日本国債市場の話

連続ツイートしてたからまとめた。
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plotter @plotter_

債券を知らない人にとっては、なぜ日本国債がここまで低金利なのか理解不能らしい。まあそれは当然なのかもしれないが。

2015-04-26 01:57:59
plotter @plotter_

10年金利0.3%というのは、確かに理解しがたいほどの低水準ではある。後から振り返ってみれば債券バブルなのかもしれない。しかし、この水準の利回りが形成される背景というのもあるわけで。

2015-04-26 02:00:00
plotter @plotter_

何よりも重要な原因は、日銀が発行額にほぼ等しい金額の国債を買い入れているという圧倒的な金融緩和策にある。これだけの金融緩和をされたら、国債市場のまともな価格形成機能は無いといってよい。いや、価格形成機能は死んだわけではないが、それはあくまで金融緩和を前提としたプライシングである。

2015-04-26 02:02:49
plotter @plotter_

要するに、日銀の大規模国債買い入れを前提としなければ現在のような低金利は形成されない。

2015-04-26 02:04:59
plotter @plotter_

しかし、市場参加者は日銀だけではない。なぜ他の参加者は国債を売らないのか?まず、日銀の次に大きな保有主体である銀行、これは増え続ける預金の見合いとして国債を持たざるを得ない。貸出先は少なく、リスク資産を増やすと規制に引っ掛かる。

2015-04-26 02:07:45
plotter @plotter_

そして生保、こちらも健全性規制によって債券保有をほぼ義務付けられている。

2015-04-26 02:09:12
plotter @plotter_

年金は国債保有量を減らしている主体である。GPIFの債券比率低下が示しているように、今後も債券比率を低下させるかもしれない。だが、年金の将来支払いが円である以上、円債比率をゼロにすることはALM的にありえない。

2015-04-26 02:14:13
plotter @plotter_

では、日銀以外に円債を買っているのは誰か?乱暴に言えば、海外と個人だ。

2015-04-26 02:15:24
plotter @plotter_

ユーロ圏金利の要であるドイツ金利は、もはや全年限にわたって日本の金利を下回った。ユーロ圏の債券を保有する投資家にとって、先進国で流動性の高い日本の債券利回りは魅力的な水準にある。

2015-04-26 02:17:57
plotter @plotter_

そして個人。個人資金は投資信託を通じて国債市場に流入している。円債利回りの相対的な安定性の高さとリスクリターン比の高さが評価されている。有り体に言えば、預金対比での利回りの高さとラップ口座からの流入である。

2015-04-26 02:23:15
plotter @plotter_

現在の金融緩和策が終わったら、国債金利は上がるだろう。だが、現在の金融緩和策は物価を2%に上げることを目標としている。2年間、今の政策を続けているのに足元の物価上昇率はゼロだ。果たして金融緩和は終わるのだろうか?終わらないんじゃないだろうか?そう考える市場参加者もいる。

2015-04-26 02:31:13
plotter @plotter_

これが今の日本国債市場だ。

2015-04-26 02:31:39
plotter @plotter_

無制限な金融緩和が無限に続くなら、金利はさらに下がりうる。

2015-04-26 02:35:26
plotter @plotter_

しかし、下がったものはいつか上がる。それが道理だ。

2015-04-26 02:36:01
plotter @plotter_

こうして市場では、下がり続ける金利の未來と、いつか来る金利上昇のXデーが常に語られる。

2015-04-26 02:37:26