10年金利0.3%というのは、確かに理解しがたいほどの低水準ではある。後から振り返ってみれば債券バブルなのかもしれない。しかし、この水準の利回りが形成される背景というのもあるわけで。
2015-04-26 02:00:00何よりも重要な原因は、日銀が発行額にほぼ等しい金額の国債を買い入れているという圧倒的な金融緩和策にある。これだけの金融緩和をされたら、国債市場のまともな価格形成機能は無いといってよい。いや、価格形成機能は死んだわけではないが、それはあくまで金融緩和を前提としたプライシングである。
2015-04-26 02:02:49しかし、市場参加者は日銀だけではない。なぜ他の参加者は国債を売らないのか?まず、日銀の次に大きな保有主体である銀行、これは増え続ける預金の見合いとして国債を持たざるを得ない。貸出先は少なく、リスク資産を増やすと規制に引っ掛かる。
2015-04-26 02:07:45年金は国債保有量を減らしている主体である。GPIFの債券比率低下が示しているように、今後も債券比率を低下させるかもしれない。だが、年金の将来支払いが円である以上、円債比率をゼロにすることはALM的にありえない。
2015-04-26 02:14:13ユーロ圏金利の要であるドイツ金利は、もはや全年限にわたって日本の金利を下回った。ユーロ圏の債券を保有する投資家にとって、先進国で流動性の高い日本の債券利回りは魅力的な水準にある。
2015-04-26 02:17:57そして個人。個人資金は投資信託を通じて国債市場に流入している。円債利回りの相対的な安定性の高さとリスクリターン比の高さが評価されている。有り体に言えば、預金対比での利回りの高さとラップ口座からの流入である。
2015-04-26 02:23:15現在の金融緩和策が終わったら、国債金利は上がるだろう。だが、現在の金融緩和策は物価を2%に上げることを目標としている。2年間、今の政策を続けているのに足元の物価上昇率はゼロだ。果たして金融緩和は終わるのだろうか?終わらないんじゃないだろうか?そう考える市場参加者もいる。
2015-04-26 02:31:13