岡島正晃さんのゲームレビュー第三弾 デモンズソウル

 第一弾と第二弾が何かは知りません。
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岡島正晃 @ADLAHIR

逆に言えば、それまでの500回に及ぶ死亡はすべて「なかったこと」になり、主人公キャラは「1回も死んでなかった」コトになる。そしてその「たった1回の成功」にたどり着けない限り、ゲームはそこで終了だ。

2010-12-23 03:10:09
岡島正晃 @ADLAHIR

言い換えるなら、プレイヤーは始めから「結果がわかって」プレイしている。「1回の成功」だけしか受け入れられず、自分が12時間と500体の屍を超えてでもそこにたどり着く気であるなら、結果は「1つしかない」のと同じではあるまいか?

2010-12-23 03:11:40
岡島正晃 @ADLAHIR

そして結果が1つしかないなら、「失敗するリスクとそれに対するスリル」もまた、ないも同然。何度となく詰まった難所をリトライするたび、スリルが薄れてプレイが作業になってしまった経験というのは、アクションゲーマーなら誰しも覚えがあるだろう。

2010-12-23 03:13:40
岡島正晃 @ADLAHIR

もちろん『デモンズ』だって、詰まった難所は何度もリトライするし、最終的な結果は「成功」か「諦め」しかないのも同じだ。ていうか、そこを否定してしまったら「死ぬたびに一番最初から」になっちゃうワケで、およそトライ&エラーを前提とするアクションゲームとしては成立しないだろう。

2010-12-23 03:16:10
岡島正晃 @ADLAHIR

だがそのかわり、『デモンズ』はオール・オア・ナッシングよりちょっとだけユルいリスク(ソウルの喪失)でスリルとゲームとしての必要要件を両立し、また「死んだらソウル体になっちゃう」という設定によって、物語上からも「なかったことになる」不自然さ、ある意味での「狭量さ」を払拭した。

2010-12-23 03:18:35
岡島正晃 @ADLAHIR

言い換えるなら、『デモンズ』には「失敗を許される自由と、それがもたらすスリル」がある。そして実際に失敗したときの「心がブチ折られるほどの喪失感」と(^^)、それを超えていくための戦略性がある。それらすべてが生む「遂に壁を越えるまでの、”そのプレイヤーだけの”苦闘の軌跡」がある。

2010-12-23 03:22:28
岡島正晃 @ADLAHIR

勘のイイ方はすでにお察しだろう。コレ、ナニに近いって、ズバリ『ウィザードリー』にそっくりなのだ!(^^)

2010-12-23 03:23:34
岡島正晃 @ADLAHIR

さらに言えば、発生するイベントの多くも、プレイヤーの選択やプレイ状況によって「必ずしも起こるワケではない」し、あまつさえエンディングにおいてすら、プレイヤーの選択によって分岐が存在する。そう、善し悪しは別にして、コレは「メーカーが考えた物語をなぞるゲーム」ではないのだ。

2010-12-23 03:27:14
岡島正晃 @ADLAHIR

ベースとなる物語の大筋に乗っかるのは、徹頭徹尾プレイヤーそれぞれだけの「苦闘の物語」なのである。主人公に名前や性別が設定されておらず、顔の造作まで細かく決められる点も、こうした主旨によるものに違いない。いかにもフロムソフトウェアらしい造りではあるまいか!?

2010-12-23 03:29:55
岡島正晃 @ADLAHIR

だからこそ、この『デモンズ』は恐ろしく中毒性が高い。使用武器による大胆なプレイフィールの変化、要所における物語上の選択、そして”なかったこと”には決してできない「失敗と達成の軌跡」が、プレイするたびにまた違った「物語」を見せてくれるからだ。

2010-12-23 03:34:07
岡島正晃 @ADLAHIR

確かに、『デモンズ』はヌルくない。だが、それでも多くのプレイヤーは、「心が折れそうだ」と、嬉しそうに呟く。20年以上ゲーマーをやってきた身として、俺様も断言しよう。絶えて久しくなかった、心を揺さぶられる「芳醇なゲーム体験」。『デモンズ・ソウル』は、それを約束する傑作である。(了)

2010-12-23 03:40:10