【魔法少女まどか☆マギカSS】オフィーリア

叛逆後世界で杏子が魔女パワーに目覚めて悪魔と共闘する話。
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GammaRay @sizuoka074

悪魔が世界をいじくったあと、さやかは他の堕天した円環組に手引きされて記憶を取り戻し、まどかを復活させて世界と円環を元に戻そうとする。一方、マミと杏子は過去の記憶を完全になくし、それぞれの家族と共にごく普通の少女として生きていた。

2015-05-16 18:46:48
GammaRay @sizuoka074

だがある日、杏子は夜道で死にかけのクラスメート・暁美ほむらを拾ってしまう。いかにもヤバそうな雰囲気なうえ、病院はよせというので教会の納屋にかくまう。杏子が見ているその前で、ほむらの傷はすごい勢いで治癒していく。しかし突如として現れた怪物によって納屋が襲撃され、杏子も重傷を負う。

2015-05-16 18:49:06
GammaRay @sizuoka074

絶体絶命のピンチに、走馬燈を見る杏子。そこには杏子の見たことのない風景まで広がっていた。赤いドレス。蝋燭の炎。眼前に迫る怪物の爪が杏子を引き裂こうとしたその瞬間、杏子はその名を呼んだ「Ophelia!!」次の瞬間、光と炎が溢れ、杏子の代わりに別の異形がそこに現れた。

2015-05-16 18:52:31
GammaRay @sizuoka074

蝋燭のように燃え上がる頭部とドレス。手には槍を持っている。異形は迫ってきた山猿の怪物を一瞬で消し炭に変え、直後に杏子の姿に戻った。 杏子は夢を見る。魔女と魔法少女の夢、穏やかでなにもない虚空の夢。失われた家族と友人達の夢……

2015-05-16 18:54:32
GammaRay @sizuoka074

杏子が目を醒ますと、そこは教会の納屋だった。火事の痕跡などどこにもなく、自分の腹に傷もない。「目が覚めたのね」昨夜の出来事が夢だったのかと思う杏子に話しかける何者かがいた。暁美ほむら、あの目つきの悪い不気味な女。「杏子……いいえ。オフィーリアと呼ぶべきかしら」話はそこから始まる。

2015-05-16 18:57:05
GammaRay @sizuoka074

杏子のクラスメート暁美ほむらは、かつての世界で神と戦った悪魔であり、その力を奪い取って今の世界を作ったのだという頭の可哀想な電波女だ。昨夜の怪物は神の力を奪い返そうと送り出された刺客『魔女』だが、かつて天使だった杏子も魔女の力を持っているのだという。昨夜の燃えてるやつがそうだとか

2015-05-16 19:03:48
GammaRay @sizuoka074

「あなたはもう人間ではないの」自称悪魔にすごいことを言われる杏子。杏子は昨夜の怪物に瀕死の重傷を負わされ、命を助けるためにやむなく魔女の力を覚醒させられたのだという。魔女の力は造物主である天国…円環の理に属している。悪魔は天国の門を開け、その力を操れるということだった。

2015-05-16 19:05:57
GammaRay @sizuoka074

「もしあなたがその力をコントロールできなければ、あなたは人間の心を亡くす」天使、ほむらが魔女と呼ぶ存在は円環に帰属する巨大な集合意識だ。強靱な意志力で立ち向かわなければ、そこに取り込まれてしまう。ほむらはかつて刺客の一人に致命傷を負わされ、コントロールのいくらかを失った。

2015-05-16 19:08:07
GammaRay @sizuoka074

一度呼び出したオフィーリアの力を杏子から取り出すことはできない。命を救うためだったというほむらの言葉を信じ、杏子はほむらの提案に従い、オフィーリアの力をコントロールするため、自称悪魔の電波女と行動を共にすることになった。

2015-05-16 19:09:29
GammaRay @sizuoka074

「杏子、その怪我どしたの?」教室に入ると親友のさやかが左頬の絆創膏を差して聞いてきた。適当にごまかすが、さやかも首に包帯を巻いている。「昨夜寝違えちゃってねえ」「おはよう杏子ちゃん、さやかちゃん」まどかもやってくる。その後はしばらくまったり話したが、自称悪魔は近づいてこなかった。

2015-05-16 19:14:44
GammaRay @sizuoka074

放課後、杏子は音楽室に向かった。杏子はガールズバンドのギタリストである。不本意ながら女にもモテる。マミがいれば十分だったし、そもそもちやほやされてるとマミの目線が恐いのだ。「今日から新入りが入るよ」バンマスの高木が紹介したのは、自称悪魔だった。(どうなってんだオイ)

2015-05-16 19:15:35
GammaRay @sizuoka074

(こうしたほうが一緒にいる口実になるでしょ)心の中の呟きにテレパシー(!)で返される。こいつになにができるんだよ、と思う杏子だったが、ほむらのドラムは実際大した腕前だった。「どこであんなの覚えたんだ?」「ドラムマニアよ。知り合いとよく遊んだわ」人は見かけによらないものだ!

2015-05-16 19:17:03
GammaRay @sizuoka074

夕方、杏子はほむらと共に工場街に繰り出した。「魔獣は魔法少女の餌となるエネルギー源よ。やつらを倒して魔力を補充しなければいけない。まずは変身してみなさい」言われたとおり、杏子は変身しようとした。「ハァーッ!!」孫悟空の物前をすると、昨日のとは違う赤いドレス姿になったが、

2015-05-16 19:20:14
GammaRay @sizuoka074

「…………別に掛け声とかはいらないのよ」Fuck!!!死ぬほど恥ずかしかった。だがドレスが違うのは気になる。なぜかと聞くと「あれはオフィーリアの本来の姿よ。今のあなたはまだ人間より。あの力にはまだ触らない方がいいの」適当に納得し、初めての魔獣狩りに。

2015-05-16 19:21:33
GammaRay @sizuoka074

何度か失敗しかけつつも、ほむらの適切なサポートにより、「初めてにしては上等」の戦果を上げる。今までろくに付き合いもない相手だったが「あんた、妙にしっくりくるな」と、つい言ってしまう。悪魔はひどく愉快そうに笑い、その日はずっとご機嫌で、豪勢な夕飯まで奢ってくれた。

2015-05-16 19:23:29
GammaRay @sizuoka074

その日から杏子の二重生活が始まった。昼間は学校、放課後はほむらとバンドの練習、夕方過ぎになると町に出て行き、ほむらと魔獣狩りの特訓をする。家族はそれなりに放任主義で杏子を信用していたし、バンドの仲間と練習すると言えば、家を空けるのを許してくれた。

2015-05-16 19:25:53
GammaRay @sizuoka074

ある日、事態は急変する。魔獣狩りに精を出している二人に、突然攻撃を仕掛けてくる何者かがいた。巨大な鋼鉄の腕と剣だった。すんでの所で攻撃を避けると、白いマントを翻す剣士の姿。「まさかあんたが杏子に取り入ってたとはね」さやかだった。杏子は我が目を疑う。

2015-05-16 19:28:50
GammaRay @sizuoka074

「その女に騙されちゃだめだよ。そいつはあんたを利用する気なんだ」「なんだって?」「そいつはまどかから力を奪って、この世界を好きにしてる。そのことをほむらは一言でも説明してくれた?」神と戦ったとは聞いていたが、与太話だと思っていたし、まどかが相手だなど聞いていなかった。

2015-05-16 19:30:12
GammaRay @sizuoka074

「あなたはオフィーリアの強すぎる力に引きずられかけていた。精神が揺らげば、魂も揺らぐ。あなたをつなぎ止めるために話せなかったのよ」「自分の目的にために、でしょ?」困惑する杏子をよそに、二人が戦闘を開始する。

2015-05-16 19:31:41
GammaRay @sizuoka074

「まだ腹の傷が治ってないんでしょ?」「そっちこそ、落とした首は繋がったの?」ほむらの使い魔達と、鎧の人魚が激突する。さやかの力は圧倒的だった。周囲から涌き出る魔獣も一顧だにせずに巻き添えにする。しかしその凄まじい力にあてられたか、杏子の中に眠る魔女の力が呼び覚まされてしまう。

2015-05-16 19:33:25
GammaRay @sizuoka074

明滅する夢の世界。やわらかな光の中でオフィーリアは言った。『あの場所にに還るんだ』杏子は抗おうとした。だが強すぎる。体が引きずられ、平衡感覚を失っていく。『こんな世界を守ってどうする』夢の光景が変わった。燃え上がる教会。家族達の亡骸。路地裏に座り込むクズ達、それに混じる杏子。

2015-05-16 19:35:52
GammaRay @sizuoka074

『Wooooo!!!』爆炎と共にオフィーリアは目覚めた。だがほんのわずかに残った杏子の精神がその均衡を失わせ、魔女の力は暴走した。手当たり次第に物を破壊し、魔獣からエネルギーを吸い上げ、ほむらとさやかにも襲いかかる。

2015-05-16 19:37:24
GammaRay @sizuoka074

「今日はひとまずあたしの勝ちだね」さやかは嗤った。「いつか杏子はあたし達の味方になってくれる。いずれはマミさんも。そうすればあんたに勝ち目はない。まどかはあんたの物にはならない」ほむらに一撃を加え、さやかは去った。ほむらはオフィーリアと対峙し、『説得』を試みた。

2015-05-16 19:39:07
GammaRay @sizuoka074

使い魔によるコンビネーションと重砲による一撃。そしてとどめとなったのは、優雅さの欠片もないゲンコツだ。オフィーリアは倒れ、私服の杏子の姿に戻った。ほむらは手傷を負っている。「まったく世話の焼ける……」ほむらは頭を振り、ポケットから取り出したチョコプレッツェルを口に咥えた。

2015-05-16 19:41:18
GammaRay @sizuoka074

翌朝目を醒ました杏子は、当然ほむらに食ってかかった。隠し事をしていたことを糾弾し、真実を明かせと言った。ほむらはまどかを救うために力を奪ったことを認め、杏子を自分の側に引き入れようとしてたことをあっさり認めた。杏子が別離を提案すると、ほむらはやはりそれを認めた。

2015-05-16 19:43:31
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