏風」もそうだし、「花下遊楽図」も女だけの花見。男女揃っての花見の絵というと、秀吉の「醍醐花見図屏風」が初めなのでしょうか?

2015-04-01 17:31:14
中世の古文書 @kojima_sakura

京文博「京を描く」展で気が付いたのですが、夫婦や夫婦と子供の外出姿も、中世の洛中洛外図には見えないようです。江戸初期の「舟木本」には男女一緒の花見があり、一乗戻り橋にたたずむ夫婦と息子娘らしい4人も描かれています。「堺市博本」の清水の舞台には、子連れの夫婦らしい3人がいました。

2015-04-01 17:37:46
中世の古文書 @kojima_sakura

承前)特別出品の扇面「北野経王堂」(16世紀)は、傘をさした後家尼が先頭で、その後ろに女性陣、そして男性陣と続くようです。先述の「月次風俗図屏風」で春日若宮御祭を見る一行も同様。男女一緒の花見や夫婦が描かれるのと、家長的な後家尼が描かれなくなるのが、裏腹の関係なのかもしれません。

2015-04-01 17:43:40
中世の古文書 @kojima_sakura

なお、「舟木本」や「月次風俗図屏風」「観楓図屏風」は、「e国宝」で公開されています。emuseum.jp/detail/100318/… ありがたいことです。

2015-04-01 17:46:21
ちていのき @baritsu

あ、これは助かります♪ 江戸後期になると花見は無礼講なんで後回しにしてました@mototchen

2015-04-02 00:54:55
謹賀新年やすみ @dandonban

ちていのきさんの4/1の辺りツイートを読んでいると、商家、武家共に芝居見物など、私的な外出時には夫婦でのケースもあるようです 商家⇒twitter.com/baritsu/stat.. togetter.com/li/802156#c184…

2015-04-04 20:06:38
謹賀新年やすみ @dandonban

全て虚像的なコメントが有ったので引用させていただきましたm(_ _)m 後世に作られたイメージではあるだろうけど、元はあったと思うの。

2015-04-04 20:09:25
謹賀新年やすみ @dandonban

あ、切られない為とかじゃなくて、「夫婦で外出する」の部分ね。

2015-04-04 20:10:51
ちていのき @baritsu

浮世絵なんで割り引いてみる必要はあるんですけど、夫婦で外出が絶対に無かったらこういう絵は描かないですよねぇ p.twipple.jp/QrPf6 @dandonban

2015-04-04 20:54:03
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おまけ:江戸時代に親子連れで観光する武士一家

ちていのき @baritsu

東海道名所図会より、子供が両親の手にぶら下がって「ぶらぶら」の図。侍の夫婦だよなぁ、これ pic.twitter.com/xnWW5wg81L

2015-03-30 19:20:17
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ちていのき @baritsu

東洋大の貴重書コレクション toyo.ac.jp/site/collectio… 少ないしスマホ優先仕様で見難いのが難だけど「朧月 猫のさうし」があるな。同書より江戸の猫トイレ pic.twitter.com/wwEDYfte8s

2015-04-05 19:03:21
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ちていのき @baritsu

窓から外を見る猫。昔も今も変わんないなw pic.twitter.com/ekD2IWuMgZ

2015-04-02 02:40:54
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