#トラ泊神戸支部～激闘の本土近海決戦編④

ですか @desuka_desuyo

「よいしょっと」 北上がそう言って懐から装置を取り出す。それはいわゆる羅針盤と呼ばれるもので、深海棲艦の出没する海域での唯一の道標であった。北上が羅針盤を構えると、妖精さんが湧き出してきた。この妖精さんが次の進路を決定してくれるのだ。 #トラ泊神戸支部

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「回すよ～！」 そう言うと、妖精さんが羅針盤の針を思いっ切り弾いた。くるくると回り始めた針がS,W,N,Eと指し示す方角を変えていく。数周回った針は、ある一点を指し示してピタリと止まった。 「東だね」 鈴谷の声を聞いて、全員がその方角を向く。 #トラ泊神戸支部

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「次は潜水艦隊が待ち構えているとの情報があります。哨戒は私たちが引き受けますので、攻撃の方をよろしくお願いします」 千歳が艤装を操って、偵察機を発艦させる。遅れて千代田の艦載機も飛び立っていった。私達も潜水艦に注意して単横陣で進んでいく。 #トラ泊神戸支部

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「敵艦隊発見！」 千代田の声が響く。どうやら情報通り、潜水艦隊と接触したようだった。 「雷跡！来るよ！」 古鷹の緊張した声。前方の海面に何本もの白い雷跡が見て取れた。だが、回避を念頭に置いている私たちにはあまり怖いものではない。全員が敵の魚雷を回避していく。 #トラ泊神戸支部

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「う～ん、やっぱ当たんないなぁ」 そう言って北上が頭を掻く。敵への反撃と言わんばかりに甲標的から魚雷を放っていたようだが、残念ながら命中することはなかったようだ。だが、彼女の攻撃はこれだけではない。爆雷をセットして、魚雷が発射されたであろう海域に投射していく。 #トラ泊神戸支部

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「潜水艦なら鈴谷にもお任せだよ！」 鈴谷がカタパルトから瑞雲を射出していく。飛び立った瑞雲が、潜水艦への爆撃を行った。潜水艦がいたであろう位置は大きな水柱が何本も立ち上がっていた。それを避けるようにして私たちは進んでいく。 「雷跡発見。もう一回魚雷来ます」 #トラ泊神戸支部

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視界の端に雷跡を確認し、そう注意を促す。攻撃を行っていた二人もその手を止めて回避に専念するようだ。魚雷は先程とは逆に、私たちを追いかけてきている。斜め後ろから迫ってくる魚雷は先ほどよりも避けにくいが、難なく全員が避けきった。 #トラ泊神戸支部

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そのまま魚雷に狙われないよう之字運動で進んでいく。ある程度進んだところで、もう一度北上が羅針盤を取り出した。 「この編成だと北回りになるって通信が入ってたけど、どうなることやら……っと、進路は北東。うん、提督の言ってた通りだね」 #トラ泊神戸支部

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「次は……ゲゲッ！空母棲鬼じゃ~ん。マジ～」 鈴谷が指令書を確認してぼやく。空母棲姫……MI方面で確認されたと言われる強大な深海棲艦がこちらにも出没しているらしい。かなりの強さを持っているという情報は泊地の方にも伝わって来ていた。それが次の相手。 #トラ泊神戸支部

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「みんな！次は強敵だから気を引き締めていくよ！絶対みんなで無事帰るからね！」 古鷹の言葉に全員が頷く。目指すは北東。敵侵攻空母機動部隊だ！ #トラ泊神戸支部

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次回『激闘の本土近海決戦編⑤』は4月8日の夜、更新予定です。 これまでのまとめはこちら。 Togetter: togetter.com/id/desuka_desu… Twilog: twilog.org/desuka_desuyo/… #トラ泊神戸支部