双龍夫婦の百人斬りの夜

LS.@面白味のない脳腫瘍マン @pagancode

足利卿、グラウカ卿を囲む二百人。 この二人に対し、二百人。たった二百人であった。 だが、二人に一切の油断はない。 理解しているのだ。 いずれも一騎当千の兵であることを。 北王武源流創主アルベイン・バフマン、同流派より二十名。 "毒蔦"ローヴァ・スムフォンとその子弟十名。 →

LS.@面白味のない脳腫瘍マン @pagancode

"影鮫"暗殺集団。三十名。 "星辰の鎚"グレンヴァーキとその傭兵団"飢虎"二十五名。 "ヴィーシャンの吠蛇"ミネルバと騎龍。 "山崩し"ラクーイン・フォレス。 "滅炎"ラマール・フォレス。 "千剣裂"オルタスとその仲間四名。 …………いずれも、いずれが名の通った強者である。

LS.@面白味のない脳腫瘍マン @pagancode

「此処に揃いしは、お主らに思うところのある者共よ。ある者は愛弟子を殺され、ある者は故郷を焼かれ、ある者は貴殿らの強さを求め、ある者はただただ戦いたくて……くふ、くっくっく、ああ…言葉など重ねる必要はないな。さあ、殺し合おうぞ」 アルベイン老が一方的に語り、一方的に火蓋を切った。

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 十重二十重と囲む人の群れあり。 二人を包む二百の人あり。 無数の顔あり。 いずれも知に、武に、人に長ける者共。 猛き者ども、一騎当千、万夫不当の豪傑共。 この大陸に、名の知れた奴ら。 およそ、人の頂点達。 相対するは二人。 たったの二人。 青と白のみ。 →

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 二人を囲むには、あまりにも大仰過ぎる包囲網に見える。 だが、彼らに一切の慢心は無い。 ただ純粋に、この二人を打ち倒すためにここにいる。 空気が張り詰め、ずっしりとしている。 →

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 老がその堰を切った。 雪崩れるように駆ける頂点共。 よくもまあ、ここまで集めた。 よくもまあ、ここまで作り上げた。 だが、だが、だが。 白きに目を見遣る。 「もう倍、足りんな？」 (パ、ス)(こんな長くなくともよいとおもいます)

グラウカ＠同盟君主 @glaucaGC

@muzimuzina 「倍？　まさか」 隣の青に微笑む。 「一桁、の間違いでは」 くつくつと喉奥が鳴るのを抑えられない。 迫り来る猛将達の覇気に、滾る血を抑えられない。 「義輝殿」 もう、よろしいですか？ 瞳の奥に、つり上がる口の端に、覗く獣を隠しもせず、おんなは夫に問うた。

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 「く、はは、はははははは」 「正しく、正しくだな」 楽しめそうだな。 いよいよ持って君が楽しめそうな戦場に来たのだな。 押さえ切れぬ白き。 急きたくて仕方ないか。 殺到したくて堪らないか。 なれば、伝える言葉は一つ。 →

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC ―征夷を執行しよう― .

グラウカ＠同盟君主 @glaucaGC

@muzimuzina 「では、お先に」 この上なく楽しそうに笑んで、白は獲物の群がりへ殺到した。 するり。反応さえさせずに群れの中心へ潜り込む。 ひらり。舞うように薙刀を振るう。 はらり。もう一度、もう一度、もう一度。 ぽとり。ああほら、綺麗に首が取れた。 →

グラウカ＠同盟君主 @glaucaGC

@muzimuzina 「次に食われたい者は誰だい」 おんながわらう。 「案ずるな。痛みなど感じる間もない」 おにがわらう。 「さあ、おいで」

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 背だけで音を聞く。 やはり、やりたくて仕方なかったか。 さて、いよいよ、俺の番。 服の袖より、無数の符。 ひらり、ひらりり、ひりひらら。 ―鬼魔駆逐急々如律令― 符が翻る、形を成す、突き立つ。 周囲に刀が突き立つ。 刀の、刃の、剣の丘。 →

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 夜風、熱気、殺気、満月。 冷ややかなれど、熱っぽい夜。 天に真なる円月あり。 地に御物、傑物、大業物、無数の刀あり。 人に夜行あり。 右に一刀 「首が欲しくば、首を出せ」 左に一刀 「命を捧げよ、身を賭けよ」 両手に二刀 とっと跳び、雪崩に身を投ず。

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 上手より来る鋭き槍、 避け取り右に、転、そのまま、袈裟。 下手の兵に、もう一転、返し手に、ずぐり。 魔を切り、剣避け、槍退き、斧断ち、弓を折る。 赤、 赤、赤、 赤、赤、赤、 赤、赤、赤、赤、 赤、赤、赤、赤、赤。 赤、赤、赤、赤、赤、赤。

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 紅き衣を纏いて夜行が天を仰ぐ。 もはや三十などでは止まらぬ其れは、 「あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛」 まっかに染まりきって、およそ化物じみていた。

LS.@面白味のない脳腫瘍マン @pagancode

注）秒殺されている方々はキャンペーン終了後のPCクラスの性能な方々です。もしくはボス級です。

グラウカ＠同盟君主 @glaucaGC

@muzimuzina 聞き慣れた咆哮がする。 ああ、あの方も楽しんでいらっしゃるのか。 今どんな顔をなさっているのか。 今なにを斬り払っておられるのか。 考えただけで血がたぎる。 「君たちはとても恵まれている」 「義輝殿に斬られるのだから」 「まったくもって、妬ましい」→

グラウカ＠同盟君主 @glaucaGC

@muzimuzina ひとつ、 ふたつ、 みっつ。 薙ぐたびに笑うたびに妬むたびに首が胴が地面に落ちる。 かぐわしい、鉄の香りが胸に満ちる。 月の光が戦場に妖しく影を落とす。 酔ったか。 あてられたか。 ああ、今夜はまともに寝付けないだろうな。

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 折れた刀は捨て置いて 曲がった刀は放り投げ 切れぬ刀は抜き立てて 近きは切捨て、遠きはひっ跳ぶ。 跳ねて駆けて転んで回って 走って逃げてまた跳ねる 切られて撃たれて燃えて凍り 弾けて飛ばされ殴られる →

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 「く、くくく、く、く、く、く、く、く、く、く、」 斜め。下から。転。腕。脚。胴。首。顔。両断。寸断。破断。 「く、は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、」 袈裟、逆、唐竹、下段、横薙ぎ、突きたて、殴り、蹴る。 →

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 眼前に森が茂る。 鞭の如く蔓が飛ぶ。 花が百花と繚乱と、咲き狂い、毒々しく。 おお、植物、か、こ、れは、身が痺、れる。 はは、は、はは、花粉か。 なればお前だ。 一刀を手取り、満月の如く回す。 蒼き焔が形を無し、龍王が顕現す。 →

Grooovy @muzimuzina

@glaucaGC 「じゃ、ま、だ」 蔓ごと、花ごと、木ごと、森ごと 蒼きあぎとで焼き払う。 「見、つけた、ぞ、毒蔦、」 呂律が上手く回らんな。 おびえるその目を、そのこころを、 蒼き帝が焼き尽くす。 焔がゆるりと廻旋す。 燃やし尽くしてくるが良い。

グラウカ＠同盟君主 @glaucaGC

@muzimuzina ぶおん、ぶおん。 「見つけたぜ」 周りにいる他の兵すらなぎ倒す、ひとりの男がいた。 “星辰の槌”グレンヴァーキ。 身体の３倍はある鎚を風のように振り回すその男に、まずはひとつ礼を。 「ごきげんよう、グレンヴァーキ殿」 「よお、伯爵閣下」

グラウカ＠同盟君主 @glaucaGC

@muzimuzina あいさつもそこそこに、槌が薙刀を折らんと振り下ろされる。 「おっと、マナーがなってないぞ」 薙刀がそれを避け、腕を斬らんと振り下ろす。 「知るか、戦場だぞ」 阻止せんと蹴りが飛ぶ。 「あなたも、私の首狙いかな？」 右手で受け流し左手で薙刀を振るう。

グラウカ＠同盟君主 @glaucaGC

@muzimuzina 「あんたも、俺の首狙いだろ？」 振り回された槌がそれを弾く。 「もちろん」 薙刀が大槌に飛び乗り、月を背負う。 「ならよし」 槌が見上げたのは光を背負う女。 「またあおう」 一閃。 「ああ」 その声は発されることもなく またひとつ、首が落ちた。