座礁艦隊その４７～落下～

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

<これまでのあらすじ> 艦娘の陸上運用をテストする独立機動試験小隊"座礁艦隊"は、アラビア半島での任務中にテロ勢力の艦娘らしき兵器と遭遇。調査の結果違法にサルベージされた轟沈艦であることが判明し、その加工拠点と目される、かつて深海棲艦の前哨基地であった岩礁に潜入する。 #座礁艦隊

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吸気ダクトの"幹"にはハシゴの類もなく、急造の雰囲気を匂わせた。艦娘どころか人間が入ってメンテナンスすることすら、もしかしたら想定していないのかもしれなかった。最上階の横管に到着したが、五十鈴はおろか重量80キロ強の巻雲でさえ、底を抜かさずに通れるか不安だった。 #座礁艦隊

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とはいえ入らなければどうしようもない。巻雲は横管の端に手をかける。五十鈴と互いにロープで繋がっているが、どこかに引っ掛けている命綱は無い。落ちれば二隻一緒に崖と同等であろう高さから叩きつけられられることになる。飛ぶように足を幹の壁面にかける。腕力のみで横管に潜り込む。 #座礁艦隊

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横管はギシギシと嫌な音を立てるが、巻雲の重量にかろうじて耐えた。横管を這って進む。すぐに一つ目の金網に到達。覗き込むと、マットレスだけの粗末なベッドに寝転びいびきをかいているテロリストの男。顔に見覚えがある。さっき交代したばかりの見張りだ。ここは仮眠室なのか。 #座礁艦隊

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巻雲は身を乗り出して部屋を見渡そうとする。ベッドは二段で、下にもはみ出た腕が見える。同じように寝ているらしかった。その手前、巻雲の足元側に、椅子に座ってポータブルテレビを見ている男が二人。三交代か。待機中にもかかわらずタバコを吹かし、酒を飲んでいる。 #座礁艦隊

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「（イスラムの規律も何もあったもんじゃないですねえ…）」 巻雲はそう思いながら、網を乗り越えて先へ進もうとする。 バキン、と今一番聞きたくない音。ダクトの底面が割れる。 「はわっ！？」 巻雲はあえなく控え室に落下。ロープはまだ繋がっており、宙づりになってしまう。 #座礁艦隊

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惚けた8つの目が巻雲を向いていた。 「み、ミサーウルヘイル。死ねっ」 テレビ組が傍らの銃を取るよりも早く、巻雲は胸のホルスターから拳銃を抜き放つ。パシパシと頬を叩くような音が８つ響き、2人の酔っ払いと2人の寝惚けは額と喉元から血を流してその場に崩折れた。 #座礁艦隊

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途端に巻雲を吊るしていたロープが緩み、血の滴る床に落ちてしまう。五十鈴が拳銃を構えてダクトから飛び出し、部屋の様子を確認してため息をついた。 「何やってんのよ…」 「不慮の事故です事故。とりあえず時間制限無くなったしいいじゃないですか」 #座礁艦隊

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五十鈴は巻雲とのロープを外して部屋へ降りると、4人の絶命を確認し、外の様子を伺う。この階には他に人がおらず、下階に気付かれてもいないようだった。22口径の減音器付き拳銃とはいえ、映画のように銃声がまったくしなくなるわけではない。運が良かっただけだ。 #座礁艦隊

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いや…運がどうという話では無い、と五十鈴は気づく。扉を開けた途端に飛び込んできた、雑多な機械音。これでは銃声など聞こえるはずも無い。洞穴で反響しているが、どうやら下階から発せられているようだった。見張りの控え室は洞穴内に作られたプレハブで、吸音材が外側に張られていた。 #座礁艦隊

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外に出て左右を見渡す。人はいない。廊下は工事現場にあるようなサビ止め色の金網の足場で、右手には上りの階段がある。屋上に続いているのだろう。左手は少し行ったところに梯子がかけられている。突き当たりは吸気管の幹。それを中心に円筒状の吹き抜けになっているようだった。 #座礁艦隊

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「ワンよりシックス。潜入に成功。見えてる？ 送れ」 五十鈴は側頭部につけた小型無線カメラをオンにする。 『こちらシックス。良好よ。電波妨害等は無いみたいね。送れ』 「侵入時にちょっとトラブルがあって、屋上歩哨の控えを全員殺害したわ」 『シックス了解。少しまずいわね』 #座礁艦隊

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「なんでですかあ。交代までの制限時間がなくなったからいいでしょお」 『バカ。屋上だけでなく控え室まで異常が起きてんのよ。誰かがそこに上がってきた時点で即バレだっつの』 巻雲の抗議を叢雲は一蹴する。 『ともかく迅速に行動せよ。施設の証拠固めと、可能ならそこの制圧』 #座礁艦隊

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イタリア艦娘は妖精さんが人間のことをより深く知った後に作られた最新の艦娘であるから性欲は人並み。戦艦であるからプライドをくすぐればチョロい…と思われがちだが、あのイタリア出身である。付け焼刃の口説き文句では陥落しない。日常的に女性を口説けるレベルが必要。

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だいたいの提督はその「日常的に女性を口説く」で躓く。提督は日本人でありイタリア人ではないのだ。

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雲龍掘りは3+3隻編成の最低限空母機動部隊でいけるっぽいので。 つまりなんとか航行序列っぽく陣形展開した時点で6隻は連合艦隊として扱われるんじゃ…

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戦闘規則で連合艦隊として扱われる条件は、1艦隊6隻編成で連合の艦種条件を満たしているうえで出撃先で可能な航行序列の配置を取るのではダメなんだろうな…。しっかり艦隊編成で連合艦隊の手続きを取らないと妖精さんが仕事してくれないのかもしれない。

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戦闘に可能な限り適応しつつムラムラ来たときに男を簡単に引っかけられるようにした結果が潜水艦娘の姿かたち。

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潜水艦は種族としてそもそも生えてないかもしれない。水の抵抗を軽減するために鼻より下の体毛がもとから生えない。なお素肌はサメ肌のように整流効果がある。戦闘のためには頭髪も全部剃るのがいいのだが、「坊主頭の女性に欲情する男性の絶対数が少ない」ので髪をはやしたままとかなんとか

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形やサイズは関係ないんだよね。たぶん名前が重要なんだ…。名前で性能が規定される。

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魚雷の貸し借りとかするとその場でサイズが可変する

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赤城と加賀は戦艦の高いプライドと正規空母のサイコパス的性格が化学反応を起こして下手こくと人死にが出るレベルだから…。「元戦艦だからセオリー通りプライドをくすぐってやればコロっといくだろ」って御近づきになろうとした提督がコロっと逝った（文字通り）のなんて枚挙にいとま無いから。

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

雲龍型は正規空母なのに「ちょっとした変人」止まり。

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はっちゃんの「ドックに本をいっぱい持ち込んでもいいかしら」の「いっぱい」とは数十冊程度のことであり、入渠タイムが3分だろうが１時間ちょっとだろうが全部読み終える。

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figma天津風を見て「やっぱり島風連装砲ちゃんの完全自律式はべらぼうなコストだったんやな…」って思った。連装砲くんは見事に機関部を省いてるもの。