自閉症のあるお子さんの集団参加を促すアナログゲーム

自閉症があり一人遊びが中心のお子さんに、障害特徴である視覚優位の特性を生かしつつ集団参加を促せるようなアナログゲームを三種類、指導の実例とともにご紹介します。ブログ:http://ameblo.jp/houkagotouday/
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松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

さて、「ぱかぱかお馬」で学んだすごろくの構造を保ちつつ、プレイヤー間の「あげる」「もらった」という贈与関係を生み出せる驚くべきゲームがある。同じく独HABA社の「雲の上のユニコーン」。sgrk.blog53.fc2.com/?no=3033 療育関係者は度肝を抜かれるようなゲームですよ。

2015-05-05 23:00:15
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

基本ルールはサイコロを振ってゴールを目指すシンプルなすごろくだが、道々のコマで一定数の「水晶」が貰える。この水晶がまた赤くキラキラと光り、子どもたちの所有欲を掻き立てる。ただしこの水晶は自分のものにできず、他のプレイヤー(だれでもよい)にあげる。

2015-05-05 23:06:56
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

この水晶を一番多く集めた人が勝ちである。ゴールに一番に最初に着いた人は水晶4個もらえるので、早くゴールするインセンティブはかかっているのだが、主には人からどれだけたくさん水晶をもらえるかが勝敗の鍵を握る。

2015-05-05 23:08:35
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

戦略的には、手に入れた水晶の数が一番少ない人にあげるのが正解なのであるが、実際のプレイではそこまで考える子はおらず、普段から仲の良い子やさっき宝石をくれた子、あるいは単に隣の子にあげたりする。「あげる」「もらう」の経験をしてもらうことが目的なのでそれで全く問題ない。

2015-05-05 23:23:46
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ゲームという枠組みの中ではあるが、「雲の上のユニコーン」をプレイする過程を通じて、対人交渉がほとんどなかった子に「人にものをあげる」「人からものをもらう」といった経験をさせてあげることができる。

2015-05-05 23:40:52
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

またいかにも「訓練」といった風になってしまうが、宝石の受け渡しをする歳、「ありがとう」「どういたしまして」と言うように指導を入れれば、お礼のトレーニングになる。

2015-05-05 23:43:23
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

以上、これまで知的障害を伴う自閉症のあるお子さんを対象に、一人遊びから集団参加への移行を促すアナログゲームとして「虹色のへび」「パカパカお馬」「雲の上のユニコーン」を三種を紹介した。

2015-05-05 23:47:53
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

こうしたゲームを用いたトレーニングを行なった結果として、一人遊びばかりだったお子さんが、ニ、三ヶ月もするうち、自由時間などに普通に子どもたちの輪の中に入ってゲームをしているのを見ることがある。

2015-05-05 23:54:24
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

「あれ?この子って以前はずっと一人でお絵かきしてたような・・・」と私自身が訝しんでしまうような変化である。

2015-05-05 23:54:30
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

なお、知的障害を伴う自閉症のあるお子さんにプレイしていただきたいアナログゲームとして、ほかに「スティッキー」「メイクンブレイク」もおすすめしたい。

2015-05-06 00:18:56
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ブログの方で指導案とともに紹介しているのでぜひ御覧ください。 「スティッキー」ameblo.jp/houkagotouday/… 「完成したら報告する『メイクンブレイク』」ameblo.jp/houkagotouday/…

2015-05-06 00:20:39