廃棄物日誌 LOG:8

廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

まあ答えはその時に聞くとしよう。 無事お前たちがアリューシャンを突破できることを、心から祈っておこう。 そう言って棲鬼は立ち上がり部屋を出た。 深海棲姫。そんなものが、ラスボスのラスボスのようなものが、果たして そこにいるのだろうか。 #廃棄物日誌

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私はあのヲ級を殺すためだけに提督として戦っている。 それを果たした時、私は戦う意思が残っているだろうか。 愛宕たちにはあるだろう。所詮空母ヲ級の一隻に過ぎない。 彼女を殺しても、戦いは続く。 だが私にとっては一生をかけるに値する怨敵だ。 #廃棄物日誌

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それを果たしてしまったら、私には戦う理由が見つからない。 もしかしたら終戦して心を病んでしまった廃人のようになってしまうかもしれない。 普通なら廃人になっていてもおかしくない。だが私は正常のままだというのは、 きっと彼女を殺すという意思が強いからだろう。 #廃棄物日誌

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その楔のような意志が抜かれてしまったら…？ とりあえず彼女を殺したらやることはきまっている。 その後で考えよう。私はこれから何のために誰の為に戦っていくかということをだ。 #廃棄物日誌

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そう決めた私はルーズリーフにこう書き込んだ。 「いずれする彼女への誓いを忘れないように」と。 #廃棄物日誌

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実のところ、私の日誌の大きな出来事にはそれに因んだタイトルをつけることにしている。 これは出版社にコネがあるスタッフが「いずれお頭の日誌が金になる」という のでそれに使うタイトルをつけるように頼まれているのだ。 #廃棄物日誌

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最初は「迷走は蛇尾を追う蛇と同意」 その次は「海這う軍艦島」 裏切り者の時は「正しい道を信じるか、異なる道を選ぶか」 彼女との遭遇の会には「近く遠い隣人との再会」 そこから先はまだ未定だが、最終章だけはこれにしている。 #廃棄物日誌

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最終章のタイトルは「皆で水底に眠ろう」。 それにしている。昔見た、ナガトをナガトと名付ける理由となった あるアニメのエンディングテーマから取っている。 #廃棄物日誌

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出るかどうか分からない日誌のことはさておき、 最初の課題である夕立と時雨の強化。これは夕立が先に完了した。 これで狗は三匹になったわけだ。三頭犬、ケルベロスの誕生である。 果たしてこれがAL突破のカギになるかは、まだ分からない。 #廃棄物日誌

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…詩藤志津江がAL・MI作戦に挑戦しているその頃。 大阪、ユニバーサルスタジオジャパン …横須賀アサイラム側ホテル1F102号室 …内部 #廃棄物日誌

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「噂によれば、アサイラム提督はなかなかの胸部装甲を有してるって噂だ」 「浜風並み？潮並み？」 「どうかは分からん。でも、覗きに行く価値はあるはずだ」 部屋の中で企む駆逐艦二隻。 深雪と大潮である。勿論アサイラムの艦娘ではない。 #廃棄物日誌

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佐世保鎮守府13031番地。 そこを知る者からは「佐世保処理場」と呼ばれている。 と言っても、ただ艦娘の投棄場であったり 何故か粗大ごみを中心にトラックが捨てに来るからそう呼ばれるようになった。 #廃棄物日誌

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その粗大ごみには「兵器」という人殺し が出来る粗大ゴミも含まれており、 それを再利用しているのも理由の一つだという声もある。 先に言っておくが、彼女達はアサイラムに潜入している訳ではない。 目的は「覗き」である。 #廃棄物日誌

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切っ掛けは一冊の週刊誌の記事。 「アサイラム提督とマイアミ提督のふしぎ」 色々とふざけたタイトルの記事には次の言葉があった。 「アサイラム提督はEカップ」 「マイアミ提督は島風似のショタ提督」 この胡散臭いにも程がある記事を信じ込んだのがこの二隻である。 #廃棄物日誌

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それが真実なのかを調べる為に、スタッフのジープに勝手に乗り大阪まで来たのだ。 来たのは深雪と大潮、そして 「お、お風呂空きました…」 豊かに育った胸部装甲を持った潮の三隻である。 尚、潮は覗きの事を知らない。 #廃棄物日誌

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「殺っちまおーぜーみーゆーきー…」 帽子からワイヤーを取り出し張らせる大潮。 「待て、ここで流血沙汰を起こせば全てが水の泡だぜ」 今にもワイヤーで潮の首を切断しかねない大潮をなだめる深雪。 そして何も知らず、髪を乾かす潮を手招く深雪。 #廃棄物日誌

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そして事情を説明する。 「の、覗き、ですか…？」 「お前も知りたいだろ？アサイラム提督がお前と同じなのか、マイアミ提督が本当に羽黒とおねショタックスしてるのかをさ。これは真実の究明なんだよ」 #廃棄物日誌

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「は、はぁ…」こいつは何を言っているのだろうか。といった感じで深雪を見つめる潮。 「それに、仮に本当だとしたら、上手くいきゃあたしら大金持ちだぜ！？ 二大イカれ鎮守府の真実を、出版社に売ればかなりの金が貰えるぜ！」 #廃棄物日誌

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そういう深雪の目には「¥」「$」の二つの記号。 そんな中、大潮は帽子から古い形状のビデオカメラを取り出した。 PCのハードディスクを直接使用できるという、処理場特製のビデオカメラだ。 バッテリーがしっかり充電されていることを確認する大潮。 #廃棄物日誌

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それに深雪が気づく。 「大潮、それはまさかビデオカメラじゃねえだろうな」 「こいつでショタックスを撮影してAVで売るつもりだ」 「大潮～！」「大潮ちゃん！」二人は一斉に叫び財布からそれぞれ5千円札を抜いて。 #廃棄物日誌

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「「ダビングしてくれ！」」 #廃棄物日誌

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「既にペーパーカンパニーと空っぽ の事務所も用意している。 万が一ばれたとしても私達に辿り着くことはない」 「よし、さっさと行こうぜ！今回は二段階作戦だ」地図を広げながら深雪が言う。 「脱衣所の地下はこの部屋の地下と繋がっている」 #廃棄物日誌

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「このホテルの部屋にはシャワー室があるが、一階以外は試合前に大潮が破壊工作を行っているから上の階の連中は大浴場にいく必要がある」 「アサイラム提督たちは二階以上の部屋にいる。つまり、必ず来る」 言いながら深雪は畳を剥がす。 #廃棄物日誌

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その下にあるはずの板は取り外されており、突然の光に驚いたネズミが走り去っていくのが見えた。 「往くぞ、ここが私達のアリューシャン作戦だ」「応」「Tes.」 三隻は床下に入っていく。最後に入った潮が畳を元の位置に戻した。 #廃棄物日誌