【ぼくの愚かな虫たち】 福間健二 #2factory88

「ぼくの愚かな」と半端に切ったタイトル、とくにおもしろくもないと思い直して「虫たち」を付けました。とすると、タイトルが長めになったとき、ツイートのなかでは途中までで切ってもいいってことになるでしょうか。 続きを読む
アート 東アジア フランス ミシガン州 七つの大罪 新しい文学
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福間健二 @acasaazul
日曜日の朝のスープに向かう夫と妻。選挙に行くか行かないかで口論がはじまった。うるさいな。どっちが。スープは野菜たっぷり。北海道みやげのバターもおいしい。でも不満なんだよ。ぼくの愚かな虫たちが運んでくる箱のなかの、お揃いの服を着た少女たちは。(ぼくの愚かな1)#2factory88
福間健二 @acasaazul
そのお揃いの服が気に入らない。咲いたばかりのスミレがいやなのだ。せっかく静かになった街に「怒り」が伝染する。少女たち、自転車に乗らない方がいい。光を盗むのは、いつまでも眠い休日のウサギとその配偶者の「羨み」を消化できないぼくの愚かな滴たち。(ぼくの愚かな2)#2factory88
福間健二 @acasaazul
どこにこぼれても。はい、パンク直りましたってことは、二人乗りならよかったのか。少し走っては食べ、少し走っては飲む。育ちがわるくて、大食いで、溶けないはずの石を人なつっこさで溶かしている。何世紀も前から新しい文学はこの口からだと決まっている。(ぼくの愚かな3)#2factory88
福間健二 @acasaazul
彼女は目をつむった。その性格が動きまわる。ふと立ちどまってまた歩く。図書館の写真集の、裸の従業員たち。たぶんそれも借り物の、怒っているまなざしを返して、ミシガン州の曇天の下。まだ笑わないけど、ホットドッグを頬ばりながらメリーゴーラウンドだ。(ぼくの愚かな4)#2factory88
福間健二 @acasaazul
その口のまわりのマスタードとケチャップ、ちゃんと拭け、と言わない彼の場合。撫でて分裂させている。赤と黄色から変化する組織を、椅子に座ったままの百年が。どうしたいのか。立って踏め。土の地面。ただ生きるぼくの愚かな草たち。爪先じゃなくて踵だよ。(ぼくの愚かな5)#2factory88
福間健二 @acasaazul
妄想のなかを泳いで、だれの裸の事実にたどりつくのか。ぼくの愚かな魚たち。足りない時間と狭い場所のせいばかりじゃないサンドイッチの、具よりもパンの方に誘惑される怠け心。せめて靴下くらい脱いで入ってこいよ。三十分かそこらで出ていくのだとしても。(ぼくの愚かな6)#2factory88
福間健二 @acasaazul
何を言えるのか。この夕方の正直な物体に。自分たちを見つめる幸福を傲慢さのために外に追いだして電話を立ち聞きする。いいはずないさ。見たことも触ったこともないものをフランス式に縛っていたぼくの愚かな縄たち。その跡がカトリーヌの皮膚に残っている。(ぼくの愚かな7)#2factory88
福間健二 @acasaazul
カトリーヌとその夫。つまらない「許さない」とつまらない「どうでもいい」。それぞれ若い愛人がいたのは昔の話。いまは別々の浴室になにか飼っている。寵愛とか耽溺とかの切れっぱし噛んでありがたがってるんじゃないよ。ぼくの愚かな鰐たち。さあ牛肉だ。(ぼくの愚かな8)#2factory88
福間健二 @acasaazul
傷つきたくないと思いすぎるな。人は立ち直ることができるという東アジアの望郷篇だ。雲からおりて草むらの忘れられた道具を片付けている彼女に会いに行く。あっ、ぼくの愚かな虹たち。夕食、何にする。スキヤキとプルコギ、どっちが「できている二人」用か。(ぼくの愚かな9)#2factory88
福間健二 @acasaazul
お腹をいっぱいにして、久しぶりのハイライト。あせらないこと。飲みすぎないこと。あとはなんだろう。狙いを正確に、は基本でしかない。ぼくの愚かな銃たち。暴発した。体の「なしうること」に驚く人間に挨拶したのだ。二輪草。あっさりと貪欲であること。(ぼくの愚かな10)#2factory88

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