ミイラレ!:幼馴染と蛇神のこと♯3(実況付き)

怪異に好かれる少年と退魔師の少女がなんかするお話。の、実況付き版。 原文のみはこちら→ http://togetter.com/li/806776
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(やー、こんにちは。久しぶりだね。この話覚えてる人、いる?更新したのもう二週間以上前だからね……ああ、ボクのことはどうでもいいよ。初対面だしね、キミらとは。早くボクにも出番が欲しいとこだ。まったくいつになることやら!……ああいけない。あらすじを読みに来たんだった) #4215tk

2015-04-10 22:09:49
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(まず、そうだな。これは四季の話なんだ。覚えてる?日条四季。そう、怪異にやたら好かれるあの人間の男の子。ボクみたいのから見ればすごく魅力的なんだけど、人間からすればどうなんだろうね?……話が逸れた。ともかく、今あいつ高校に通うため引越しの最中なんだよ) #4215tk

2015-04-10 22:12:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(で、そこに女の子が降ってきた。いや、比喩じゃなくて文字通りにね。人間にしては鍛えられてるよね。所詮その程度止まりだけど。で、名前が……うん、草江怜っていうんだよ。四季の幼馴染で、近所の神社の娘さんだ。しかもそこで祀ってる蛇神憑き。豪華だねえ) #4215tk

2015-04-10 22:14:06
ニックリストはクレストを支持します @nj_blacklist

幼馴染みが降ってくるとかなかなかロックだな #4215tk

2015-04-10 22:16:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(その怜と彼女に憑いた蛇神、朽縄御前はまあ四季の送り迎えに来たわけだ。あいつが動くと怪異が集まるから、まあそんなことの対策のためにね。退魔師になったからとか、そういう事情も説明しつつね。四季からすりゃあ勝手なもんだけど、退魔師の方は知ったこっちゃない) #4215tk

2015-04-10 22:16:17
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(それで引越し先につけたら楽なもんだけど、まあそううまくはいかないよね。急によくわからない怪異がちょっかいをかけてきて、一触即発!って状況になったわけ。まああの退魔師はともかく、四季になんかしたらボクが灰に……あ、もういいって?うん、じゃあ本編を楽しむといいよ) #4215tk

2015-04-10 22:17:42
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

【ミイラレ!:幼馴染と蛇神のこと】♯3 #4215tk

2015-04-10 22:18:46
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

退魔師と怪異の睨み合いは果たしてどれほど続いていただろうか?四季にはよくわからない。ほんの数十秒に過ぎなかったかもしれないし、あるいは数分経っていたかもしれない。ともかく彼は、いよいよもって爆発しそうになった空気を抑えるために声を上げたのだ。1 #4215tk

2015-04-10 22:21:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ちょ……ちょっと待って、二人とも!」その声に、弾かれるように怜が振り向く。その表情は明らかに殺気立っている。「四季はじっとしてて!危ないから!」「い……いや、簡単に怪異にケンカ売る方が危ないだろ!」気圧されかけた四季はなんとか反論する。2 #4215tk

2015-04-10 22:24:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

明らかに怜が背を向けても、燕尾服に翼手の怪異は動かない。彼女の代わりに、その首に巻き付いた朽縄御前が威圧しているからだ。何やら叫びかけた怜が、深く息を吐いてから四季を見据える。「仕掛けてきたのは向こうだよ」「いや、そうだけど……こっちに非があったかもしれないし」3 #4215tk

2015-04-10 22:27:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「非?」怜の片眉が跳ね上げられる。剣呑に。気まずい思いをしながらも、四季は主張を続ける。「ほら、その……怪異とかにも縄張りみたいのがあるからさ。こっちが先に入っちゃったら、襲われても仕方ない、かな、なんて……」その言葉尻が小さくなる。怜の視線を受けた故に。4 #4215tk

2015-04-10 22:30:03
ニックリストはクレストを支持します @nj_blacklist

至極争いに消極的な…なんというかふにゃふにゃした主人公だな #4215tk

2015-04-10 22:32:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

蛇の如く鋭い視線。四季は思わず口を閉じた。朽縄御前を始め蛇の怪異には何人か友達がいるが、それよりもなお鋭く、正直怖い。『……まあ、小童の言うことにも一理はあるの』沈黙を破ったのは蛇神だ。鎌首をもたげ、燕尾服の怪異を見据える。5 #4215tk

2015-04-10 22:33:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

『実際はどうなのかえ、そこの者?さっきから黙りこくっておるが、何も口がきけぬ訳でもあるまい』その言葉に、思い出したように四季は怪異へと視線を移した。そういえばその通りだ。「え、えーと。その、こんにちは……こんばんは?なんというか、その、こっちの言うことわかる?」6 #4215tk

2015-04-10 22:36:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

なんとかコミュニケーションをとろうと声をかけると、燕尾服の怪異は黙って首を傾げた。四季が困ったように眉をひそめる。人の姿を取れる怪異は喋れずとも言葉を理解することはできるはずだ。彼は経験則からそう判断していた。怪異は沈黙したままだ。7 #4215tk

2015-04-10 22:39:02
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「えーと……」四季は言葉を彷徨わせる。埒が開かないと判断したのか、怜が厳しい視線で怪異を睨み据え、構えた。それを見た四季の頬を汗が伝う。「あの」『プッ』吹き出したような音。四季たちは呆気に取られる。影に覆われた怪異の顔に、白いものが浮かんでいた。歯だ。8 #4215tk

2015-04-10 22:42:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

戯画化されたような三角形の歯がいくつも並び、笑みの形をとっている。『ククク、ハハ、ヒハハハハハハハハッ!』そうして怪異は笑い出した。『成る程、伝わってはおるか』呆然とする怜の首元で、呆れたように朽縄御前が言った。『それとも単なる物狂いか?』9 #4215tk

2015-04-10 22:45:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

『ハハハハハッ!……いや、失敬失敬。ちゃんと喋れるし、君たちの話も理解できている』無機質な声でそう言った怪異は、宙に浮かんだまま一礼した。重力や浮力など一切無視した、現実味のない光景。『正直、やり合うよりも君たちの話を聞く方が面白そうだ』10 #4215tk

2015-04-10 22:48:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「面白い?」怜が眉間に皺を寄せる。『そうとも』怪異は事も無げに言う。『君みたいな退魔師は、からかうとムキになってくれるからね』『……だそうじゃ』朽縄御前の一瞥に、彼女は言葉を詰まらせた。「そっちにとってはからかいでも、こっちはそうじゃないんだよ」11 #4215tk

2015-04-10 22:51:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

四季は嗜めるように口を出す。「その……怜はわからないけど、この高さから落ちたら死んじゃうからさ。俺の場合」『その割には冷静だったねぇ、少年』くすくすと笑いながら、怪異。『まあ、もし落ちてたら拾ってあげるつもりだったよ。そのまま逃避行でもよかったね』12 #4215tk

2015-04-10 22:54:18