茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1489回「フランシスコ法王と積極的平和主義」
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最近、メディアの中で「積極的平和主義」という言葉をよく聞く。wikipediaによると、なかなか立派な概念である。 ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%8D… ところで、軍事は、唯一の要素ではないことは当たり前のことだろう。
2015-05-02 06:48:54平和、秩序を守るために、一定の警察力、軍事力が必要なことは認める。しかし、唯一の要素ではない。時に「世界の警察官」を自認してきた米国が、軍事力を用いた結果、その地域がどうなったか、そのtrack recordをあらゆるイデオロギーから自由に客観的に見れば、どちらかと言えば悲惨だ。
2015-05-02 06:50:43「積極的平和主義」を進めるために、軍事力を維持し、それを一定の条件の下で展開できるようになること。それが必要なことは認めるが、肝心なのはそれを裏付けるソフトウェアの部分であり、その点においての定見、ヴィジョンがなければ、単なる軍事力の露出でかえって世界が不安定になりかねない。
2015-05-02 06:51:52ところで、今年のノーベル平和賞は、ほぼローマ教皇フランシスコで決まりだと予想する。米国とキューバの歴史的和解を仲立ちしたことは、きわめて重要なポイントである。また、アルメニア人に対するジェノサイドに言及したことも、過去を忘れず、未来に向かうためにとても大切な仕事であった。
2015-05-02 06:53:55バチカンは、軍事力を持たず、警察もスイスの傭兵である。つまり、フランシスコ法皇は、軍事力なしに、積極的平和主義を進めている。もちろん、イタリアの軍事力に包まれているとか、EU,NATOの安定があってこそという議論はある。それにしても、フランシスコ法皇はインスピレーションだ。
2015-05-02 06:55:05世界の中には対立する人たちがいる。ローマ法王という立場は、その仲立ちを比較的しやすいということもあるだろう。一方、9条を持ち、戦後一切の戦闘行為に加わってこなかった日本は、フランシスコ法王と同じような立ち位置で、世界の平和や安定に貢献する道筋もあった(ある)はずである。
2015-05-02 06:56:19日本が米国の補完装置になることは、日本にとってはもちろん、米国にとっても利益になるとは思えない。そもそも、米国と言ってもひとつではない。ベトナム戦争やイラク戦争に反対する人も無視できない数いる。軍事力を展開すれば、それで平和が成り立つとかんがえる米国人は、むしろ少数派だろう。
2015-05-02 06:58:19積極的平和主義は大いに結構なことだが、フランシスコ法王のようなかたちでのヴィジョン、行動なしで軍事力の展開(後方支援)だけが議論されるのは、明らかにバランスを欠く。むしろ日本は、フランシスコ法王のような役割を期待されているし、演じるべきだと私はここに強く主張する。
2015-05-02 06:59:38