Voice

横村楽器店シリーズ 渋谷すばる編
6
前へ 1 ・・ 6 7
りえぷぅ @riem124blue

151 ギターを抱えたまま側に行き、彼がいるベッドに背中をつけて座った。 ずっと練習していた、彼が歌ったあの曲。 まだ下手だけど、ゆっくりとギターを鳴らした。 でも、サビの少し前で大きく間違える。 □□「あっ、…んー…間違えた。」

2015-04-06 22:11:04
りえぷぅ @riem124blue

152 上半身裸のままの彼が、わたしの身体を押しながら、ベッドとわたしの間に入り込む。 渋谷「そこんとこは…このコード…。」 わたしの左手が彼の左手に、わたしの右手が彼の右手に、上から重ねられる。 □□「…あ、そっか…。」 渋谷「おまえ、いきなりこの曲練習してたん?」

2015-04-06 22:11:08
りえぷぅ @riem124blue

153 □□「そうだよ。…すばるくんの歌がもう一度聴きたかったから…。」 渋谷「え?」 □□「いつかちゃんと弾けるようになったら、すばるくんに歌ってもらいたいの。」 渋谷「ふははは!そーなん?」 □□「…だめ?」 渋谷「ふっ…えぇで?ほんならもっと練習せなアカンな?」

2015-04-06 22:11:13
りえぷぅ @riem124blue

154 □□「うん…がんばる…!」 渋谷「どれくらい先になるやろな?」 □□「・・・・すばるくん?」 渋谷「ん?」 □□「…とりあえず、今日弾き語りしてもらっちゃだめ?」 渋谷「えー?」 □□「…だめ?」 渋谷「がんばるんちゃうの?」

2015-04-06 22:11:17
りえぷぅ @riem124blue

155 □□「がんばるよ!がんばるけどぉ…いつ弾けるようになるか、わかんないから…、」 渋谷「それまで待てへんてこと?」 □□「…ん…だめ?」 渋谷「ズルイなーおまえー。」 □□「がんばる為に1曲!ね?」 渋谷「しゃあないなぁ…じゃ、違う曲な?」 □□「え~っ?!」

2015-04-06 22:11:21
りえぷぅ @riem124blue

156 渋谷「あれは、おまえが弾けるようになるまで歌わへん。我慢でけへん罰みたいなもんや。」 □□「んー…わかった…。」 でも、歌ってくれた曲はやっぱりステキで、全然罰にはなってないよ、すばるくん。 だって、わたしが好きになったのは、曲もそうだけど、あなたの声だから。

2015-04-06 22:11:25
りえぷぅ @riem124blue

157 あなたの歌声で動かされた心。 あなたの歌声で始めたギター。 あなたの歌声の為に覚えるあの曲。 優しくて、力強くて、熱くて、切なくて、愛しくて…。 こんなに好きになるなんて…。 渋谷「…惚れ直した?」 □□「…うん…。」

2015-04-06 22:11:29
りえぷぅ @riem124blue

158 ギターを床に置いて、今度はわたしを抱きしめてくれる。 渋谷「歌に惚れたん?俺に惚れたん?」 □□「んー…どっちにも…♡」 渋谷「あ、もひとつ忘れとった。俺の身体に惚れたん?」 □□「もー、ばか。」 渋谷「…する?」 すばるくんが首筋をペロッとする。

2015-04-06 22:11:33
りえぷぅ @riem124blue

159 □□「な、なに言ってんの…!きのう…、」 渋谷「きのう?」 ニヤニヤしてるすばるくん。 □□「もぉ…っ、朝ごはんできてるよ?食べよ?」 渋谷「きのうメシも食わんと俺食べてくれたやん?」 □□「もぉっ!ばかばかばかばか!///」 渋谷「今朝も食べてぇ?」

2015-04-06 22:11:38
りえぷぅ @riem124blue

160 □□「何言っ…///…んっ!」 頭の後ろを手で押さえられて、強引にキス。 そのまま身体を撫でる手を、やっぱり拒否できないわたし。 …すばるくんなら、なんでも許しちゃうなぁ…惚れた弱み? わたしが惚れたのは、結局歌声だけじゃないからな…だから仕方ないか…。 Fin.

2015-04-06 22:11:43
前へ 1 ・・ 6 7