- hadukino_tc
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雨上がりの醒めた空気 濡れたアスファルトの感色 恐ろしく澄んだ月光 通り過ぎるカブの排気音 息づくものの匂い すべてを背後に 足元に置き去りにして 僕は日常へと向かう その実そうした事象の先に 焦がれるほどのふしぎを期待しながら #twpoem
2010-03-05 05:15:46線路が雨に濡れ 月明かりに照らされると 飴細工の幻想線に接続します やってくるのは軽便鉄道 きしむ動輪 響く発車ベル 気が付くといつものホームにたっていました 今夜も乗り損ねたか 六番線にいつもの通勤電車が入ります 白線の内側までおさがりください #twpoem
2010-03-05 05:28:38見知らぬ他人の距離がスタートライン/そこから近くへ/近くへ/距離がゼロになるまで/でもある日/何を考えているのか分からなくなる/そのとき/二人は他人よりも遠くなる/だから/もう一度距離を縮めるには/根気がいったり/あっさりいったりする #twpoem
2010-03-06 15:50:14今日もまた遠く感じて/ひとしきり泣いて/ふと顔を上げると/ハンカチを手にした貴方がいた/ああこの人はやはり私を分かってくれる/貴方が優しい目をして言った/花粉症大変そうだね/そうだね/私達の関係は/すれ違いの思いやりから/かけがえのない真実を見つける作業に似ている #twpoem
2010-03-07 18:05:25夢野衛星屋では/あなたの想いを/小さな手作りの星にして/宇宙へ送ります/これまでにも/いろんな形の星たちを作り/その多くは今も元気に地球を回っています/あなたは/どんな星をご所望ですか? #twpoem
2010-03-09 07:43:49なんだかよくわからないものから/宇宙は生まれました/あいまいとしたそこかしこに濁りが凝り/あめつちにちげつほしぼしがあらわれ/そして生きとし生けるものが生まれました/私たちは星のかけらであり/宇宙のヒルコであり/形を得たことわりなのです #twpoem
2010-03-16 23:44:46君が見た空の向こうには神様がいて、僕が眺める空はからっぽな青が広がるだけ。なぜ同じものが見えないんだろう。だから僕は君が空の向こうに旅立っていくのをここで見守っているしかできない
2010-03-19 05:28:01ドーナッツの穴の存在を証明するのは難しいという/今日/きみが去っていき/今まできみがいた場所に/ぽっかりと空いた穴がを見つめる/今胸を締め付けるこの痛みが/穴の存在を証明しています #twpoem
2010-03-20 15:23:03きみがいなくなってから/あちこちにぽっかりとあいた穴が見える/ダイニングの右斜め前の椅子の上に/ソファの左側に/一つあまったベッドの枕に/ぼくの隣に/日常の生活という名前の/穴埋め作業に没頭しなくちゃ/何かがこみ上げてくる前に #twpoem
2010-03-20 15:42:33家に着くと/部屋の電気を一つまた一つ灯し/テレビを点けて頭を使わないバラエティ番組を探し/パソコンを立ち上げて面白い何かを探し/取り留めもなくつぶやく/大したことないんだ/ほんの少し広くなった部屋なんて #twpoem
2010-03-21 00:59:32何か物足りないな/ケータイの向こうにも/IMの向こうにも/SNSの向こうにも/見当たらない/笑っちゃってるような/お月さまのように/いつもの笑顔は思い浮かぶのに/手が届かない/便りのないのは元気な証拠なんだってね/僕宛てに手紙くれるかは別問題だけど #twpoem
2010-03-21 21:23:39星と星とを結ぶには/その線と/その面と/その空間が紡ぐ物語を思い描く/簡単なようで/難しいようで/時折違った星を結んだりもする/それでもいい/それっぽい星座ができれば/それが君の物語/そこから始まる物語 #twpoem
2010-03-21 21:44:42今頃分かったことがある/ずいぶん長い間/きみの名前をちゃんと呼んでいなかったこと/ある時期からきみの口数が多くなっていたこと/それを煩わしいと思ったこと/いつしかきみの口数がめっきり減っていたこと/それに満足していたこと/そんなぼくが愚かだったこと #twpoem
2010-03-21 21:52:23新しい生活の第一日目は景気づけに外食/二日目は友人と飲み/三日目はレトルトのカレーを食べた/四日目は多分弁当を買って帰るだろう/五日目はどうしようかな/断食して迷いを断ち切れないかな/そんなことしても/元の生活に戻れないし/温かい手料理はもう味わえないんだけどね #twpoem
2010-03-22 20:22:08いつもは人の影もない未明の通勤路でまばらに人とすれ違う。暖かくなってきたものの、今朝からコートを置いてきたので心持ち肌寒い。道路わきの桜はつぼみがふくらんできているけど咲くにはまだ少し早い。いつもと少し違う朝。いつもと変わらない朝
2010-03-23 05:17:45小雨が降る中を/傘も差さず歩いていたら/雨足が激しくなり/負けじと家まで走った/ついに土砂降りの中を/訳も分からず疾走する/水たまりに足を取られて転ぶ/シャツはどろどろ/気にせず立ち上がり/吠えながら駆ける/お前には負けん!/敵は倒せ!/敵はどこだ!/俺はどこだ! #twpoem
2010-03-23 21:44:12ここんとこ降り続きだった雨が止んで、久しぶりに心地よい風を感じる。夜明け前の青い空はどんより曇り空だけど、天を覆い尽くすような重苦しい感じはしない。
2010-03-26 05:20:17一週間前の今頃/わたしはすべてを失って/ただ悲しみに打ちひしがれていました/一週間がたち/わたしはすべてが空っぽになった気持ちで/寂しさを生活に紛らせています/いつかまた満たされることはあるのでしょうか/これ以上失くしたくないとも思うのです #twpoem
2010-03-28 11:47:09朦朧とした意識にも容赦なく朝は来る。傍を過ぎる誰かの靴音、冬日に戻ったかのような寒風、断絶された孤独感、無気力な日々、見えない明日、ないまぜになった空腹感と空虚感。濁りきったそんな僕の目線は春暁を見届ける前に鉄の箱に閉じ込められ太陽の恵みを受けることはない
2010-03-30 05:27:16