記憶がない燭台切光忠botシーズン5
- shositu_mitubot
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「あいつは失うことに慣れすぎた。耐え続け受け入れるだけだ。それで何が変わる……今はもう、自分で選択ができるんだぜ」「気がつかないうちはお前が変えると?」「運命どおりじゃ、何も驚きがないからな」 「君があのときああ言わなければここまでしようとは思わなかった。最後の大仕掛けだ」
2015-05-01 20:07:23打ち直されたあんたはいない。代わりに五冊の日記が隣に置かれる。 人の体を失えばめくって読むこともできないが、せめてあんたの形見くらいは傍に置きたい。 時間だ。この日記ともお別れだな。 もう目が覚めなくてもいい。 光忠、光忠光忠光忠、 せめて夢の中で、
2015-05-01 21:02:40_-___ 目が覚めると、桜が満開だった。 この桜が散っていくのをついこの間見た気がする。 敵が再び動き始めたそうだ。俺たちは目覚めさせられ、人の体を与えられた。 なにもかも以前と同じ生活だ。あんたはいないが。 99年と11か月ぶりだな。せめて日記が劣化していなくてよかった。
2015-05-03 19:01:24_-___ 本丸の再設置のせいで、毎日忙しくしている。 そのせいで夜にもほとんど何も書けていない。寂しくないか。 桜が散るのはあっという間だった。忙しいせいなのか。 100年前、あの桜の下で泣いていたあんたを思い出す。……この話を書くのは二度目だったな。
2015-05-03 19:07:17_-___ あんたが死んだ季節に追いついた。 4月26日。これはあんたが望んだ日だったのか。 そんな会話をしたのも、……100年前、か。 いつの間にか手が届かないほど未来に来てしまった。ただでさえ、
2015-05-03 19:11:16(愛情を捧げ続けた者にはご褒美が与えられるべき、……か。 あの頃の僕は、結構甘いことを考えてたよね。けど、 …………僕でも、いいかな)
2015-05-03 19:20:24_-___ 鶴丸が部屋に来た。 日記を回収するという。これで最後だ。 俺は覚悟を決めた。 光忠、……あんたがいない時間が長すぎた。 行った先にもあんたはいないのかもしれない。それでも、俺はもう、 愛してた、光忠。
2015-05-03 19:24:55「……耐えられないのか」 「ああ。……もう、いい」 「…………燭台切光忠を……顕現させられるといったらどうする」 「でき、るの、か……刀は折ったと」 「ただし、記憶に関しては蓋を開けるまでは分からない」 「会わせてもらえる……」 「選ぶのはお前だ、大倶利伽羅」 「………たの、む」
2015-05-03 19:29:47「……分かった。選んだのはお前だ、大倶利伽羅。話はつけてあるぜ。……燭台切光忠を現世に呼び戻そう」
2015-05-03 19:39:08「百年待ったんだ、3時間くらいあっという間だろう」 「……」 「俺は三日月を誘って散歩でもしてくるかな」 「……どうやって、」 「ん?」 「光忠は折ったんじゃなかったのか」 「”これはお前が使うべきだ”……持ってるだけじゃなくてな」 「……」 「じゃあな、3時間後にここで会おう」
2015-05-03 19:44:47「俺たちの顕現に必要なのは、人格・記憶・付喪神本体。そのうち、足りないのは100年生きた付喪神だけだった。……分かるな、大倶利伽羅。お前が100年守って育てたんだ」 「……まさか、」 「審神者には100年前に話をつけてある。特別だぜ。……そろそろ時間だな」
2015-05-03 22:38:38「僕は燭台切光忠。青銅の燭台だって斬れるんだよ。……なんてね。 ……ただいま、大倶利伽羅くん!」
2015-05-03 22:41:36