【リヴェンジャー・フォー・ライトニング、インベイダー・フォー・ドラゴン】#2

艦これとメタルギアライジングのクロスオーバー二次創作SSです。どちらの公式様とも関係はありません。
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ジャック @Jack_heads

【リベンジャー・フォー・ライトニング、インベイダー・フォー・ドラゴン】#2

2015-05-01 22:10:39
ジャック @Jack_heads

裂け目に飛び込んだ瞬間、違和感が雷電を襲った。走り続けながら、己の腕を見る。驚くべき結果がそこにあった。彼の義体はあの時の義体に戻っていた。先程までの義体は人間社会で過ごすことを考え、戦闘力が下がる代わりにスーツのような見た目であった。それが。 1

2015-05-01 22:15:39
ジャック @Jack_heads

なんの影響か、以前の戦闘力重視の義体に戻っていた。右手に高周波ブレード。腰の後ろにはかつて敵の武器であった戦術釵・ディストピアがマウントされている。その光はまだ青い。雷電は刀を背の鞘にしまい、駆けることに集中した。敵はもう見えない。消えたあたりが出口であろう。少し距離がある。 2

2015-05-01 22:21:45
ジャック @Jack_heads

(そろそろか)数秒の後、出口と思しき地点に着いた。念のために左腕で顔面を庇い、飛び出す。足が空を切り、数瞬の間。立て膝姿勢で着地し、雷電は周りを見渡した。(なんだ…?)眼前数メートルの距離に敵。それを囲む兵士らしき人間。だがその兵士たちの銃は敵にではなく、己に向けられていた。3

2015-05-01 22:24:22
ジャック @Jack_heads

リーダー格らしき兵士が口を開く。「ここは陸軍が制圧した。陸軍関係者以外立ち入り禁止だ」雷電は肩をすくめ、答える。「もう入ってる」乾いた笑いが起こる。「そいつは?関係者には見えないが」「関係者だ。残念ながらな。そして、だ。お前には上から捕獲命令が出ている」 4

2015-05-01 22:26:57
ジャック @Jack_heads

先程とは別の笑いが起こった。「捕獲?無理だな。やれるものならやってみるがいいさ」雷電は背の鞘から刀を抜き、構える!「こちらとしては部隊に損害が出るのは避けたいところではある。大人しく投降してくれればありがたいんだがな」「そいつは…無理な相談だ」雷電が敵に殺気を放つ! 5

2015-05-01 22:29:24
ジャック @Jack_heads

だが敵は応じない!「ならば仕方がない。この場は諦めて撤退するとしよう。貴重な戦力を無駄にはできん」指揮官のその言葉を合図に陸軍部隊は撤退!その場に残された雷電は構えを解いた。これからどうしたものか。考えを巡らせる彼へ、右手の崖の上から声がかかった。「おい、そこの黒いの!」 6

2015-05-01 22:31:38
ジャック @Jack_heads

「お前は?」「オレの名は天龍、フフフ、怖…はやる意味ねえな、オレはさっきまでいたやつらの敵さ。お前、名前は?」「雷電だ」「その声、何だ?」「日本語に翻訳して電子音声で流している。本来は英語話者だ」「英語?ああ、英語な。了解了解、そのまま日本語で頼む」 7

2015-05-01 22:34:20
ジャック @Jack_heads

「というか電子音声?どうやって出してんだ?」「俺の身体は全身機械だからな。サイボーグだ」「サイボーグ?なんだそれ?」雷電は言葉を失いかけた。サイボーグが通じない?ここはどこだ?素直に口に出す。「すまない。ここは一体どこだ?」 8

2015-05-01 22:40:26
ジャック @Jack_heads

「ここは…ややこしいことはいいや。オレはこれから一旦自分の居場所に…鎮守府に戻る。お前も来るか?雷電」一瞬、雷電は逡巡した。どこまで信じていい?だが他に行く当てもない。「……そうさせてもらおう」こうして、雷と龍が邂逅した。9

2015-05-01 22:47:09
ジャック @Jack_heads

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2015-05-01 22:49:32
ジャック @Jack_heads

鎮守府、提督室。執務机を挟むように、三つの人影が対峙していた。片側に提督、もう片側に雷電と天龍。ここで雷電は「艦娘」の存在やその能力のこと、どうやらあの謎の裂け目のトンネルには不思議な効力があったらしいことを知った。元の世界とこの世界とは完全に別物のようだ。 11

2015-05-01 22:50:14
ジャック @Jack_heads

「こちらの組織とその人員、及び器物に損害を与えない限り自由にしてくれて構わない」提督が言う。「恩に着る」「ここにいる間は空き部屋を使ってくれ。天龍、案内を頼む」「了解だ提督。何かあったらすぐ呼んでくれ」「無論だ。奴らに動きがあったらすぐ知らせよう」「よろしく頼むぜ」 12

2015-05-01 22:52:31
ジャック @Jack_heads

「雷電、これからの戦いに何か必要なものはあるか?」執務室を出てすぐ、天龍は雷電に聞いた。用事があるなら部屋に行く前に済ませようと言うのだろう。「そうだな、艦娘の戦闘は砲撃が主だと聞いたが」13

2015-05-01 23:02:42
ジャック @Jack_heads

その雷電の言葉に少し戸惑いながらも天龍は答えた。「ああ。基本的にはな」「お前もそうなのか?そうだとするとあの……ヲ級、だったか?との相性があまり良くないはずだ。俺の世界で、あいつは俺の世界の技術を取り込んだからな」 14

2015-05-01 23:07:38
ジャック @Jack_heads

「問題ない。オレが得意なのは近接戦闘だ。結構特殊だけどな。だけど、近接戦闘なら鎮守府ではオレが最強だぜ」自信に満ちた顔で天龍が答える。「そうか。お前がこれからもあいつとやり合うつもりなら、俺の刀の機構をお前の剣にも組み込んでおきたい。技術者はいるか?」 15

2015-05-01 23:09:26
ジャック @Jack_heads

「ああ、それなら頼りになる奴がいる。明石って奴だ。あいつの工廠に行こう」それは言外に、彼女が戦いから降りるつもりがないことを示していた。 16

2015-05-01 23:25:28
ジャック @Jack_heads

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2015-05-01 23:26:01
ジャック @Jack_heads

「おう、明石。ちと邪魔するぜ」鎮守府内、工廠。ここでは艦娘の装備の整備や修理が行われている。作業している担当艦娘の明石に天龍が声をかけた。「ああ、天龍さん。……そちらは?」「こいつは雷電だ。例のあのヲ級との戦いでの協力者だ」「雷電だ、よろしく頼む」 18

2015-05-01 23:27:23
ジャック @Jack_heads

「明石です。以後お見知り置きを。それで、ご用件は?」互いの紹介も終わり本題に入る。途端に明石の目付きが真剣になった。天龍がここに来るのは大抵何か頼みがある時だ。「こいつの刀を解析してオレの剣のアップグレードをしてほしい。申し訳ないが急ぎで頼む。いつ奴が来るかわかんねえからな」19

2015-05-01 23:31:28
ジャック @Jack_heads

「了解しました。本音を言うと、未知の技術に私も興味があります。刀を拝借しても?」明石が雷電に問う。「ああ、大丈夫だ」雷電は刀を抜いて明石に渡した。「この刀、俺の世界では高周波ブレードと呼ぶ。詳しい仕組みはわからんが、高周波で斬れ味や強度を上げている」 20

2015-05-01 23:33:25
ジャック @Jack_heads

「他にも機能はあるにはあるが、電解質の吸着などは天龍の刀に付加しても使えないだろう。高周波機構のみで大丈夫だ。よろしく頼む」「お任せください。では早速」目の前にある未知の技術に没頭し始めた明石を背に、天龍と雷電は工廠を後にした。 21

2015-05-01 23:35:39
ジャック @Jack_heads

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2015-05-01 23:36:05
ジャック @Jack_heads

「あら?天龍じゃない!」「こんにちはなのです!」天龍と雷電が雷電の使う空き部屋への廊下を歩いていると、曲がり角から二人の少女が現れた。「雷と電か。遠征帰りか?」「そうよ!龍田と大和と行ってきたわ!」「ちょっと遠かったけど、結構楽しかったのです。それで、あの…そちらは?」 23

2015-05-01 23:37:16
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